天木直人氏が、「米朝首脳会談が成功することは間違いない」という楽観的な予想を公表しました。
「当たっても当たらなくても、物事が判明する前に予測し、それを敢えて口にする」のが自分のやり方だと述べています。確かに事前に予想を話しそれが外れたことも沢山ありましたが、今回は是非当たって欲しいものです。
日本の政府とメディアは、ひたすらボルトン路線に準じて完全・不可逆・検証可能な核の廃絶を重要視していますが、北朝鮮は大筋として核兵器の廃絶を宣言しているのですから、様々に難癖をつけようとしているのは米朝合意を避けたいことの顕れと見られても仕方がありません。
天木氏は、「習近平(の中国)や文在寅大統領(の韓国)が望む合意を、トランプ大統領と金正恩委員長が先駆けて行う」ことが重要で、そうすれば「北朝鮮の非核化など、もはやどうでもいい事になる」と、明快に述べています。
北朝鮮に課した経済的・政治的制裁に本当に「道理」があったのか、米国及び日本そして世界は改めて考え直す必要があります。
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世界を揺るがす米朝首脳会談になる予感
天木直人のブログ 2018年6月11日
いよいよ米朝首脳会談が始まる。
そしてその結果がまもなく判明する。
いつものように、当たっても当たらなくても、物事が判明する前に予測し、それを敢えて口にすることに私はしている。
もはや、米朝首脳会談が成功に終わる(つまり決裂しない)ことは間違いない。
問題はどのような形の成功になるかだ。
これまでメディアに流される専門家の予測は、同床異夢の合意となり、お互いが成功したと言い張るものになるというものだ。
非核化についても体制保証についても、今後長期にわたって米朝で交渉が継続される。
そしてその間に様々な紆余曲折がある。
それでも、今度の首脳会談では、首脳同士の合意が強調される。
お互いにそうしなければいけない事情があるからだ、というものだ。
私もそう考えて来た一人だ。
しかし、ここにきて、もっと劇的な事が起きるのではないかと思うようになった。
つまりトランプ大統領も金正恩委員長も、すでに体制保証と非核化の取引を決断しているのだ。
それはトランプ大統領や金正恩委員長の直近の言動から読み取れる。
すなわち、何度も首脳会談を重ねることになる、今度の首脳会談がその始まりだ、と言っていたトランプ大統領が、チャンスは一回限りだというようになった。
しかもその言い方は悲観的ではなく圧倒的に楽観的である。
そして金正恩が自信に満ち溢れてシンガポール入りした。
出迎えたリー首相と会談し、歴史的な会談の場を提供してくれた事に謝意を表明し、準備のすべてに満足しているとシンガポールを褒め、そして開催国を引き受けたシンガポールにとっても、開催国となったことは名誉になると言わんばかりの自信ぶりだ。
そして私が注目したのは、金正恩委員長もトランプ大統領も、首脳会談が終わればすぐに帰国することを発表したことだ。
ついこの間までは、交渉は長引いて二日目に入ると言われていたのに、これはどういうことだろう。
それは、トランプ大統領と金正恩が会談した時は、もはや合意内容はほとんど決まっているということだ。
最後に政治決断を二人の首脳が世界の前で行い、世界にうれしい衝撃を与えるというシナリオが出来ているのではないか。
その為に事前の協議が米朝の実務者の間で繰り返されて来たのではないか。
彼らの間では意見の対立があり、まとまらないものを、最後にトランプと金正恩が会談して決断するのだ。
しかもその内容は、朝鮮戦争の終結であり、米朝国交化というサプライズなのだ。
習近平の中国や文在寅大統領の韓国が望む合意を、トランプ大統領と金正恩委員長が先駆けて行う。
どの国よりも緊密な二国間関係を米国と北朝鮮が一気に結ぶ。
北朝鮮の非核化など、もはやどうでもいい事になる。
それこそが国際政治のパラドックスだ。
希望的観測を込めて、私はそうなるのではないかと思っている(了)