2022年8月11日木曜日

2022原水爆禁止世界大会が閉会 「長崎からのよびかけ」を採択し

 9日、原水爆禁止2022年世界大会はナガサキデー集会を開き、すべての国が核兵器禁止条約へ参加するよう求めて草の根から行動を訴える「長崎からのよびかけ」を採択しました4日に広島からスタートした世界大会はのべ4000人が参加し、4300カ所でオンライン視聴されまし

 ナガサキデー集会では世界大会起草委員長の冨田宏治さんが主催者報告し、田上富久長崎市長と元経産官僚の古賀茂明さんが連帯あいさつ。玉城デニー沖縄県知事がビデオメッセージを寄せました。
 田上市長は、核軍縮と核軍拡の動きが同時に進む情勢にふれ、「だからこそ一日も早い核廃絶のために市民社会が力をあわせ、世論を高めることが重要です」と訴え古賀氏は「日本は世界に誇るべき平和主義を自ら放棄しつつある。唯一の被爆国として核廃絶の先頭に立つため、禁止条約に署名・批准するべきです」と語りました。
 しんぶん赤旗の記事と「長崎からのよびかけ」を紹介します。
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核軍縮・核禁条約参加を 政府は核なき世界の先頭に 原水爆禁止世界大会が閉会 ナガサキデー集会 草の根行動呼びかけ
                       しんぶん赤旗 2022年8月10日
 77回目の「原爆の日」を迎えた長崎市で9日、市主催の平和式典が開かれ、田上富久市長が「長崎平和宣言」で核保有国に「核軍縮プロセス」を示すこと、日本政府に核兵器禁止条約参加を求めました。
 原水爆禁止2022年世界大会はナガサキデー集会を開いて閉会。禁止条約を力に核兵器の使用も威嚇も許さず、完全廃絶と条約参加、被爆者援護と被災者救済を求めて草の根の運動と市民社会、諸国政府の共同を発展させようと呼びかけました。

 長崎市民会館で開かれた原水爆禁止2022年世界大会のナガサキデー集会(主催=世界大会実行委員会)は、核兵器の使用も威嚇も許さず、すべての国が核兵器禁止条約へ参加するよう求めて草の根から行動を訴える「長崎からのよびかけ」を採択しました。4日に広島からスタートした世界大会は、のべ4000人が参加。4300カ所でオンライン視聴されたと紹介しました。(下掲「長崎からのよびかけ

 世界大会起草委員長の冨田宏治さんが主催者報告し、田上富久長崎市長と元経産官僚の古賀茂明さんが連帯あいさつ。玉城デニー沖縄県知事がビデオメッセージを寄せました
 被爆者の溝浦勝さん(81)は、「長崎を最後の被爆地とするため憲法9条を守り絶対に戦争をしない。核兵器禁止条約に参加し廃絶の先頭に立ってほしい」と述べました。
 田上市長は、核軍縮と核軍拡の動きが同時に進む情勢にふれ、「だからこそ一日も早い核廃絶のために市民社会が力をあわせ、世論を高めることが重要です」と訴え。古賀氏は「日本は世界に誇るべき平和主義を自ら放棄しつつある。唯一の被爆国として核廃絶の先頭に立つため、禁止条約に署名・批准するべきです」と語りました

 核兵器禁止条約第2回締約国会議で議長国を務めるメキシコのメルバ・プリーア駐日大使があいさつ。「核兵器は現実の迫った脅威となっている」と述べ、「禁止条約に多くの国が署名・批准するよう働きかけていく。日本政府の早期署名に期待します」と語りました。
 核不拡散条約(NPT)再検討会議に参加した日本共産党の笠井亮衆院議員が報告。NGOセッションでは原水爆禁止日本協議会の代表として一番手で発言し世界大会開催を紹介したと述べると拍手が起こりました。日本の平和運動が国際社会を動かしていると強調し、「世界の流れをさらに進めるため、日本政府の姿勢を変えよう」と力をこめました。

 4歳の娘を連れて、福岡県直方市から参加した女性(26)は、「世界大会に初めて参加しました。戦争も核兵器もない世界を子どもに渡すために行動したい」と話しました。


原水爆禁止2022年世界大会・ナガサキデー集会 「長崎からのよびかけ」
                        しんぶん赤旗 2022年8月10日
 長崎市で9日に開かれた原水爆禁止2022年世界大会・ナガサキデー集会で採択された「長崎からのよびかけ」は次の通りです。

