2022年8月28日日曜日

徹底追及 統一協会 新世事件編 2/女性信者で「PRチーム」

 しんぶん赤旗シリーズ「徹底追及 統一協会 新世事件編 2」です。

 それとは別に同紙の記事:「女性信者でPRチーム VIP渉外自民議員を支援」を併せて紹介します。
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徹底追及 統一協会 新世事件編 2 
    資産状況を把握 「g数」に応じ信者に勧誘
                       しんぶん赤旗 2022年8月27日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)の霊感商法を展開していた印鑑販売会社「新世」(東京都渋谷区)。「新規からの基本的な流れ」と題する社内文書があります。街頭で客に声をかけるところから「基本トーク」で印鑑を売りつけ、さらに、「アフターケア」としてビデオ視聴などの信者獲得のステップに進む流れが、所要時間とともに書かれています。
 その早い段階で明記されているのが、「財把握:誰が主管しているのか。決定権を知る」という手順です街頭で「姓名判断をする」と声をかけて客を事務所に連れてきてから1時間以内に、客の資産規模と処分権の在りかをつかむといいます

月ごと管理
 同社は、こうして資産状況を把握し印鑑を購入させた客の情報を、表計算ソフトで月ごとに管理していました。「新規ゲスト進展」と題する文書には、担当者名や客の個人情報が並ぶほかに、「g数」という項目があります。
 有罪が確定した同社営業部長は、これを「100万円を1gと置き換えたゲストの財産」だと解説していました。
 例えば「g数」が「30」とされた客。右の項目に「08/01 SK3000予定」と書かれています。営業部長は検察官に、この客がォーラムで3000万円をSK、つまり献金する予定であった」と説明しました。
 ォーラム」とは統一協会内で「文化ォーラム(BF)」などと呼ばれる、店舗とは別の「統一協会の原理を教える施設」(営業部長の供述)。教義を刷り込むビデオなどを繰り返し視聴させる場所でもありました。
 文書「新規ゲスト進展」は、こうしたフォーラム類への客の勧誘状況も記録。「状況」という項目には客から聞き取った悩みや心配事も書かれています。「夫は自己中心的」「長男が原因不明の発熱」など、記述は具体的です。
 「g数」の大小に応じて、その客に対するその後の勧誘などのあり方を変えでいたとみられます。

規模に執着
 例えば営業部長は供述調書の中で、ある客について次のような趣旨の説明をしていました。
 「財産が0・5g、つまり50万円と少ないため、フォーラムにつなげないつもりだった。しかし担当者の強い希望により、フォーラムに動員することが決まった」
 客の資産規模への執着、多くの社内文書からもうかがえます。

   【写真説明1】文書「新規からの基本的な流れ」には、姓名判断を始めてから60分
         の間に「財把握」をすると記述
   【写真説明2】印鑑販売会社「新世」の「新規ゲスト進展」文書。大きい黒塗りのす
         ぐ右の欄が客の財産を示す「g数」

 「新世」から押収されたハードディスクにあったあるレジュメ。「出会いたいゲスト」として「SK1億できる人」を挙げています。
 2006年1月に社長が従業員にあてたとみられる文書は「今年の新世の年頭目標」として「1万g(百億)の篤志家(とくしか)ゲストと出会います!」と記していました。
                                    (つづく)

徹底追及 統一協会 
女性信者で「PRチーム」 「VIP渉外」自民議員を支援
                        しんぶん赤旗 2022年8月27日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)とその政治組織「国際勝共連合」が、信者の女性たちでつくった「PRチーム」を通して、自民党国会議員などの選挙活動を組織的に支援していたことが26日、関係者の証言で分かりました。(統一協会取材班)
 関係者によると、PRチームは統一協会信者の女性たちで構成され、その役割は「VIP(最重要人物)渉外だった」と説明します。
 女性たちは渉外の研修をうけ、選挙になると複数で車上運動員などとして自民党候補者らの陣営に派遣されていました。またチームの女性が秘書として議員事務所に派遣されることもあったといいます。
 ある統一協会関係者は、PRチームが自民党衆院議員だった保岡興治元法相(故人)ら複数の議員に運動員を派遣していたことを明かしました。保岡氏は法相の時に国会答弁で、当時の秘書官が過去に統一協会の集団結婚に参加したことを認めています。
 このチームは少なくとも1980年代から2010年代に活動していたとみられます。かつては都内の高級ホテルなどに拠点を置いていました。
 関係者は「議員渉外では新たな協力議員をみつけるために、バレンタインデーにバナナケーキやシフォンケーキを議員側に配り好感度をあげていた。議員は男性がいくより女性の方が警戒されない」と証言します。
 保岡氏の公設第1秘書などを務めた息子の保岡宏武衆院議員(自民党)に、興治氏への選挙支援などについて質問しましたが、期限までに回答はありませんでした。