シリーズ「徹底追及 統一協会 新世事件編」の第4弾です。
統一協会は印鑑セットなどを法外な価格で外部の人に売り付け、本人は販売の報酬として一応契約額の10%~30%を受け取ります。しかし協会には義務献金として月例献金、祝福献金、愛天愛国献金(100万円~110万円)、聖殿献金などとありとあらゆる口実を設けて信者から金を搾り取るので、信者にはゆとりは全くなく、逆に借金をしたり家の貯金を夫に無断で解約するなどして献金するというのが実態だということです。
内部からも破産するまで徹底的に収奪するという、まさに真から金に汚い恐るべき悪徳の組織です。
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徹底追及 統一協会 新世事件編 4
販売員=信者も搾取 報酬も次つぎ献金に
しんぶん赤旗 2022年8月30日
続一協会(世界平和続一家庭連合)が長年続けてきた霊感商法。幹部の有罪が確定し
た印鑑販売会社「新世」の事件の訴訟記録からは、被害者に高額の印鑑を売りつける
「加害者」の立場である販売員自身が、ノルマや膨大な献金を課され協会に搾取される構図も見えてきます。
競争あおる
「新世」社長が2006年1月に作成したとされる、従業員向けの文書。「愛する前線の兄弟姉妹の皆様! 新年明けましておめでとうございます!」との表題で、「今年の新世の年頭目標」として唱和を求めています。
「毎月2100を必ず達成致します!」「一日目標430は必ず達成致します!」「個人の実績において新記録をつくります!」
数字の単位などは不明ですが、警視庁の捜査報告書はこれらを「印鑑販売に関し、明確な目標を掲げるとともに競争心をあおり、目標達成を指示していた」ものと位置づけています。
ある販売員の女性は、09年1月の間に4件の契約実績を上げるとする「決意文」を社に提出したと供述しています。
「40万円の印鑑セットを1セット、80万円を1セット、120万円を2セットの計360万円。かなり高い目標だったが頑張って設定した」
別の女性はこうした努力の「原動力」を供述でこう表現しました。
「お客様に印鑑を持ってもらうこと、統一協会に入信してもらうことが、お客様のだめになると思って、お客様を救いたいという気持ちで臨んでいた」
ゆとりなく
実際に路上で客を勧誘し、契約にこぎつけるには苦労もあったようです。販売員として週4日、街頭に出たというまた別の女性はこう語っていました。
「一日で20人から30人くらいに声をかけ、そのうち事務所に連れて行けたのは、週に
1人か2人あればいい方だった」「事務所に連れていけても・・・契約率は50%くらいだった」
販売員の社内でのポジションにもよりますが、契約額の10%~30%を報酬として受け 取っていたとの供述があります。しかしこの女性はこうも語っています。’
「私は信者だったから、もらった報酬も次から次へと要求される献金に使ってしまった。ゆとりができるということは全くなく、逆に借金をしたり、家の貯金を夫に無断で解約するなどして献金していたので、お金には困っていた」
別の地域で販売員をしていた元信者の女性は、数多くある献金項目について法廷でこう証言しています。
「月例献金とか祝福献金とか、必ずやらなければいけない義務献金があって、例えば愛天愛国献金が100万とか110万とか。1万ドル献金で110万とか・・・聖殿をつくるから聖殿献金だとか、そういう名前がいっぱい、いろんな種類があった」
客がいったん買った印鑑をキャンセルし会社が返金した場合は、販売員が「販売代金に応じて支給されていた歩合給を会社に返金したり、次の給料から差し引かれたりする」という供述もありました。 (つづく)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。