2018年3月4日日曜日

「働き方改革」頓挫 安倍3選阻止 政権瓦解の可能性も

 安倍首相「働き方改革国会」名付け「働き方改革」最重要法案と位置付けて国会に諮りました。いつものように、経営者のための法案を労働者のための法案だと偽りましたが、さすがにその実態は国民に見透かされていました。
 今回珍しく安倍首相が8本の法案群の中から、財界が熱望した肝心の「裁量労働制の拡大」を取り下げることになったのは当然とは言え、やや意外な感じもしました。
 その詳細については別掲の記事に譲りますが、安倍首相の党内での立場が弱まったためとされています。是非とも大いに弱まって欲しいものです。

 これまで特定秘密保護法、安保法、共謀罪法の3大悪法を制定し、今度は労働者保護を撤廃しようとする働き方改革と改憲を目指している安倍政権について、
 福田康夫元首相は、安倍首相が3選を目指す9月の総裁選に向けて
「各派閥のリーダーがみんな出て、政策を競う場にしたらいい」誰も出なければ安倍晋三首相がずっと続けることになる。習近平中国国家主席みたいに」と述べ、安倍の続投を許せば、一党支配の社会主義国家の独裁政権さながらになると案じています
 河野洋平元衆院議長は、
「安倍という不思議な政権ができて、その人が指さす方向に憲法を変えていくなんて、到底納得できない」自分の名前を(歴史に)残したいとか、そんなことで政治的な労力を使ってはいけない」と述べています。
 五十嵐仁法大名誉教授は、
「歴代の自民党トップの目から見ても安倍首相の政治は異常で、この国を間違った方向へ進ませている安倍首相は何かと『国難』という言葉を使いますが、安倍首相の辞任が国難の最善の解決策です」安倍首相は〈多様な働き方を可能にする〉と耳当たりのいい言葉を使って『働かせ方改革』を推し進めようとしています。安倍政権にはこの国が直面する課題を解決する能力はありません」と述べています。
 そして金子勝立正大名誉教授(憲法)は、
「これほど国民から遊離した暴力的な内閣はありません。平然と嘘や捏造を繰り返すのは理論的な暴力で、~ 暴力で政治をやるクーデター内閣なのです」と述べています。

 こんな人間が9月の自民党総裁選で3選を目指し、憲法9条を書き換えようとしているわけですが、そんな流れで本当にいいのでしょうか。
 日刊ゲンダイは「国民はいつまで羊のようにおとなしくしているつもりか。暴力政権を引きずり降ろす時だ」とまとめています
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インチキ答弁で「改革」頓挫…改憲、3選どころか政権瓦解
日刊ゲンダイ 2018年3月2日
(阿修羅 文字起こし より転載)
 残業時間の上限規制や裁量労働制拡大などを抱き合わせ、8本の法案を一本化した「働き方改革」は安倍政権の最重要法案だったはずだ。ところが、安倍首相が名付けた「働き方改革国会」は安倍自身のデタラメ発言でシッチャカメッチャカになり、最重要法案は頓挫した。責任を取るのが筋というものだろう。

 労働問題に詳しい法大名誉教授の五十嵐仁氏はこう言う。
「曖昧なデータを用いて最重要法案を通そうとし、国会を大混乱させた政治責任は大きい。内閣総辞職は当然でしょう。裁量労働制は分離に追い込まれましたが、そうでなくても働き方改革は問題だらけです。繁忙期の残業を過労死ラインの100時間未満まで認めるのもそうですし、高度プロフェッショナル制度はスーパー裁量労働制のようなもの。マトモに働いた経験がないためなのか、安倍首相は労働現場を分かっていない。長時間労働が常態化し、まっとうな家庭生活を送れず、少子化に拍車を掛けている。過労死も社会問題化している。長時間労働との因果関係はハッキリしているのに、安倍首相は〈多様な働き方を可能にする〉と耳当たりのいい言葉を使って『働かせ方改革』を推し進めようとしています。安倍政権にはこの国が直面する課題を解決する能力はありません」

■都合が悪くなると「役所が」
 にもかかわらず、張本人の安倍は「裁量労働制度に係るデータについて、国民の皆さまが疑念を抱く結果になっている。そこで今回、提出する働き方改革関連法案の中において裁量労働制については全面削除するよう指示した」とまるで他人事。「アベノミクス最大のチャレンジである働き方改革をこの国会で前に進めたい」とヌカしたのである。当事者意識がゼロなのか、はたまた事の経緯を記憶にとどめていないのか。

