安倍首相は、来日したオバマ前大統領と25日、銀座の高級寿司店で昼食を取りながら会談し「昔話で盛り上がった」などと喜びましたが、元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、
「トランプ大統領は、オバマ前大統領の施策を全否定することで大統領選を勝ち抜いてきたわけで、オバマ氏も選挙中から鋭くトランプ氏を批判してきた。トランプ氏が、仇敵のオバマ氏と安倍首相の会談日程を知り、『これまでの親密姿勢は一体なんだったんだ』と考えた可能性がある」として、「安倍首相の行動は明らかに軽率」と述べました。
勿論日本の首相が何をしようとも自由なのですが、トランプ氏に迎合しようとしているのであれば、「外交オンチ」の行動ということになります。
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トランプがブチ切れ 安倍&オバマ“仲良し寿司会談”の軽率
日刊ゲンダイ 2018年3月28日
「安倍晋三首相と話をすると、ほほ笑んでいる。『こんなに長い間、米国を出し抜くことができたとは信じられない』という笑みだ。こういった時代はもう終わる」――。鉄鋼、アルミ製品に最大25%の輸入関税を設ける大統領令署名式で飛び出したトランプ米大統領のトンデモ発言は衝撃だ。
昨秋のトランプ来日時、安倍首相は「首脳同士がここまで濃密に、深い絆で結ばれた1年はなかった」と言っていたが、完全に“勘違い”だったのか。それとも、トランプの逆鱗に触れるようなことがあったのか。
一因とみられているのが、25日のオバマ前大統領との“寿司会談”だ。4年前の来日時同様、銀座の高級寿司店で昼食を取りながら会談。「昔話で盛り上がった」などと喜んでみせたが、これが失敗だった。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「トランプ大統領は、オバマ前大統領の施策を全否定することで大統領選を勝ち抜いてきたわけです。もちろん、オバマ氏も選挙中から鋭くトランプ氏を批判してきました。トランプ氏が、仇敵のオバマ氏と安倍首相の会談日程を知り、『これまでの親密姿勢は一体なんだったんだ』と考えてもおかしくありません。安倍首相の行動は明らかに軽率でした」
■中国とセットで日本にも関税の嫌がらせ
トランプは米国の安全保障を担う鉄鋼・アルミの生産者を守るため、関税を適用することを決めた。しかし、関税対象国と除外対象国を見れば、関税適用は敵視する国への“嫌がらせ”に近いことがよく分かる。
「米国の鉄鋼輸入先の比率は、今回除外対象となったカナダやブラジル、韓国などが計約54%を占めています。本来、国内の安全保障産業を守るというのなら、これらの主要国にまず関税を設けるべきです。ところが、日本からの輸入比率はたったの5%。表立って敵視し、関税対象にした中国も2%です。つまり、関税適用は効果を狙ったものではなく、極めて政治的なメッセージ性が強い。安倍首相に不信感を募らせている証拠といえます」(孫崎享氏)
そもそも、安倍首相はオバマとは在任中から「ケミストリーが合わない」はずだった。それでも会談したのは、オバマの「広島訪問」の成功体験からか、それとも炎上中の森友問題から国民の目をそらさせるためか。いずれにせよ、外交オンチをさらす結果になった。