どんなに支持率が下落しようとも政府は国会でデタラメな答弁を繰り返すだけで、反省の気配などはありません。
別掲の記事のように、安倍首相は4月・5月と忙しそうに海外に出かけて時間をつぶせば、いずれは内閣支持率も回復するという読みの下に、当面は、佐川氏一人に責任をなすりつけ、できれば麻生外務相は辞めさせずに、この森友疑惑に絡む文書改ざん問題を乗り切ろうとしています。
しかし国民の8割がこの問題の元凶は安倍夫妻にあることを見抜いている以上、茶番のような国会対応で済まされる筈はありません。
日刊ゲンダイの記事:「支持率急落でもデタラメ答弁ばかり ~ 」を紹介します。
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支持率急落でもデタラメ答弁ばかり 国民愚弄の茶番国会
日刊ゲンダイ 2018年3月20日
(阿修羅 赤かぶ 文字起こし から転載)
ナメた答弁で、たびたび審議がストップ。何度も速記が止まるグダグダぶりだった。
森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題。きのう(19日)、参院予算委員会で集中審議が開かれたが、与党と財務省の茶番には、呆れるばかりだ。国民を愚弄するにも程がある。
財務省に徹底調査を迫り、安倍首相や麻生財務相にその陣頭指揮を執るよう求める。こんなのやらせ以外の何物でもない。
「財務省の不祥事を財務省が調査するなんて、泥棒が泥棒を調べるようなものです。しかも、この問題の核心が安倍夫妻だということは、国民の多くが知っている。だから、内閣支持率がダダ下がりしているのです。『首相の人柄が信頼できない』という回答も激増している。国民から疑惑の目を向けられている首相が、自らの犯罪の調査を部下に命じるなんて、コメディーですよ。国税庁を辞めた佐川前長官に全責任をおっかぶせて、幕引きを図るシナリオでしょうが、それで国民が納得するとでも思っているのでしょうか。この期に及んで安倍首相の責任を問おうとしない与党議員は、国民の代表という自覚がないとしか思えません」(政治評論家・本澤二郎氏)
麻生は「最終責任者は佐川」と繰り返し、改ざんは「佐川の答弁が誤解を受けないようにするためだった」と強弁している。これに太田理財局長も足並みをそろえ、改ざんは「佐川氏の関与が大きかった」と言う。改ざんについて佐川氏が「知っていたと思う」とも答弁していた。しかし、肝心の佐川氏本人からは話を「聞いていない」というのだ。
■何をモタモタしているのか
こんなおかしな調査があるか。「調査中」と言いながら、刑事訴追の恐れもある佐川氏の話を聞かず、全責任を負わせる。すでに減給処分が決まっているが、麻生は追加の処分までにおわせている。
そのくせ、政府・与党はいまだ佐川氏の証人喚問には及び腰だから支離滅裂だ。
審議拒否していた野党が予算審議に復帰する条件が、佐川氏の証人喚問だったのに、あれこれ理由をつけて逃げ回っている。
「証人喚問で、佐川氏が“本当のこと”を話してしまうと、『すべて佐川の指示』というストーリーが崩れてしまいかねない。どうも佐川氏は、自分が指示したと認めることに難色を示しているようなのです。与党側は罰則のない参考人招致で済ませられないか、集中審議後に野党側に提案したが、折り合いませんでした」(与党国対関係者)
野党側はきょう(20日)の質疑終了後に証人喚問を議決したい考えだが、原則として証人喚問日の5日前までに本人に通知する必要があるため、最短でも実施は26日だ。衆院での佐川氏招致は4月になりそうだという。
「ノロノロやっているのは、時間稼ぎをして騒動が沈静化するのを待っているからでしょう。どうせ国民はすぐ忘れるとナメているのです。佐川氏に因果を含めて証人喚問に出させるとしても、刑事訴追の恐れを理由にして、疑惑解明につながるようなことは何もしゃべらないに決まっています。関係者がグルになって、国家の犯罪にフタをしようとしている。森友学園の籠池前理事長はブタ箱に放り込んで口封じです。日本はもはや民主主義国家でも法治国家でもない。法治国家なら、こんな政府・与党は共謀罪で一網打尽です。一刻も早く総辞職に追い込まなければなりません」(本澤二郎氏=前出)