 発端は、裁量労働制拡大に反対する野党の追及を受けた安倍が厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査」を引き合いに、1日当たりの労働時間は一般労働者9時間37分に対し、裁量制労働者は9時間16分と明言したことだった。「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者より短いというデータもある」とも強弁。裁量労働制が長時間労働を助長するのは、常識中の常識だ。

 デタラメぶりが連日明るみに出て、答弁撤回と謝罪に追い込まれた上、データの異常値は400を超えた。すると、「一つ一つの資料を正しいか確認しろなんてことはあり得ない」「役所から上がってきた資料については、ある程度信頼して答えざるを得ない」などと厚労省に責任転嫁。「役所が悪い」と言わんばかりの被害者ヅラで居直ったのである。
 捏造としか考えられないイカサマ資料で「改革」をほざいたペテン政権は一時が万事だ。

 昭恵夫人が名誉校長を務めた森友学園への国有地払い下げをめぐっては、価格交渉を裏付ける文書が財務省から次から次へと出てきている。理財局長だった佐川宣寿国税庁長官の「記録はない」「記憶はない」が虚偽答弁だったのは明らかだ。安倍が「妻や私、事務所が関係していたら総理も国会議員も辞める」とタンカをきったのは、ホンの1年前。それが、総理夫人付だった経産省職員が財務省への照会内容を森友サイドにファクスした件について、「国有地売却がなされる前の貸し付けの段階の話。そもそも根本が全く別。国有地払い下げについては私も妻も一切関わっていない」と答弁。「その(貸し付けの)段階で(昭恵夫人は)名誉校長を引き受けていたわけですから、全く無関係ということは申し上げたことはない」と釈明したのである。当初は関与を全面否定していたのに、形勢が苦しいと判断するや「貸し付け」と「売却」を分け、姑息な逃げを打ったのである。

「習近平みたいに安倍晋三が続けることになる」
 嘘と舌先三寸の場当たりで大風呂敷を広げる政権の安っぽさには元首相も呆れている。先月28日に講演した福田康夫元首相のアベ批判は鋭かった。自民党憲法改正推進本部は安倍の顔色をうかがい、6年前にまとめた憲法改正草案を棚上げ。戦力不保持と交戦権否認をうたった9条2項を維持したまま自衛隊の存在を明記するアベ改憲案でまとめる方針だ。それを念頭に、「〈改正しなきゃいけない〉というのが先に来ている。〈中身より通りやすいものを〉という感じだ。本当に良いのか」とズバリ指摘。安倍が3選を目指す9月の総裁選に向けて「各派閥のリーダーがみんな出て、政策を競う場にしたらいい」と活発な論戦を求め、「誰も出なければ安倍晋三首相がずっと続けることになる。習近平中国国家主席みたいに」とクギを刺した。

 中国の習近平国家主席は5日に開会する全国人民代表大会で改憲し、連続2期10年と定めた国家主席の任期制限を撤廃。公職者の汚職を取り締まる「国家監察委員会」を新設して監視体制を強め、半永久的な独裁体制を完成させようとしている。福田は安倍の続投を許せば、一党支配の社会主義国家の独裁政権さながらになると案じているのだ。

■小泉元首相も「恥ずかしくないのか」
 安倍はどのツラ下げて改憲、3選を実行しようというのか。9代前の自民党総裁を務めた河野洋平元衆院議長も安倍をこう痛罵していた。
「安倍という不思議な政権ができて、その人が指さす方向に憲法を変えていくなんて、到底納得できない」
「おそらく最近の日本の政治の中でこれまでと最も違う方向を指している
「自分の名前を(歴史に)残したいとか、そんなことで政治的な労力を使ってはいけない

「安倍首相」の生みの親で、原発ゼロ社会実現に向けて活動する小泉純一郎元首相も痛烈なアベ批判を展開している。「もう安倍政権で原発ゼロを進めていくのは難しい」と斬り捨て、原発再稼働を目指す安倍を「不思議でしょうがない」「恥ずかしくないのか」「原発を維持したいという勢力に蹂躙されている」と口を極めて批判していた。

「歴代の自民党トップの目から見ても安倍首相の政治は異常で、この国を間違った方向へ進ませているということでしょう。安倍首相は何かと『国難』という言葉を使いますが、安倍首相の辞任が国難の最善の解決策です」(五十嵐仁氏=前出)

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)もこう言う。
これほど国民から遊離した暴力的な内閣はありません平然と嘘や捏造を繰り返すのは理論的な暴力です。特定秘密保護法、安保法、共謀罪、そして労働者保護を撤廃しようとする働き方改革。安倍政権の正体は立憲主義を無視し、暴力で政治をやるクーデター内閣なのです」

 国民はいつまで羊のようにおとなしくしているつもりか。暴力政権を引きずり降ろす時だ。