2022年8月9日火曜日

内閣支持率NHKも46%に急落 内閣改造前倒しでしのげるか

 7月末の共同通信の世論調査内閣支持率が122ポイント減となったことで、岸田内閣は9月に予定していた内閣改造を急遽8月10日に前倒ししました。深みに嵌らない?うちになんとか凋落傾向を立て直したいのでしょうが、8日に発表されたNHKの世論調査でも、同じように支持率が3週間前よりも13ポイント下落して46%という内閣発足以来最低を記録しました。

 「国葬」問題では相変わらず「反対」が多数を占め、統一教会と政界との関りの実態解明が「必要」は、共同80・6%、JNN78%、NHK82%に達しています。
 茂木幹事長は、自民党は統一教会とは関係を持っていないかのような発言を繰り返していましたが、ここにきて「我が党の国会議員、政治家として自覚を持って、統一教会との関係を点検し、見直す。これからは関係を持たないことが基本だ」などと、ようやくまともなことを口にするようになりました。
 しかし国民の怒りは強く、通り一遍の内閣改造では支持率は回復しそうもありません。
 NHKの記事と、日刊ゲンダイの関連記事を紹介します。
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岸田内閣「支持」46% 内閣発足後最低に 「不支持」28%
                     NHK NEWS WEB 2022年8月8日
NHKの世論調査によりますと、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、前回・3週間前の調査より13ポイント下がって46%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は7ポイント上がって28%でした。「支持する」と答えた人の割合は、去年10月の内閣発足後最も低くなりました
NHKは、今月5日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは2577人で48%にあたる1223人から回答を得ました。
岸田内閣を「支持する」と答えた人は、参議院選挙後に行った前回・3週間前の調査より13ポイント下がって46%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、7ポイント上がって28%でした。
「支持する」と答えた人の割合は、去年10月の岸田内閣発足後、最も低くなりました。
支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が43%、「支持する政党の内閣だから」が24%、「人柄が信頼できるから」が15%などとなりました。
支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が35%、「実行力がないから」が28%、「支持する政党の内閣でないから」が20%などでした。

新型コロナをめぐる政府の対応をどの程度評価するか尋ねたところ、「大いに評価する」が6%、「ある程度評価する」が52%、「あまり評価しない」が29%、「まったく評価しない」が8%でした。
新型コロナの濃厚接触者に求める待機を、政府が最短で3日目に解除できるようにしたことについて、「評価する」が57%、「評価しない」が29%でした。
強い措置がとれる感染症に指定されている新型コロナの扱いを維持すべきか、季節性のインフルエンザと同じ扱いに変えるべきか尋ねたところ、「維持すべき」が44%、「変えるべき」が41%でした。
政府が来月27日に安倍元総理大臣の「国葬」を行うことへの評価を聞いたところ、「評価する」が36%、「評価しない」が50%でした。
「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会と政治との関係について、政党や国会議員が十分説明しているかどうか尋ねたところ、「十分説明している」が4%、「説明が足りない」が82%でした。
この夏に旅行や帰省をするかについては「する、または、した」が19%、「しない」が57%、「まだ決めていない」が18%でした。


