共産党の小池書記局長は3日、BSーTBSの番組「報道1930」に出演し、旧統一協会問題における自民党の居直りの態度を批判し、「霊感商法や高額献金で多くの人が人生を壊されている。協会が政治家の名前を出して広告塔にし、見返りに金と票を回してきた実態を徹底解明しないといけない」「なぜ自民党として調査し、協会との全ての関係を断ち切ると言えないのか」「あれだけの事件の背景にある統一協会の問題に自民党は怒りをもたないのか。異様だ」と述べました。
安部元首相の国葬については、反対が賛成を上回っている「民意を重く受け止め、断念すべきだ。何の議論もせず、法的根拠すらなく強行することは絶対にあってはならない」と強調しました。
また共産党の国会議員団は4日、「旧統一協会問題追及チーム」の第3回会合を開き、旧統一協会問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏を招いてヒアリングを行いました。
鈴木氏は、「個々の政治家の協会との関係の追及も大事だが、最終的にそこにどんな絵が見えるのかというところまで追及してほしい。個々の議員だけの問題ではなく、明らかな組織性がみえる」と訴えました。
しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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旧統一協会との関係 自民は調査すべきだ BS番組 小池書記局長迫る
国葬「民意受け止め断念を」
しんぶん赤旗 2022年8月5日
日本共産党の小池晃書記局長は3日、BS-TBSの番組「報道1930」に出演し、旧統一協会(世界平和統一家庭連合)と政治の関係や安倍晋三元首相の国葬問題について、自民党の石破茂元幹事長らと議論しました。
番組は、旧統一協会や関連団体との関係が明らかになっている国会議員(54人)、地方議員(17人)を一覧で紹介。ナレーションで「最も関係を問われている自民党は党としての組織的な関係を何度も否定しているが議員個人についての調査を行う姿勢は示していない」と伝えました。
見返りに金と票
小池氏は、自民党の居直りの態度を批判し、「霊感商法や高額献金で多くの人が人生を壊されている。(協会が)政治家の名前を出して広告塔にし、見返りに金と票を回してきた実態を徹底解明しないといけない」と強調。岸田文雄首相は個人の問題だとして逃げようとしているとして、「なぜ自民党として調査し、協会との全ての関係を断ち切ると言えないのか。実態解明と再発防止という政治の責任に背を向けている」と厳しく指摘しました。
石破氏は、自身の選挙区の支部が旧統一協会系の世界日報社社長から10万円の寄付を受けていたことについて、協会が「係争中だった」ことを理由に問題性を認めませんでした。党による調査にも消極的で、関係断絶については「信教の自由の問題になりかねない」と明言を避けました。
小池氏は「『係争中だった』というが、民事裁判で協会側の非を認める判決が30件以上出ている。信教の自由はあるが、カルトの自由はない」と強調。安倍元首相の銃撃という「あれだけの事件の背景にある統一協会の問題に自民党は怒りをもたないのか。異様だ」と疑問を呈しました。
コメンテーターの佐藤千矢子氏(毎日新聞論説委員)は、自民党が調査に後ろ向きな理由を「選挙のために(協会を)頼ってきた点に切り込みたくないということだ」と指摘しました。
国民に弔意強制
番組では、旧統一協会の名称変更も話題に。小池氏は、文化庁が20年弱にわたり協会の申請を拒否してきたのに、2015年に突然受理した経緯について「官僚だけで判断を変えられるわけがない」と指摘。受理前後に当時の下村博文文部科学相が報告を受けていた問題に触れて政治介入が強く疑われると述べ、「名称変更により大変な被害が広がった可能性がある。自民党は調査すべきだ」と強調しました。
安倍元首相の国葬をめぐって小池氏は、安倍氏の政治評価が分かれるなか、「異次元の金融緩和」が現在の物価高騰を招いたことや、森友・加計や桜を見る会での政治の私物化、憲法をないがしろにしてきた問題などが「礼賛の形で覆い隠され、国民に弔意が強制される」と、その危険性を指摘。「政府は民主主義を守り抜く決意を示すためだというが、(安倍氏の功罪への)自由な議論を許さない風潮を広げてしまえば、それこそ民主主義の危機だ」と述べました。
国葬反対が賛成を上回る世論調査結果に触れ、「民意を重く受け止め、断念すべきだ。国会で何の議論もせず、法的根拠すらなく強行することは絶対にあってはならない」と強調しました。
旧統一協会と自民の関係
「明らかな組織性」指摘 党追及チーム会合で鈴木氏
しんぶん赤旗 2022年8月5日
日本共産党の国会議員団は4日、「旧統一協会問題追及チーム」の第3回会合を開き、旧統一協会問題に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏を招いてヒアリングを行いました。鈴木氏は、「個々の政治家の(旧統一協会との)関係性の追及も大事だが、それを一つのパズルのピースとして置いたときに、最終的にそこにどんな絵が見えるのかというところまで追及してほしい。個々の議員だけの問題ではなく、明らかな組織性がみえる」と訴えました。
鈴木氏は、自身が最初に旧統一協会問題を取り上げたのは2013年だと語り、「13年の参院選で安倍晋三首相(当時)が直々に統一協会に北村経夫・産経新聞政治部長(当時)への組織票を依頼する内部文書を入手した。さらに、菅義偉官房長官(当時)が統一協会の地区教会2カ所へ北村氏を派遣するような証言を得たことから“官邸と統一協会との間に何かしらの取引があるのでは”というところから取材をスタートさせた」と述べました。
鈴木氏は、その後、15年に日本共産党が野党共闘にかじを切ったことで、「かなり安倍政権が焦っていた」として、「そのあたりから、16年1月になると突然、安保法制に抗議するSEALDs=シールズに対抗する、大学生組織(旧統一協会の2世で構成された)が全国のあちこちで『共産党反対』『安保法制賛成』『安倍政権、憲法改正支持』のデモや街頭宣伝をいっせいに始めた」と指摘。21年9月には、安倍元首相が旧統一協会系の「天宙平和連合」の集会にビデオメッセージを送ったことをあげ、「非常に衝撃的だった」と振り返りました。
その上で、「安倍氏のビデオメッセージが公開されたのはその日だけで、このことを報じたのは『赤旗』を含め4紙だけだ。政治家、メディアも含めて、陰で苦しんでいる被害者とその家族がいるということが見えていなかった」と語りました。
小池晃書記局長(追及チーム責任者)は、安倍元首相が06年に旧統一協会の関連団体に祝電を送ったことに、全国霊感商法対策弁護士連絡会が抗議をした際に、安倍事務所は「誤解を招きかねず、担当者に注意した」と述べていると指摘。「ところが、21年にはビデオメッセージを送り、むき出しだ。この対応の変化の背景には何があるのか」と質問しました。
鈴木氏は、「何があったのかのピースが僕の中でも埋まっていない」としつつ、「一線を超えたことは確かだ」と述べました。
宮本徹衆院議員(追及チーム事務局長)は、15年の旧統一協会の名称変更について聞くと、鈴木氏は「明らかに(自民党の)『文教族』に何らかのアプローチをしている。それが名称変更につながっている」と述べました。