共産党の山添拓議員は6日の参院予算委で、「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の運用について、米軍が日本を含む同盟国のあらゆる情報や射撃システムまで一つに統合し、先制攻撃を含む敵基地攻撃を一体で行う危険を明らかにしました。
山添氏は、米国は警戒情報(センサー)だけでなく、相手に対する実際の射撃システム(シューター)まですべて、米国を中心とした同盟国間で共有するシステムを提案していると指摘しました。
そして「政府は日米のIAMDは全く別物と言うが、言葉までうり二つだ」として、安保3文書中の「国家防衛戦略」でIAMDについて、日米2つの文書を示し、米国でさえ単独でIAMD構想の実行は不可能だとしているのに。「日本が独自にシステムを構築するなど荒唐無稽だ」と批判しました。
憲法に反してまで米国に追随しようとしている政府が、IAMDにおいて独自判断・独自行動が行えるなどと述べても到底信用することはできません。
なお質問の詳細は「質問詳報」を参照ください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日米一体 敵基地攻撃の危険 あらゆる情報、射撃システムも共有
参院予算委 山添氏が追及
しんぶん赤旗 2023年3月7日
日本共産党の山添拓議員は6日の参院予算委員会で、「ミサイル防衛」と敵基地攻撃が一体となった「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の運用について、米軍が日本を含む同盟国のあらゆる情報や射撃システムまで一つに統合し、先制攻撃を含む敵基地攻撃を一体で行う危険を明らかにしました。(質問詳報)
山添氏は、米軍が2018年に公表した「IAMD構想2028」で「“あらゆるセンサー、シューター”を活用できるネットワーク構造」として、警戒情報(センサー)だけでなく、相手に対する実際の射撃システム(シューター)まですべて、米国を中心とした同盟国間で共有するシステムを提案していると指摘。さらに、政府の安保3文書の一つである「国家防衛戦略」では、IAMDについて「ネットワークを通じて各種センサー・シューターを一元的かつ最適に運用できる体制を確立」していると明記(図)しており、「政府は日米のIAMDは全く別物と言うが、言葉までうり二つだ」と強調しました。
さらに今年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同声明で、日本の敵基地攻撃能力の「効果的な運用」に向けた日米間の協力深化を確認したことに言及し、「IAMDで日米のセンサーやミサイルを統合し、米軍主導で運用を進めていくものではないか」とただしました。
浜田靖一防衛相は、「日米が連携することは重要」と認めつつ、「それぞれの指揮系統に従って行動する」などと強弁しました。
これに対して山添氏は、バイデン米政権が昨年10月に公表した「ミサイル防衛の見直し(MDR)」で同盟国に対し、米国との相互運用が可能となるよう自国のIAMDシステムへの投資を奨励していることを指摘。さらに、「IAMD構想2028」は、米国でさえ、単独でIAMD構想の実行は不可能だとしていることをあげ、「日本が独自にシステムを構築するなど荒唐無稽だ」と批判しました。
。