2023年3月17日金曜日

17- ウ軍指揮のNATO地下司令部が露軍の極超音速ミサイルで破壊された 

 ウクライナの地下80mあるいは120mにあるNATOの戦略司令部が9日以降、ロシアの極超音速ミサイル(マッハ12)を含む約80基のミサイルの攻撃を受けて破壊され、NATOの将校数十人が死亡したということです。

 これはウクライナ戦争は米国の代理戦争に留まらず、NATO将校群が戦術参謀として戦争に参加していることを証明するものです。
 櫻井ジャーナルが伝えました。
 併せて同ブログの記事「自衛隊が石垣島に駐屯地を建設した目的は米国に協力、中国を攻撃するため」を紹介します(原文には2種類の地図が添付されていますが割愛しました)。
  参照先⇒ https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202303170000/
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ウ軍を指揮してきたNATOの地下司令部が露軍の極超音速ミサイルで破壊された 
                         櫻井ジャーナル 2023.03.16
 米国欧州軍司令部によると、黒海を飛行していたアメリカ空軍の偵察用無人機MQ-9へロシア空軍に所属する2機のSu-27が接近し、衝突してMQ-9は墜落したという。ロシア国防省によると、トランスポンダー⇒無線通信をオフにした無人機がクリミア半島へ接近、Su-27は緊急発進した。その無人機はコントロール不能になって海中へ墜落したが、ロシア軍機は搭載した武器を使っていないという。

 ロシア軍のECM(電子対抗手段)能力は高い。2013年9月に地中海から発射された2機のミサイルが海中へ落下しているが、これはシリアを軍事的に制圧しようとしていたバラク・オバマ政権の命令による攻撃だったと見られている。イスラエルはミサイルの発射実験を行ったと発表したが、事前の警告はなく、事実ではないだろう。ロシア軍がECMで落としたと推測する人は少なくない。
 ウクライナではネオ・ナチによるクーデターで合法政権が倒された2カ月後の2014年4月、アメリカ海軍の駆逐艦ドナルド・クックが黒海へ入り、ロシア領に接近した。ウクライナ全域の制圧を目指すアメリカによる恫喝だったのだろうが、その艦船の近くをロシア軍のSu-24が飛行すると状況が一変した。
 ドナルド・クックはすぐルーマニアの港へ入り、その後、ロシアの国境には近づかなくなったのである。ロシアでの報道によると、ロシア軍機は「キビニECMシステム」を搭載、ドナルド・クックのイージス・システムを麻痺させたという。
 MQ-9は公海上を飛行していたというが、ウクライナに展開するロシア軍に関する情報を収集していた可能性が高く、その情報はウクライナ軍へ伝えられる。
 アメリカ/NATOは2014年2月のクーデターを準備している段階からネオ・ナチを戦闘員として訓練、武器弾薬や軍事情報を提供し、軍事作戦はNATOが立てていたと言われている。こうしたことはアメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めたスコット・リッターも語っていた。公海上であろうとどこであろうと、MQ-9はロシア軍を攻撃するための情報活動、あるいは軍事侵攻のシミュレーションを行なっていたのだろう。
 ウクライナ軍はアメリカが供給したJDAM-ER(射程延伸型統合直接攻撃弾)を既に使用していると言われているが、それに対し、ロシア軍は3月9日から極超音速ミサイル(マッハ12)のキンジャールを含む約80機のミサイルで攻撃し、ウクライナ側に大きな損害を与えた。
 リボフの地下80メートル、あるいは120メートルの場所にはNATOの戦略司令部があると言われていたが、その司令部がキンジャールに破壊されたと報道されている。そこには300名以上のスタッフが常駐、その一部はイギリスやポーランドをはじめとするNATO諸国軍の将校で、アメリカ軍の将校もいたという。
 司令部は土砂で埋まり、死体の数は確認されていないようだが、相当数にのぼり、「影の参謀」とも言われているNATOの将校数十人が含まれているとも言われている。この事実が表面化すると、NATO軍は文字通りロシア軍と直接、戦争状態にあることが知られてしまう。
 ロシア政府は昨年9月21日に部分的動員を発表した。30万人から40万人が集まったと言われ、その大半は軍事訓練に回された。準備が整うまでに半年は必要だと言われているので、3月に訓練は終わると見られている。その部隊が戦線へ投入される日が近づいている。始めてロシア軍がウクライナで姿を見せるということだ。
 ちなみに、MQ-9の墜落は事故でなく意図的なものだと考える人がいる。 ロシア政府による警告ということだ。