総理夫人がらみの特例案件だったことは明らか
昨年2月から4月にかけて、財務省理財局が近畿財務局に指示するなどし、決裁文書を改ざんしたことは、すでに確定している。
そこへ驚愕の新事実。売却価格の鑑定を行った国交省も同じ決裁文書を持っていたため、理財局は国交省に対しても改ざんを依頼していたことが19日に判明した。省をまたぐ隠蔽工作が行われていたのだ。
国交省は、文書が改ざんされている可能性があると、5日に財務相や官邸の杉田官房副長官に指摘。杉田副長官は6日に安倍と菅官房長官に報告したというが、財務省は8日に改ざん後の偽文書を国会に開示した。
安倍は14日の参院予算委で、改ざんの報告を受けたのは、財務省が改ざん内容を公表する前日の「11日」と答弁していたが、これは虚偽で、財務省の隠蔽を容認していたことになる。
「公文書の管理を徹底し、事実に基づいた議論が行われることが民主主義の基本です。これだけの騒ぎになっても、まだ財務省は隠していることがあった。こうなると、役所が出してくる文書はどれも信用できなくなり、国会審議が成り立ちません。森友学園の件は、改ざん後の虚偽文書に基づいて、国会審議が行われていた。1年以上にわたって、国会と国民が欺かれていたのです。そのうえ、国民が本当の情報を知らされない状況で解散総選挙が行われ、自民党が圧勝した。これらすべてが虚構の上に成り立っていたわけで、国民は呆然とするしかない。国家の統治システムが完全に壊されてしまったのです。与党議員の間からも、安倍夫妻に忖度して公文書を改ざんせざるを得ないような状況をつくり、政治への信頼を失った政権を糾弾する声が上がらなければ嘘ですよ」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
■この期に及んでまだ隠し事
19日になって、財務省は新たに、決裁に関するメモを削除していたことを発表した。まだ改ざんの全容を明かしていない。12日に公表した財務省報告でも、まだ隠蔽が行われていたのだ。メモには、森友学園が建設する小学校の「棟上げ式」までの工程に影響が出ないよう、売却額を値引きしてごみ問題を解決する方針が記載されていた。
籠池氏が16年3月30日に近畿財務局と協議した際の音声データには、「棟上げの時に首相夫人が来られる。どうするの、僕の顔は」と、小学校の名誉校長だった昭恵夫人の存在を強調して、対応を迫った記録が残っている。
19日の集中審議では、委員会室が騒然となる場面があった。
共産党の小池書記局長が「なぜ、国会議員でもない昭恵さんの名前が決裁文書に記載されているのか」と質問。太田理財局長は「それは、基本的に総理夫人ということだと思います」と答えたのである。もはや、総理夫人がらみの特例案件だったことは明らかだ。昭恵夫人の存在を隠すために、文書の改ざんを行ったのである。
それでも安倍は「決裁文書の存在も知らなかったし、変更について一切指示していない。妻の昭恵も全く関わっていない」と、居直り答弁を続けるばかり。直接指示をしたかどうかの問題ではないのだ。野党の質問に時折、バカにしたようなニヤニヤ笑いを浮かべる様子からは、まったく反省の色がうかがえない。
「この調子では、ますます内閣支持率は下がるでしょう。最新の世論調査では、30%台前半にまで落ち込んでいますが、20%台になれば死に体です。安倍首相はことあるごとに『行政府の長として私に責任がある』と言ってきたのだから、もう潔く責任を取った方がいい。政治家は引き際が大事です。こんな茶番国会では、改ざん問題の全容解明などできない。次の政権に任せるしかありません」(山田厚俊氏=前出)
支持率30%でも自ら辞めない厚顔政権には、国民が鉄槌を下すしかない。