 私たちは、この条約の目的を実現する上で私たちの前に立ちはだかる課題や障害に幻想を抱いていない。しかし、私たちは楽観主義と決意をもって前進する。…私たちは、最後の国が条約に参加し、最後の核弾頭が解体・破壊され、地球上から核兵器が完全に廃絶されるまで、休むことはないだろう。(核兵器禁止条約第1回締約国会議「ウィーン宣言」より)

 米国による長崎への原爆投下から77年―。いま世界は、ロシアによるウクライナ侵略とプーチン大統領の核脅迫を機に、核使用の新たな危険に直面しています。ヒロシマ・ナガサキの惨劇をもたらした究極の非人道兵器である核兵器の使用とその威嚇を決して許してはなりません。その危険を根絶するには核兵器の廃絶しかありません。私たちは、原水爆禁止2022年世界大会「広島宣言」を支持し、ただちに行動に立ち上がるようよびかけます。

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議は、「ウィーン宣言」を満場一致で採択し、「核抑止力」を厳しく批判するとともに、核兵器廃絶への力強い決意を確認しました。「核抑止力」が、核の威嚇のもと他国を侵略し、支配するための手段でしかないことも明白になっています。私たちは禁止条約を力に、草の根の運動と市民社会、諸国政府の共同をいっそう発展させ、今日の危機をのりこえていかなければなりません。

 すべての国の政府に対し、核兵器禁止条約への支持と参加を求めましょう。被爆の実相をひろめ、核兵器の非人道性を告発しましょう。すべての地域で「原爆展」や被爆体験を語る集いに取り組みましょう。原爆症認定制度の抜本的改善と原爆被害への国家補償の実現めざし、被爆者援護・連帯の活動を強めましょう。広島・長崎の「黒い雨」の被災者に対する国による全面救済を実現しましょう。第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議(8月1日~26日)、第77回国連総会、禁止条約第2回締約国会議などを節目に、諸国政府と市民社会、草の根の運動の共同を発展させましょう。

 日本は唯一の戦争被爆国にふさわしい役割を果たさなければなりません。岸田首相は、NPT再検討会議でも、広島の平和祈念式典でも、禁止条約やNPT第6条には一言も触れず、被爆者の願いに背を向けています。私たちは、日本政府が「核抑止力」論から脱却し、核兵器禁止条約に署名・批准することを強く求めます。日本政府に禁止条約への署名・批准を求める署名、対話、自治体意見書の運動をさらに発展させましょう。「核の傘」からの離脱のため日米核密約を破棄し、非核三原則を厳守・法制化するよう求めましょう。

 ロシア、中国、北朝鮮の脅威を利用した軍事同盟の強化、軍備拡大の動きは、断固として阻止しなければなりません。9条改憲、「敵基地攻撃能力」の保有、大軍拡、「核共有」の議論など日米軍事同盟のもとでの「戦争する国」づくりは、北東アジアの平和と安全を脅かすものであり、被爆国・日本が採るべき道ではありません。日本政府に対して、「力」対「力」、「核」対「核」の危険な対応ではなく、憲法9条を生かした外交を積極的に展開するよう強く求めます。

 9条改憲の企てを阻止しましょう。「敵基地攻撃用能力」の保有、軍事費倍増など、大軍拡と日米軍事同盟の強化に反対しましょう。戦争法を廃止させましょう。「オール沖縄」のたたかいと連帯し、辺野古新基地建設の断念、普天間基地の即時返還を求めましょう。9月の沖縄知事選での勝利をかちとりましょう。朝鮮半島の非核化と東アジアの平和構築のため、憲法を生かした外交の展開を求めましょう。日韓はじめ東アジア地域における平和を求める市民の連帯を発展させましょう。ベトナムの枯葉剤被害者への救援募金に取り組みましょう。

 原発ゼロ、気候危機の打開、貧困と格差の克服、軍事費削減とくらし・福祉・教育の拡充、ジェンダー平等、LGBTの権利拡大を求める運動など、人間らしく生きたいと願うすべての人びとと手を携え、人間の尊厳のための壮大な共同をつくり出しましょう。被爆者とともに、若い世代とともに、未来を切りひらいていきましょう。
 ノーモア・ヒロシマ ノーモア・ナガサキ ノーモア・ヒバクシャ ノーモア・ウォー 長崎を最後の被爆地に!