自衛隊が石垣島に駐屯地を建設した目的は米国に協力、中国を攻撃するため
                         櫻井ジャーナル 2023.03.17
 陸上自衛隊の駐屯地が3月16日に石垣島で開設された。南西諸島の離島における軍事施設は2016年に与那国島で、また19年には奄美大島と宮古島で建設されている。日本では「防衛上の空白」を解消するためだと説明されているようだが、これは建前にすぎない。
 日本はアメリカの属国であり、自衛隊はアメリカ軍の補完物にすぎない。軍事施設建設の目的はアメリカの戦略に基づく。その戦略はアメリカ国防総省系のシンクタンク、「RANDコーポレーション」が昨年に発表した報告書 のなかで明らかにされている。
 それによると、アメリカ軍は中国をGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で包囲しようとしているが、配備できそうな国は日本だけだ。ところが日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約がある。そこでアメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたとされている。その一環として石垣島の駐屯地も建設された。
 そこで、日本政府は射程距離が1000キロメートル程度のミサイルを開発し、艦艇、戦闘機、そして地上から発射できるようにする計画 をたてた。地上発射の改良型は2024年度にも配備する方針だという。
 その後、日本政府はアメリカから亜音速の巡航ミサイル「トマホーク」を購入する意向だという話が出てきた。トマホークは核弾頭を搭載でき、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートル。「反撃能力」というタグがつけられているが、実際は先制攻撃能力だ。攻撃する相手は中国だけでなく、その同盟国であるロシアも含まれる
 日本は射程距離が3000キロメートル程度のミサイルを開発し、2030年代の半ばまでに北海道へ配備する計画だとも伝えられている。それが実現するとカムチャツカ半島も射程圏内だ。岸田政権の与党である自由民主党と公明党は「敵基地攻撃能力」を日本が保有することで合意しというが、これは「先制攻撃」の言い換えにすぎない。
 日本は技術力が低下しているアメリカを助けるため、高性能兵器の開発にも乗り出しているようだ。例えばアメリカと共同で音速の5倍以上で侵入してくるHGV(極超音速滑空体)を迎撃するミサイル技術の研究開発を考え、昨年7月24日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で迎撃ミサイルに必要な速度に到達することが可能だとされるエンジンの飛行試験を初めて実施した。

 極超音速で飛行するミサイル自体も研究だと言われ、HGVではなくエンジンによって推進力を得る極超音速巡航ミサイル(HCM)の開発を目指しているという。2026年には九州や北海道の島々へ配備したいようだ
 アメリカはロシアの周辺にもミサイルを配備しているが、これは軍事的に威嚇することが目的であり、状況によっては先制攻撃に使われる。アメリカは核兵器を開発して以来、常に先制攻撃のチャンスをうかがってきた。
 例えばフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキアー・リーバーとダリル・プレスの論文では、アメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てるとしている。この雑誌はCFR(外交問題評議会)の定期刊行物で、アメリカ支配層の考え方が反映されている。
 2019年にRANDが発表した「ロシア拡張」では、ロシアを弱体化させるためにウクライナへ殺傷兵器を提供し、シリアのジハード傭兵に対する支援の再開、ベラルーシの体制転覆を促進し、アルメニアとアゼルバイジャンの緊張を利用、中央アジアへの関心を強め、トランスニストリア(モルドバとウクライナに挟まれた地域)の孤立を強めるとしていた。

 ウクライナでは昨年2月にロシア軍が介入したが、本体はま戦場に姿を現していない。3月入る頃になるとキエフ政権は話し合いで解決しようとする動きを見せるが、アメリカやイギリスはそれを阻止するために恫喝、戦闘の継続を命じた
 しかし、ウクライナの軍事組織は壊滅、兵士の訓練、武器弾薬や軍事情報の提供だけでは対応できず、NATO軍が指揮しているようだ。事実上のNATO軍だが、ロシア軍の勝利は確実だと見られている。そうした中、戦争を推進してきたネオコンは好戦的な発言を繰り返し、東アジアでの軍事的な緊張を高めている。
 ネオコンは1991年12月にソ連が消滅した直後、アメリカが「唯一の超大国」になったと認識、1992年2月にネオコンが支配していた国防総省において、DPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇計画を作成した。その時の国防長官はディック・チェイニー、国防次官はポール・ウォルフォウィッツだ。そのウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから、DPGは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれている。
 ドイツを統一、日本を自らの戦争マシーンに組み込むことに成功したアメリカは世界制覇に乗り出したわけだが、その第1の目的は「新たなライバル」の出現を阻止することだ。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジア、東南アジアにアメリカを敵視する勢力が現れることを許さないとしている。
 1995年2月に発表されたジョセイフ・ナイの「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を受け入れた時点で日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれた。その延長線上に石垣島の軍事施設建設もある。
 ところが、その世界制覇戦略はすでに崩れ始めている。世界的にアメリカ離れが起こっている一因はそこにあるのだが、明治維新からアングロ・サクソン系金融資本に従属してきた日本は破滅への道を歩き続けるようだ。