2018年6月20日水曜日

20- 狂気の世紀の終焉 (日々雑感)

 「日々雑感」氏のブログ:「狂気の世紀の終焉」を紹介します。
 核兵器やミサイルの基本的な寿命を論じたものです。「はす(斜)に構える」という言葉がありますが、こうした視点は新鮮です。
 原発がウランの枯渇に連動する刹那的な設備であるのは明らかです。日々雑感氏は枯渇するのは50年後と見ていますが、商業ベースではあと10年という説もあるくらいです。
 ただ核兵器もそれに連動するかについては異論もあるかと思われます。
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狂気の世紀の終焉 
日々雑感 2018年6月19日
 核兵器は一度製造すれば永遠に持つ、というものではない。他の機械や兵器と同様に耐用年数がある。
 水爆を簡単に理解するには純度の高いプルトニュウムを容器に整然と詰め込み、中心部の爆薬を爆発させて核融合反応を起こす仕組みの爆弾だ。プルトニュウムそのものの半減期は2万4千年だが、高純度のプルトニウム核融合反応を起こす状態で維持するには12、3年が限度だろうといわれている
 
 つまり水爆の耐用年数は長くて13年ということのようだ。しかもプルトニウム以外の部分も強い放射能にさらされて劣化が激しく、実際は10年も経つと安定性に欠けるのではないかと思われている。原爆は水爆よりは耐用年数は長いと思われるが、それでも冷戦当初に造られたものはとうの昔に耐用年数を過ぎている。
 だから米ソがデタントと称して核軍縮を行っていたのは冷戦当初に大量生産した核弾頭が耐用年数を過ぎて安定的効果を発揮する核兵器でないと思われるものを廃棄していたに過ぎない。しかも核弾頭を運ぶミサイルに関しても製造した途端に劣化が進み、精密部品に関しては10年も経たずして信頼性が著しく低下する。
 
 そのうえウランは現在原発で使用する水準で消費すれば埋蔵量は50年で底をつく。プルトニウムは純度の高いものを作り置きすることは不可能で、絶えず製造しなければならず、50年もすれば新規製造そのものが不可能になる。
 つまり百年と経たずして核兵器は過去の遺物になる。核兵器が充満した狂気の世紀は後一世紀も経たずして終焉を迎える。その間、人類は核兵器を使用しなければ良いだけだ。
 
 金正恩氏が体制保障と引き換えに非核化をするとトランプ氏と約束したようだが、百年も放置すれば自然と世界は非核化になる。金氏はどれほどの年数の体制保障を求めたのか知らないが、金氏本人も50年程度で寿命を迎える。彼の子々孫々までも独裁者として北朝鮮に君臨することは不可能だ。
 それなら金氏は無理やり体制保障を求めることなく、命の危険のない安住の地へ亡命して、北朝鮮は北朝鮮の国民に委ねる方が余ほど充実した人生が送れるのではないだろうか。そうすれば少なくとも極東の狂気が一つ排除されるだろう。
 
 人の命を人質にして「戦争ごっこ」を繰り広げている軍産共同体の利権集団も彼ら自身の狂気に気付くべきだ。いかに巨万の富を手にしようと、生涯に使い切れない富は無いのと同じだ。財力に飽かして美食を世界から集めようと、人が美味しく食べられる量には限りがある。
 「起きて半畳 寝て一畳 天下採っても二合半」とはよくいったものだ。権力者の座に長くいても悪名を後世に残すだけの愚かな宰相もいる。「知足」を知ることこそが限りある人生を豊かに生きる秘訣ではないだろうか。