2018年3月8日木曜日

08- 霞が関の造反か 「文書改ざん」のリークで官邸は犯人捜し

 安倍首相は朝日新聞が文書改ざんのスクープ記事出した2日、参院予算委が終わるや否や官邸で内閣情報調査室トップ北村滋内閣情報官と面談し、更に夜にも有楽町のフランス料理店再び北村氏と2016年6月まで財務省事務次官だった日本政策金融公庫田中一穂総裁と会食しています。
 LITERAは、朝日新聞の情報源を探り、それをツブそうとしているのだと報じています。

 今回の官邸の対応は、何故か文科省からのリーク問題とは違い「証拠を示せ」の開き直りは全くなく、改ざん自体を否定することもしません。改ざんは認めるしかなく、朝日新聞がどこまで掴んでいるのかとの関係で、どこにどういう責任を取らせるかを考えているかのようです。

 もうひとつ、この件では文科省のときとは違って、自民党の中からも政府を批判する声が上がっていることです。
 朝日新聞は7日の記事で、二階俊博幹事長財務省が資料を出せないのは理解できない」竹下亘総務会長「事実ならゆゆしき問題。政府がきちっと対応しろと言い続ける」中堅「今回の件で、我々は財務省を守る気はない」麻生派幹部の「書き換えが事実ならぴ財務をやめないと国民は納得しない」などの声を伝えています。
 党内からの批判や反発は破壊力を秘めているので決して無視できません。安倍首相は早速、7日夜に赤坂の日本料理店で二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理と会食しています。

 いずれにしても官邸が、森友学園問題はこのまま終焉に向かうと高をくくっていたところに、鉄槌が下されたという感じです。
 霞が関の造反であればリークした犯人探しや関西財務局に責任を取らせることで、事態が収まるのかは疑問です。
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霞が関の造反か 「森友改ざん」リークで財務省は犯人捜し
 日刊ゲンダイ 2018年3月7日
 森友学園との国有地取引で、財務省の決裁文書が書き換えられたのではないかという疑惑。財務省は6日の衆院財務金融委員会で「調査結果を報告する」と約束していたが、この間、省内で熱心に行われた調査は、もっぱら情報をリークした“犯人捜し”だったという。

 森友文書の改ざん問題がスクープされたのは、2日の朝日新聞だった。前日に理財局の担当課長に事実関係について確認の取材があったという。
「朝日新聞から取材を受けた時点では、担当者も何が起こっているのか分からなかったようです。当然、すぐに幹部内で情報が共有され、財務省から漏れた可能性があると判断したようですが、誰が朝日新聞にリークしたのか、すぐには把握できなかった。それで当面は『地検による捜査中のため答えられない』という答弁でしのぐことにした。『6日に調査結果を報告する』と言ったのも時間稼ぎです。その間に“犯人捜し”が行われました」(財務省関係者)

 しかし、“省庁の中の省庁”と呼ばれ、鉄の結束を誇る財務省から“造反者”が出るなんて、異例のことだ。よほどの動機があるのか。別のキャリア官僚はこう言う。
「厚労省の問題が影響しているのではないか。裁量労働制のデータ偽装が発覚し、安倍首相が目玉と位置付ける働き方改革関連法案から、裁量労働制の拡大が削除された。これに官邸サイドは怒り心頭で、厚労省の担当者は近く処分される見通しです。こういうやり方を見ていれば、政権を支えるために捏造や隠蔽のような悪事まではたらいても、結局はトカゲの尻尾切りに遭うと思い知らされる。厚労省が『ない』と言い張っていた調査原票が、数日後に地下室で段ボール32箱に入った状態であっさり見つかったのも、官邸に対する意趣返しなのでしょう」

 このままでは自分たちも犯罪の責任を一方的に押し付けられると危惧した財務官僚がいたのか。
 財務省は原本の存否を含め、6日、国会に調査結果を報告するはずだったのに、5日になって「調査の方針や留意点など、調査の状況について報告する」と後退させた。原本の存否や改ざんの事実はあったのかなど、具体的な内容には触れないつもりなのだ。

 しかも、同日に開かれた野党6党の合同ヒアリングでは、原本は「大阪地検に提出した」と言い出している。提出時期は、朝日新聞が疑惑を報じた2日より前だという。2日の合同ヒアリングでは「原本は近畿財務局にある」と言っていたのに、おかしな話だ。ガサも入っていないのに、なぜ原本が地検の手元にあるのか

 政治ジャーナリストの山田厚俊氏が言う。
「何か問題が起きても揉み消し、ゴマカそうとするのが現政権の姿勢ですが、その片棒を担がされる官僚に自責の念はないのでしょうか。不正が行われたなら、ハッキリさせるべきです。財務省の中からも文科相の前川前次官のような人物が現れて、自浄作用を発揮して欲しい。一般国民が『納税者一揆』のデモを行っているのだから、マトモな国に戻すため、官僚組織も立ち上がればいいのです。官邸に幹部人事を握られ、尻拭いをさせられてきた鬱屈は霞が関に相当たまっていると聞きます」
 その一端が、今回の文書改ざんのリークということか。霞が関全体が反乱を起こせば、安倍政権はひとたまりもない