2018年3月14日水曜日

安倍首相の退陣は必至と

 ビジネスジャーナルに安倍首相の退陣は必至だとする記事が載りました。
 麻生財務相はいずれ辞任を避けられず麻生氏が閣外に去れば安倍内閣は持たないという事情と、それ以前の問題として、今月25日に開催される党大会で憲法9条などの改憲条文案を示せなくなれば、安倍氏は首相を続ける意欲なくすだろうという見方です。

 9条改憲の自民党案は現在検討中ですが、3月25日の党大会までに改憲の文案を固めるのは困難との見通しです。9条に「現状の自衛隊」を、論理的に矛盾のない形で明記することは不可能である以上、改憲の条文案はとても示せないものと考えられます。

 それ以外の要因としては、今後内閣支持率が急速に下がり30%を割り込めば、自民党内で安倍内閣退陣の声が多数を占めるだろうということがあります。
 そういう点でも今後の世論の動向が注目されます。
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麻生財務相、辞意表明で安倍首相が慰留か
首相続投の意欲消失、内閣総辞職で新首相選出も
長井雄一朗 ビジネスジャーナル 2018年3月14日
ライター    
 政府は12日、財務省が森友学園への国有地売却に関する決裁文書14件を書き換えていたと、国会に報告した。昨年2月の問題発覚後、国会答弁との整合性を図るために財務省理財局の指示に基づいて行われたと認定した。土地取引について「特例的」と記した部分や、「価格等について協議した」と価格交渉を示唆する部分、さらには安倍晋三首相と妻の昭恵氏、麻生太郎財務相ら複数の政治家の名前も削除されていたことがわかり、政界は重大局面を迎えた。

「自民党関係筋によると、麻生氏は安倍首相に辞意をもらしたが、安倍首相は全力で慰留したといいます。麻生氏は安倍内閣の要。各省庁に“にらみ”をきかせられるのは彼しかいない。安倍首相の最大の理解者である以上、経験もある麻生氏の代わりはいない。だから安倍首相としては最大限、麻生氏を守っています。
 麻生氏はアルゼンチンで19日に開幕する20カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を欠席する見通しです。G20を花道にして辞意を申し出るとみられていましたが、もっと早い時期に辞めることも考えられます」

 こう語るのは、政治ジャーナリストの朝霞唯夫氏だ。安倍内閣の屋台骨ともいえる麻生財務相が内閣から去れば、安倍内閣は持たないという見方が強いが、朝霞氏によれば、安倍首相自身も進退について考え始めているという。
「今週末のマスコミ各社の世論調査で、安倍内閣の支持率は30%台になる可能性大です。今月25日に開催される党大会で憲法9条などの改憲条文案を示せなくなった今、安倍氏には首相を続ける意欲がなくなったとの声も囁かれています。4月以降に総辞職をするとみられています」(同)

 2018年度予算案は、2月28日夜の衆院本会議で自民・公明両党などの賛成多数で可決され、参院に送られている状態。予算案は参院の議決がなくても送付から30日で自然成立するため、年度内の成立が確定している。
「自然成立ではなく野党にも出席を促し、国会正常化を図るためにも総辞職が条件になる。国会は今、空転状態ですが、今の自民党も安倍一強の一枚岩ではない。そこで麻生氏がどのタイミングで辞意を表明するかがポイント。麻生氏が辞任すれば、安倍内閣は持ちません(同)

憲法改正が先送り
 自民党は13日、憲法改正論議で積み残しとなっている9条と緊急事態条項の創設について、25日の党大会前の条文案策定を見送る方向で検討に入った。党大会では改憲の方向性を示すにとどまる見通しだ。森友文書書き換え問題で揺れる国会を早期に収束することが最優先事項のため、当面の憲法改正を見送ったかっこうだ。
「安倍首相としては、党大会で自民党憲法改正案をまとめて、今国会を乗り切り、次の総裁選には出馬しないのと引き換えに、憲法改正論議をしっかりやってくださいというシナリオも想定できたかもしれません。しかし、森友の問題がここまで大きくなり、安倍首相は長年の夢であった憲法改正が先送りになったことがこたえており、万策尽きたという思いで、首相を続ける意欲を失ったとの見方もあります。安倍首相の行動原理やメンタリティーを考えれば、これ以上首相をやる意味はありません」(同)

 そうなると注目を集めるのが安倍首相の後任が誰になるかだ。
「まず、安倍首相から岸田文雄政調会長への禅譲の芽はなくなりました。安倍首相に対する逆風が吹くなか、“禅譲”となれば世論の反発は必至だからです。しかし、4月に内閣総辞職となれば、政治的空白をなるべくつくらずに次期首相を選任しなければなりません。通常の総裁選は不可能です。そこで考えられるのは、自民党国会議員のみによる総裁選。それによって岸田氏や石破茂氏が立候補して選ばれるというかたちが考えられます」(同)

 今回の件は財務省の大きな失態の結果ともいえるが、官庁のなかで一番喜んでいるのは外務省だという。
「もし、森友問題を綺麗に乗り切っていれば、安倍首相忖度派の財務省の高笑いが聞こえていたでしょう。いいように官邸主導外交にやられてきた外務省は、冷や飯を食い、プライドはズタズタになっています。森友問題は永田町だけではなく、霞が関でも水面下でパワーゲームがあったと自民党関係者は言っています。一敗地にまみれた財務省ですが、自殺した職員の意思をくみ取って再生すべきです」(同)

 安倍内閣総辞職の公算も高まってきた政局から、目が離せない。
(構成=長井雄一朗/ライター)