2018年3月26日月曜日

佐川氏答弁 矛盾点は“価格提示”と“関係する政治家”NHKが検証

 NHKが、佐川氏の去年2月15日~5月30日における904回の国会答弁を、改ざん前の決裁文書と比較対照した結果、それと矛盾した答弁を44回行っていました。
「学園側に事前に価格提示をしたことはない」「この日に学園側と面会した記録はない」などという、虚偽答弁を36回にわたって繰り返しました。
 また「安倍首相の妻の昭恵氏の関与」にしては、「記録が残っていない」と虚偽の答弁を2回行いました
 決裁文書では「政治家の働きかけがあった」と記述されてますが、不当な働きかけは無かった」と形容詞をつけることで、「働きかけはなかった」と受け取られかねない答弁を9回行いました。
 上記以外の事柄については概ね改ざん前の記述に即していということです

 この記事はNHKの労作といえます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
検証 佐川氏答弁 矛盾点は“価格提示”と“関係する政治家”
NHK NEWS WEB 2018年3月25日
森友学園をめぐる財務省の決裁文書が書き換えられた問題で、去年2月から3月にかけて佐川前理財局長が国会で行った900回余りのすべての答弁を書き換え前の文書と比較して検証したところ、内容が矛盾している答弁の大半が、事前の価格提示や、関係する政治家などの記録の有無に関するものだったことがわかりました。
この問題で財務省は、決裁文書の書き換えは去年2月から3月にかけて佐川氏が行った国会答弁と整合性を取るためで、佐川氏も関与したと説明していますが、答弁のどういった点にそごがあったのか明らかにしていません。

国会議事録によりますと佐川氏は、去年2月15日から3月30日までの間に衆参両院の各委員会に36回出席し、森友学園に関係する答弁を合わせて904回行っています
NHKは佐川氏のすべての答弁内容を決裁文書から削除されたり書き換えられたりした記述と比較して検証しました。その結果、削除された記述と矛盾している答弁が44回、確認されました。
このうちもっとも多かったのは、国有地の貸付料をめぐるものです。

元の文書には、平成27年1月9日に「近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える」と書かれています。
佐川氏は「学園側に事前に価格提示をしたことはない」とか「この日に学園側と面会した記録はない」などと36回にわたって否定する答弁を繰り返していました。

この概算の貸付料について元の文書にはその後、平沼赳夫元経済産業大臣や鳩山邦夫元総務大臣の秘書から財務省や財務局に対し、「高額であり、何とかならないか」という相談があったとする政治家などとのつながりも書かれています。
また、こうした政治家などに関する記述が元の文書にはあるのに佐川氏は5回にわたって、「記録が残っていない」とする答弁をしていました。
このうち2回は安倍総理大臣の妻の昭恵氏に関するものです。
元の文書には、昭恵氏が学園を訪問し講演したことなどが書かれていましたが、佐川氏は近畿財務局が学園訪問を知っていたかという質問に対し、「学園のホームページに載っているので見た担当者がいたかもしれないが、具体的な内容については知らない」などと答えていました。

また矛盾とまでは言えないものの、元の文書にあった問題となりそうな記述を避けたともみられる答弁が32回ありました。
このうち9回は政治家の働きかけがあったかどうかの質問に対する答弁です。「不当な働きかけは無かった」と「不当な」という限定をつけてあいまいな答弁をし野党の追及をかわしていました。
文書の書き換えでは「特例的な」とか「特殊性」といった学園への特別扱いを連想させるような表現が削除されていましたが、答弁の中で佐川氏はこうした言葉は使っていませんでした。

一方、元の文書から削除された記述の大半は、貸し付けや売却をめぐる経緯などでしたが、こうした点に関する佐川氏の説明は、政治家などに関する部分を除いては、おおむね元の記述に即したもので、整合性が取れていました。

このように、元の文書で佐川氏の答弁とそごがあったのは大半が政治家などにつながる部分で、文書の書き換えはこうした点への追及を避ける狙いがあったことがうかがえます。