国会に証拠として提出された、森友学園との土地取引の際に財務省が作成した決裁文書が、実は改竄されたものであったとすれば、所管大臣のクビでは済まない、政権が吹っ飛ぶ重大問題です。4日のNHK国会討論会でも、野党側は国会に提出された文書の書き換えが事実であれば安倍内閣は総辞職すべきだと主張しました。
2日の参院予算委で小池晃書記局長(共産)が、この元の文書を出すように要求したのに対して、麻生財務相や財務省官僚は、「いま大阪地検において捜査を受けていて、捜査に影響を与えるので回答を控える」という趣旨の答弁を繰り返しています。財務省が元の文書の存在を否定できないこと自体改ざんがあったことを示すものです。
澤藤統一郎氏は同氏の「憲法日記」で
「捜査に影響を与える」とは、いったい何を意味しているのか。議院での野党の質問に対して、誠実に真実を答弁することは捜査の妨害になりえない。検察の捜査が始まったら国会は質疑を控えて捜査の進展を見守らなければならない、などというルールもマナーもない」と述べています。これまでそんな口実で答弁を拒否することが通用してきたこと自体が異様であり不可解です。
安倍首相によるモラルハザードに関しては
NHKの日曜討論で森ゆうこ議員(自由)は
「国会での論戦の土台が根底から崩れている。記録がない、記憶がない、確認できない。国会に提出した文章まで改ざんされていたことがわかり、それを内閣は否定できない。ここまで来たのかと。国家がひっくり返るような状況ですよ」と述べました。
田中龍作氏は、「官僚のモラルを破壊し尽くす男 その名は安倍晋三」と題したブログで、
「安倍首相ほど官僚のモラルを破壊した政治家はいないだろう。女性をレイプしたアベ友記者の犯罪を揉み消したのも警察官僚だった。安倍政権が倒れなかったら、国家が潰れるだろう。安倍首相とその周辺だけが好き勝手をし放題の無法地帯になるのだから」と述べています。
まるこ姫の独り言は、
「結局、安倍首相と昭恵氏の森友学園とのかかわり方をなかった事にするために、閣僚やら官僚やらが総動員で隠ぺいしたり文書を破棄したり、記憶になかったり。。。国民の目を欺くためになりふり構わず動いている」と書きました。
安倍首相は義務教育に道徳を持ち込み、大学に至るまでの教育制度を改悪した張本人ですが、彼こそは「道徳」や「教養(教育の成果)」とはもっとも遠い位置にある人間です。安倍政権は終わりになって欲しいものです。
日刊ゲンダイの記事を紹介します。
追記)2日の小池晃議員の質問の詳細は下記で読むことが出来ます。
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巻頭特集
財務省文書改竄なら安倍政権はオシマイ 森友ついに決定打
日刊ゲンダイ 2018年3月3日
これが本当ならば、所管大臣のクビでは済まない。政権が吹っ飛ぶ重大問題だ。
森友学園への国有地売却疑惑に新展開である。取引の際、財務省が作成した決裁文書に書き換えの疑いが発覚した。昨年2月に森友疑惑が報じられ、国会で取り上げられた後に書き換えられていた疑いがあると、2日の朝日新聞が1面トップで報じた。
内容が変わっているのは、2015~16年に森友学園と土地取引をした際に、財務省近畿財務局の管財部門が局内の決裁を受けるために作った文書。決裁時には「特例的な内容となる」「本件の特殊性」といった表現や「価格提示を行う」などの記載があったが、この問題を追及した国会議員らに昨年開示された文書では、それらがなくなっていたという。
一度は決裁された公文書を書き換えたとなると、これはもう忖度とかいうボンヤリした話ではない。有印公文書偽造。れっきとした犯罪だ。
「財務省は交渉関連の文書を廃棄したと国会で答弁してきましたが、朝日新聞の報道の通り文書を改ざんしていたとすれば、悪質さの次元が違ってくる。
誰かを守るため、あるいは何かを隠すために、財務官僚が犯罪に手を染めたわけです。文書廃棄どころの問題ではない。にわかには信じがたい話で、そんなことを一官僚が独断でやれるわけがありません。忖度か圧力なのか分かりませんが、背後によほど大きな力があったことは間違いないでしょう」(政治学者の五十嵐仁氏)
■公文書偽造・行使は懲役10年の重罪
この問題は当然、国会でも追及された。きのうの参院予算委で、共産党の小池晃議員は決裁文書の原本を出すよう求めたが、麻生太郎財務相も、財務省の太田充理財局長も、大阪地検特捜部が背任や証拠隠滅、公用文書毀棄などの告発を受けて捜査中であることを理由に「捜査に影響を与えるか予見しがたいので、答弁は差し控える」と言うばかりだった。
