2018年3月6日火曜日

沖縄に核を在米日本大使館容認 09年 概要メモ続報

 2009年に米議会委員会が在米日本大使館関係者から意見を聴取した際に、「沖縄への核貯蔵庫建設」の是非を聞いたのに対して、日本側が「提案は説得力がある」と容認していたことが分かりました

 それは、日本は「作らず 持たず 持ち込ませず」の非核3原則を宣言しているにもかかわらず、沖縄については適用外とすることを公然と認めたもので、そうした姿勢は5日付で紹介した、米国に核兵器の拡充を促す発言と整合するものです。

 そういう部署(外務省)が事実上日本の核政策を仕切っているわけなので、毎年、国連での核兵器禁止決議には核兵器保有国とともに不賛成の立場をとりつづけ(その言い訳のように、実効性を伴わない核兵器禁止の日本案を提出)たり、2月初めにトランプ大統領が、戦術核兵器の拡充や核の先制攻撃も否定しないことを内容とする新たな「核態勢見直し」NPRを公表した際に、真っ先に河野外相が全面的に賛成したこともうなずけます(安倍首相も2月14日の国会で全く同趣旨の発言をしています)。

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「沖縄に核」日本容認 09年、米の貯蔵庫建設提案に
大使館関係者「説得力がある」
しんぶん赤旗 2018年3月5日
 オバマ前米政権の新たな「核態勢見直し」(NPR)策定に向け、米議会が設置した諮問機関「米国の戦略態勢に関する議会委員会」が2009年2月、在米日本大使館関係者との意見聴取で「沖縄への核貯蔵庫建設」の是非を聞いたのに対して、日本側が「そうした提案は説得力がある」と応じていたことが分かりました。

 本紙が入手した意見聴取の概要メモ(2009年2月27日付)に明記されていました。メモは意見聴取に出席した戦略態勢委員会スタッフが作成し、米「憂慮する科学者同盟」のグレゴリー・カラーキー氏から提供されたもの。沖縄への核兵器再配備という選択肢が今なお存在していることをうかがわせるとともに、日本政府がこれを肯定したことは、国土への核兵器配備を容認したことになり、「核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず」との非核三原則に明確に違反します。

 さらに、1972年の本土復帰以後、日本側が沖縄への核配備を肯定した発言が明らかになったのは初めてです。沖縄を再び「核の島」にすることを容認するものであり、県民に強い衝撃と怒りを与えるのは必至です。

 メモによれば、意見聴取が行われたのは09年2月25日。戦略態勢委員会のシュレジンジャー副議長(元国防長官)が、「沖縄かグアムへの核貯蔵庫建設についての日本の考えはどうか」と質問。これに対して日本大使館の秋葉剛男公使(現・外務事務次官)は、「そうした提案は説得力があるように思える」と表明しました。

 戦後、本土から切り離されて米軍の占領統治下に置かれていた沖縄には1967年時点で、アジア太平洋地域で最大規模の1300発もの核兵器が配備されていました。
 72年5月に沖縄が日本に返還された際、核兵器は撤去されましたが、これに先立つ69年11月19日、佐藤栄作首相とニクソン米大統領は、米側は「有事」になれば核兵器を再配備する権利を保持し、嘉手納弾薬庫(沖縄市、読谷村など)や辺野古弾薬庫(名護市)などを「何時でも使用できる状態に維持」するとした密約をかわしていました。

写真
(写真)2009年2月25日に行われた米戦略態勢委員会の意見聴取の概要メモ。「沖縄かグアムへの核貯蔵庫の建設」に関する見解を聞かれた秋葉剛男公使(現・外務事務次官)は、「そのような提案は説得力がある」と答えたことが記されている