2023年3月18日土曜日

疑惑の高市大臣 新にウソ発覚 スクープ

 高市経済安保相(1993年初当選)は、1994年に発刊された『HITLER(ヒトラー)選挙戦略』(小粥義雄著)の推薦文を書いたり、旧ナチス・ドイツを信奉する極右団体代表の山田一成氏とのツーショット写真が同団体のホームページに載るなど、政界に登場した時点から極右団体との親密性が指摘されてきました。

 そうであれば勝共連合を別団体に持つ統一協会との接点があっても一向に不思議ではありません。果たしてしんぶん赤旗日曜版のスクープで、1994年から01年にかけて少なくとも5回、統一協会系の日刊紙「世界日報」に登場していたことが明らかにされました

 併せてシリーズ「徹底追及統一協会」の記事「北海道議選・自民・藤井候補 選挙はがきに“協会推薦”19年の函館市議選で」を紹介します。統一協会が地方議員にも選挙を通じて個別に食い込んでいることが分かります。
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疑惑の高市大臣 新にウソ発覚 スクープ
統一協会「世界日報」に何度も登場 「月刊誌で対談度だけ」と説明していたはずが
                    しんぶん赤旗日曜版2023年3月19日号
 統一協会(世界平和統一家庭連合)との接点について、2001年の月刊誌での対談1件のみと説明していた高市早苗・経済安全保障担当相。その説明が事実と大きく異なっていました。編集部の調べで高市氏は初当選後の1994年から01年にかけて少なくとも5回、統一協会系の日刊紙「世界日報」に登場していました。高市氏をめぐっては、放送法の解釈変更に関する行政文書についての「裡造(ねつぞう)だ」とする答弁が大問題となっています。  取材班

 統一協会との接点について、高市氏が初めて公表したのは第2次岸田改造内閣の閣僚就任会見(22年8月10日)です。報道機関の指摘を受け国会図書館に照会した結果、月刊誌『ビューポイント』(01年4月号)に政治評論家・細川隆一郎氏(故人)らとの対談記事が掲載されていたのがわかった、と説明。「『ビューポイント』という本が旧統一協会と何らかのかかわりのある本だと知らなかった」と弁明しました。
 しかし『ビューポイント』は、統一協会系の日刊紙「世界日報」のダイジェスト版。問題の対談記事も「世界日報」(01年1月5、6日付)に掲載されたものでした。
 統一協会の開祖・文鮮明の提唱で創刊された「世界日報」。複数の現職閣僚も紙の取材を統一協会との接点として公表しています。なぜ高市氏は「世界日報」での対談だったと説明しなかったのか-。
 実は、高市氏が「世界日報」に登場したのは01年だけではありません。
 93年7月に初当選した高市氏。その約9カ月後の94年4月24日付の「世界日報」には、政界再編について高市氏が解脱する単独インタビューが掲載されています。
 翌95年1月1日付の「新年企画」にも「女性の目から見た政界や環境・教育問題」のテーマで登場しました。

「夫婦別姓、私は大反対」
 96年1月9日付では憲法改正」や「夫婦別姓」などについて前出の細川氏や西村真悟新進党衆院議員(当時)らと対談。高市氏は「夫婦別姓。私は大反対」「私は家長制度が復活してもいいと思う」と語っています。
 翌97年3月17日付では「夫婦別姓導入問題」での単独インタビューが掲載。「いくら選択的別姓といっても、家族の絆に確実に影響を与えると思う」と発言しています。
 編集部が確認できただけでも高市氏は94年~01年にかけて計5回(上下連載含めると計6回)、「世界日報」に登場しています。

「霊感商法」が大問題になった時期と重なる
 重大なのは、高市氏が「世界日報」に登場した時期。90年代は統一協会の「霊感商法」や集団結婚式がメディアで大きく報じられ、訴訟も多数、起こされていました。
 94年5月の福岡地裁判決は、「霊感商法」が統一協会による組織ぐるみの犯罪であると事実上認め、賠償を命じました。97年には最高裁が統一協会の上告を棄却。「霊感商法」で統一協会の賠償責任を初めて認定しました。
 集団結婚式についても96年4月、最高裁が婚姻無効を認定する初の判決を出しました。
 国会でも95年11~12月にはほぼ連日、参院で宗教法人等に問する特別委員会が開かれ、統一協会の問題が取り上げられていました。

「関係を断つ」 調査本人任せ
 そのような統一協会が大きな問題となっていた時期に計5回も「世界日報」に登場していたことは、高市氏と統一協会との関係の深さを示すものです。
 日曜版(22年9月25日号)は、高市氏が19年に関いた政治資金パーティーのパーティー券を、統一協会の関連団体「世界平和連合奈良県連合会」が計4万円分を購入していた疑惑を報じました。高市氏は記者会見(22年9月26日)で「そのような事実はない」「ご指摘の団体からの振り込み、領収書を切った記録もなかった」と否定しています。
統一協会との関係を断つ″といいながら、調査を議員任せにしている岸田政権と自民党。市氏が統一協会との深い関係を隠し、ウソの説明をしていたとすればことは重大です。
 編集部の取材に高事務所は期限までに回答しませんでした。

     高市氏と統一協会をめぐる動き
   1993年7月 高市氏が衆院選で初当選
    94年4月 「世界日報」にインタビュー記事掲載
    94年5月 「霊感商法」で統一協会に賠償命令(福岡地裁)
    95年1月 「世界日報」にインタビュー記事掲載
    96年1月 「世界日報」に対談記事掲載
    96年4月 集団結婚式で初の婚姻無効を認定(最高裁)
    97年3月 「世界日報」にインタビュー記事掲載
    97年9月 「霊感商法」で統一協会の賠償責任を初めて認定(最高裁)
   2001年1月 「世界日報」に対談記事掲載


徹底追及 統一協会
北海道議選・自民・藤井候補 選挙はがきに“協会推薦”19年の函館市議選で
                       しんぶん赤旗 2023年3月17日
 北海道函館市議会で自民系会派「市政クラブ」に所属する藤井辰吉議員(44)が2019年の市議選で、統一協会(世界平和統一家庭連合)の関係者から推薦されていたことが、16日までに本紙の取材で分かりました。藤井氏は4月の道議選・函館市区に自民党から立候補を予定しています。(統一協会取材班)

 本紙は、市議選で藤井氏の選挙事務所が市民に郵送した選挙はがきを入手。推薦者の欄に「世界平和統一家庭連合函館家庭教会」の団体名と個人名が書かれていました。藤井氏の経歴を紹介し、目立つ文字で「皆様からの応援、お願いいたします!」と支持を呼びかける内容です。
 本紙の取材に、藤井氏は「そこ(統一協会)の方が推薦者の中にいることは分かっていた」と認めました。
 推薦を受けた経緯については「19年の市議選の直前に、家庭連合の方から『応援する』という話があったので『ありがとうございます』と応じた。それまでは全く関わりがなく、函館家庭教会に行ったこともない。個人として応援してもらった」と説明しました。
 「選挙で支援を受けたことに問題があったのではないか」と聞くと、藤井氏は「個人の信条に関わることなので、口出しすることではない」と主張。霊感商法や高額献金、家庭崩壊など統一協会の反社会的な実態は「報道を通じて知った」として「今となっては不適切だった」と述べました。
 道議選に向けた自身の対応について「自民党の公認を得るにあたり、統一協会と関係を持たないことを宣誓した。統一協会から推薦や支援を受けることはない」としています。
 自民党北海道連青年局のホームページによると、藤井氏を青年局の副幹事長としています。