立憲民主党の福山哲郎幹事長も「国会に提示された文書と別のものがあるのか」「その存在を理財局長は知らないのか、知っていて答えないのか」と追及したが、太田理財局長は「捜査に対する影響に十分配慮しつつ調査していきたい」と繰り返すだけ。「ない」と断言できない時点で、改ざん前と後の文書が存在すると認めているも同然なのだ。
「霞が関用語で言えば、『国会に提示したものと別の文書は存在しない』『書き換えたことはない』と明言できないのは、書き換えた原本は別にあるという意味です。しかし、通常では考えられない事態ですよ。行政機関の意思決定の過程を残し、後で検証ができる記録として残す公文書は、ちょっとした誤字でも訂正印を押して、直したことが分かるようにする。文言を削ったり、ましてや書き換えるのなら、決裁を取り直すのが常識です。こっそり改ざんなんてあり得ません」(中央省庁のキャリア官僚)
刑法155条によれば、<行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、1年以上10年以下の懲役に処する>。
公文書偽造・行使は懲役10年の重罪なのである。
隠蔽と改ざん、不正だらけのフェイク内閣
きのう夕方、野党6党が合同で財務省からヒアリングを行い、週明けに「国会に提示したのとは別の文書」の存否を明らかにするよう求めた。
太田理財局長もきのうの衆院財務金融委で「6日までに、できる限り調査状況を報告する」と表明したが、どうするつもりなのか。原本を出せるのか。原本と比べて改ざんが明らかになればアウトだ。
別の文書の存在を財務省が認める前に世に出てくれば、それはそれで大問題になる。いつ改ざんしたのか、誰の指示だったのかが焦点になってくる。
09年の郵便不正事件では、部下による虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚労省の村木厚子元次官が長期にわたって勾留された。
昨年の通常国会で、森友学園との交渉記録は廃棄したと強弁してきたのが、当時の理財局長だった佐川宣寿国税庁長官だ。その後、国有地売却交渉の音声データや内部文書が次々と明らかになり、佐川氏の答弁が虚偽だったことがハッキリした。
「佐川氏の『事前の価格交渉は行っていない』という国会答弁とのつじつま合わせのために決裁文書を改ざんしたのか。安倍昭恵夫人が、森友学園が設立予定だった小学校の名誉校長に就任していたことが『特例的』で『特殊』だったことを隠蔽するために決裁文書から削除したのか。どちらにしても国家の犯罪です。国有地売却の不透明な経緯というレベルの話ではなく、国のあり方が問題になってくる。真実を解明するためには、佐川長官と昭恵夫人の証人喚問をやらざるを得ません」(五十嵐仁氏=前出)
■民主主義国家の根幹にかかわる問題
朝日の報道によれば、文書が改ざんされたのは昨年2月以降。理財局長だった佐川氏は文書改ざんを知り得る立場だったろうし、責任者だった。与党も観念した方がいい。佐川氏の国会招致は避けられない。
森友学園の籠池前理事長と昭恵夫人の親密な関係が国有地売却に影響し、それを隠蔽するために公文書を改ざんしたのかも明らかにする必要がある。
森友学園問題を取材し続けているジャーナリストの横田一氏が言う。
「国会に捏造文書を出してきたとすれば、国権の最高機関を侮辱し、国民の知る権利をないがしろにする由々しき問題です。これは民主主義国家の根幹に関わる話ですよ。国有地売却の決裁文書が権力側に都合よく改ざんされていたのなら、麻生財務相ら幹部の退陣で済む話ではない。安倍首相の責任問題になってきます。政権は持たない。安倍政権では、昨年の南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題隠蔽や、今年の裁量労働制をめぐる不適切なデータ問題も明らかになっています。隠蔽と改ざん、不正がこの政権の本質ということになる。安倍政権を守るために虚偽答弁を繰り返させられる官僚も気の毒です。こんなふうに行政が歪められ、証拠も隠滅される。そんなフェイク政治を国民は許すのでしょうか。一連の疑惑は内閣総辞職に値する国家の大問題です」
政府は同日、平昌五輪のフィギュアスケート男子で金メダルを獲得し、オリンピック連覇を成し遂げた羽生結弦に国民栄誉賞を授与する方針を発表した。裁量労働制に関するデータ偽造をメデタイ話でかき消す狙いだろうが、森友文書の改ざん疑惑はそれすら吹き飛ばす威力だ。
政府は改ざん前の文書の存在を認めるのか否か。ここまできても佐川氏や昭恵夫人の証人喚問を突っぱねるのか。
いずれにせよ、国民の反発は避けられないし、苦しい弁明にも限度がある。
将棋で言えば、この政権はもう詰んでいる。文書改ざん疑惑が政権瓦解の決定打だ。