国際的に孤立を深めている安倍首相は、自分もシンガポールへの乗り込みを検討したものの、拉致問題の展望もない現状では断念せざるを得ませんでした。それで再びトランプが帰国する際に給油で横田基地に立ち寄ってもらい、短時間でも日米会談を行う方向に転換したということです。そこまでして、なんとかトランプ氏との親密ぶりを演出したいのか・・・とその執念には呆れます。
問題はそういうレベルでは留まらずに、米朝会談直後の14日に誕生日を迎えるトランプにふさわしいバースデープレゼントとして、防衛装備品の大量購入をホワイトハウスに提案しているということです。その詳細は不明ですが、総額は数千億円に上るといわれます。
自分の面子のために、トランプ氏の歓心を買おうとして莫大な国費を使って恥じないとは一体どういう神経なのでしょうか。
日刊ゲンダイの記事:「蜜月演出…安倍首相がトランプに差し出す誕生日プレゼント」を紹介します。
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蜜月演出…安倍首相がトランプに差し出す誕生日プレゼント
日刊ゲンダイ 2018年6月6日
12日開催が予定される史上初の米朝首脳会談に向けた協議が大詰めを迎えている。この2週間でトランプ大統領の言動はジェットコースター並みに激しくアップダウン。急展開する北朝鮮情勢をめぐり、ますます置いてけぼりを食らう安倍首相は“日米蜜月”の演出に死に物狂いになっている。72歳の誕生日を迎えるトランプに“ビッグプレゼント”を提案しているという。
■「立ち寄り会談」懇願
“蚊帳の外”批判に神経をとがらせる安倍は、4月末の訪米からわずか1カ月で再びトランプ詣で。カナダで8日から開催されるG7首脳会議に先立ち、ワシントン入り。日米首脳会談を行う。
4日の政府・与党連絡会議で「拉致問題を解決するため、米国と緊密に協力していくことを改めて確認したい」と大口をたたいたが、6カ国協議関係国との差は開く一方だ。
中国の習近平国家主席は金正恩委員長の訪中を2度受け入れ、ロシアのラブロフ外相は先週訪朝。9月にウラジオストクでロ朝首脳会談の開催が検討されている。韓国の文在寅大統領は米朝会談に合わせてシンガポールに入り、板門店宣言に基づき、米朝韓の3者で朝鮮戦争の終戦宣言を行うとの観測が強まっている。
安倍首相もシンガポールへの乗り込みを検討したが、拉致問題の展望もなく金正恩と握手しようものなら、支持者がカンカンになるのは目に見えているだけに断念したという。そもそも、金正恩と会える見通しもなかった。
そこで、トランプが帰国する際の給油で横田基地に立ち寄ってもらい、短時間でも日米会談を行う方向に転換したという。もっとも、ビジネスマンのトランプはメリットがなければオファーには簡単に応じない。安倍官邸はトランプの歓心を買う算段をしているという。
「米朝会談直後の14日に誕生日を迎えるトランプにふさわしいバースデープレゼントとして、防衛装備品の大量購入をホワイトハウスに提案しているようです」(日韓関係筋)
さもありなんだ。自民党は先週、年末に策定する新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(中期防)への提言を安倍首相に申し入れ。防衛予算の「対GDP比2%」への倍増要請や敵基地攻撃能力の保有検討を求め、最新鋭ステルス戦闘機F35Bの取得を促した。安倍首相は「装備の充実も革命的」と満足げに応じていた。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏はこう言う。
「米海兵隊が配備するF35Bは1機当たり約150億円と高額な上、航空自衛隊の1個飛行隊は18機編成です。スペアを含めた20機を購入すれば、3000億円はくだらないでしょう。秋田と山口に配備が計画されているイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)やイージス艦向けにSM6の導入も一気に進める可能性がある。巡航ミサイルに対応できる迎撃ミサイルです」
トランプに足元を見られるんじゃないか。