岸田首相「内閣改造」前倒しで旧統一教会“汚染”払拭狙うも…お粗末身体検査で墓穴の可能性
                          日刊ゲンダイ 2022/08/08
 突如、決まった10日の内閣改造。自民党が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と、どっぷり癒着していたことが次々明らかになり、共同通信の世論調査(7月30、31日実施)で岸田内閣の支持率が12.2ポイント減となるなど逆風が強まった。岸田首相は人心一新で局面打開し、世論の批判をかわそうと考えているのだろうが、そうは問屋が卸さない
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 岸田首相は6日、「原爆の日」の平和記念式典のために訪れた広島市での記者会見で、内閣改造の実施を表明。統一教会と関係する議員を閣僚や副大臣などに起用するかどうか問われると、「当該団体との関係をそれぞれ点検し、結果を明らかにしてもらう」と答えた。関係議員は起用しない、ということだ。
 だが、「人事が急すぎる。短期間できちんとした『身体検査』などできるわけがない」(自民党ベテラン議員)という見方が大勢だ。
 統一教会と何らかの関係がある自民党議員は、分かっているだけで100人規模に上る。式典に祝辞を贈っただけというものから、出席して講演、教祖の妻に花束を渡す、関連団体の媒体に登場、献金の受領など“汚染”は多岐にわたる。「自己申告」を求めた岸田首相の発言は、「起用後に関係が明らかになったらクビ」と事前ににおわせることで、議員個人に責任を負わせるつもりのようだが、首相には「任命責任」がある。責任逃れは世論に通用しない。
 そんな中で注目されているのが萩生田経産相の処遇だ。留任か要職での起用が検討されているというが、安倍元首相の側近の萩生田氏は、統一教会との“濃厚接触”議員のひとり。ジャーナリストの鈴木エイト氏の調べでは、2014年に統一教会会長の特別講演会で来賓祝辞を述べているうえ、14年と17年に世界平和女性連合に会費を支払っている。
 さらに驚くのは、統一教会の関連団体「教育問題国民会議」の理事を務めた過去があることだ。週刊文春によれば、落選中の2011年3月から12年6月まで就任。萩生田氏本人は「無報酬です。特段宗教的なテーマ等はありませんでしたので、問題はなかったと考えます」と答えているが、教団組織の内部に入り込みながら、「問題ない」とはア然だ。
「そこで岸田首相は、萩生田氏を閣僚ではなく、政調会長など党3役での起用を検討しています。党の役員ならば統一教会と多少の関係があっても乗り切れるとみている」(永田町関係者)
 国民をナメ切った岸田政権。“お粗末”身体検査で墓穴を掘ることになるんじゃないか。


岸田首相「旧統一教会との関係見直し」と安倍氏「国葬」の矛盾浮き彫り…SNSでツッコミ続々
                          日刊ゲンダイ 2022/08/08
 8月10日に予定されている内閣改造・自民党役員人事をめぐり、8日午前、公明党の山口那津男代表と首相官邸で会談した岸田文雄首相(自民党総裁)。岸田首相は茂木敏充幹事長を除く自民党四役の交代を検討。無派閥の高市早苗政調会長の後任には、最大派閥・安倍派の閣僚経験者を起用する案が浮上していると報じられている。
内閣改造では、公明党内に斉藤鉄夫国土交通相の続投を主張する声が多いほか、自民党では岡田直樹参院国対委員長の初入閣が有力視されている。岸信夫防衛相は交代する方向で、民間閣僚となっている金子原二郎農林水産相と二之湯智国家公安委員長はそろって退任させるとみられる。
 「前倒し」と指摘されている今回の人事刷新は、安倍晋三元首相の銃撃事件以降、自民党国会議員と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の緊密な関係が次々と明らかになり、内閣の支持率が急落。政権の立て直しが急務だからだ。
霊感商法などの違法行為が繰り返し指摘されている「反社会的勢力」と政権与党、さらに閣僚が関係を持つべきではないのは当たり前だろう。JNNの世論調査でも、政治家が旧統一教会や関連団体との関係を断つ必要があるかと聞いたところ、「必要がある」は77%に達し、「必要はない」の15%を大きく上回っている。

■自民党候補者の旧統一教会票を差配していた安倍元首相を国葬の矛盾
 松野博一官房長官も8日の閣僚懇談会で、各閣僚に対し、旧統一教会との関係をめぐり、「国民に疑念を持たれることのないよう、政治家としての責任において点検し、厳正に見直しを行う」ことを要請。岸田首相も会見で、改造内閣で新たに指名する大臣や現職の閣僚・副大臣について、「団体(旧統一教会)との関係を点検し、結果を明らかした上で、適正な形に見直すこと指示する」と説明していたのだが、そうなるとますます、矛盾が浮き彫りになってくるのが安倍元首相の「国葬」だ。
 「岸田首相は、旧統一教会との関係見直しに言及しました。つまり、旧統一教会が問題ある団体だとあらためて認識したわけです。それなら、その旧統一教会と誰よりも深い関係を築き、国政選挙で自民党候補者の旧統一教会票を差配していたと報じられている安倍元首相を国葬にするのは道理が通らないでしょう」(司法記者)
 ネット上でも、《岸田総理は言っていることと、やっていることが何か違うんじゃね》、《『私は国葬される安倍さんから統一教会を紹介された』って大臣が言ったらどうするの?》、《統一教会と本気で関係を断つ気があるなら、しっかり時間をかけて調べるべき。国葬も国会審議で》といった意見が出ている。