2018年6月22日金曜日

国会会期延長強行 何が何でも悪法のごり押しか

 自公は今国会の会期について32日間という大幅な延長を強行しました。「残業代ゼロ制度」を含む「働き方」改革法案やカジノ実施法案などを成立させるためです。
 どちらも国民の多数が反対しているものですが、「残業代ゼロ」法案は財界からの強い要求で、またカジノ法案は、カジノ王が支持者についているトランプ大統領から強く要求されていると言われています。
 しかもどちらの法案も、これまでの秘密保護法、戦争法、共謀罪法などがいずれもそうであったように、野党からの質問にまともに答えられないいい加減なものです。「働き方」改革法案は、政令・省令で定める項目が90以上、カジノ法に至っては300以上もあるということです。
 共産党の穀田国対委員長は、「カジノ法案も、『働き方改革』法案も、道理がなく、国民多数が反対している。審議するほど問題点が明らかになった」と述べています。
 
 そんなものが会期内(150日間)で通らなかったのは当然のことで、会期内に成立しない法案は廃案にするのが会期制の大原則で、それを与党の都合で勝手に会期延長を行うことは議会制民主主義破壊です
 
 しんぶん赤旗は「国会会期延長強行 何が何でも悪法のごり押しか」とする主張を掲げました。同紙のもう一本の関連記事と共に紹介します。
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主張) 国会会期延長強行 何が何でも悪法のごり押しか
 しんぶん赤旗 2018年6月21日
 自民・公明の与党などが、20日までの今国会会期を7月22日まで32日間延長する議決を賛成多数で強行しました。「残業代ゼロ制度」導入を盛り込んだ「働き方」改革一括法案や、刑法が禁じる賭博を合法化するカジノ実施法案などを何が何でも成立させることが狙いです。これらの法案は、どの世論調査でも「成立させる必要はない」という声が多数を占めています。悪法ごり押しのための会期延長は、民意に真っ向から逆らうものです。安倍晋三政権の暴挙を許さず、「働き方」法案もカジノ実施法案も廃案に追い込む世論と運動をさらに広げることが急がれます。
 
破綻した法案を力ずくで
 安倍首相は会期延長に際し、「働き方」法案ついて「『働き方改革国会』と言っているからしっかり対応したい」と述べ、カジノ実施法案も「観光立国にしていくために大事な法案だ」と強調し、両法案成立へ改めて強い執念をしめしました。とんでもない居直りです。
 最新のマスメディアの世論調査では、「働き方」法案を今国会で成立させるべきと「思わない」58%(「読売」)、カジノ実施法案についても成立の「必要はない」73%(「朝日」)、「成立反対」61・5%(「産経」)と、両法案には国民多数が反対です。この声を無視し会期延長までして悪法を推し進めることに、全く道理はありません。
 
 だいたいこれらの法案は、審議の中で深刻な欠陥と矛盾が噴出している破綻した法案です。「働き方」法案は、歯止めない長時間労働をまん延させ、過労死を促進する「働かせ方」大改悪案という本質がいよいよ隠しようがないものになっています。裁量労働制データのねつ造や異常値の相次ぐ発覚にとどまらず、「残業代ゼロ制度」についても労働者の「ニーズ調査」がでたらめだったことなどが明らかになり、政府も答弁不能に陥っているのが実態です。
 
 カジノ実施法案は、違法な民間賭博を解禁することの害悪が審議を通じて次々と浮き彫りになっています。カジノを「世界最高水準で規制する」どころか、抜け穴だらけであることが大問題になり、政府側もまともな説明ができなくなっています
 これらの法案はきっぱり廃案にすべきものです。それにもかかわらず、衆院で採決の強行を重ねた上、さらに通常国会(会期150日間)で成立させられないからと会期を延ばすことは、まさに暴走です。会期内に成立しない法案は廃案にするのが、会期制の大原則です。与党の都合で勝手に会期延長を行うことは、議会制民主主義の乱暴な破壊に他なりません。
 自民党が突如持ち出してきた「参院選挙制度改革案」は抜本改革に程遠い、党略的なものです。こんな法案を会期延長で成立させることはとても認められません。
 
廃案に追い込む声を広げ
「森友」「加計」問題では、どの世論調査をみても国民は安倍政権の姿勢に納得していません。真相解明の責任を果たそうとしない安倍政権に対する不信と憤りは高まり続けています。会期延長をせざるを得なかったことは、世論と運動が安倍政権の足元を揺るがしていることの反映です。
 安倍政権による疑惑の幕引きと悪法強行を許さず、悪法の廃案、内閣総辞職に追い込むたたかいをさらに強めることが重要です。
 
 
自公 会期延長の暴挙 野党「悪法のため 認められない」
 しんぶん赤旗 2018年6月21日
 今国会会期末を迎えた20日、自民、公明両党は、過労死促進の「働き方改革」一括法案やカジノ実施法案などの悪法強行のため、国会会期を7月22日まで32日間延長する暴挙に出ました。会期延長は、同日の衆院本会議で野党の厳しい批判と反対を押し切り、与党と維新の会などの賛成多数で議決しました。日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党の野党5党・1会派は反対。日本共産党の畑野君枝議員は反対討論で、「国民の多数が反対する悪法を押し通すための会期延長は断じて認められない」と批判しました。
 
 畑野氏は、一連の法案が今なお成立していないのは、「審議で重大な問題が明らかになり、国民的な批判があるからだ」と廃案を要求。カジノ法案については、政府・与党が国民の疑問に答える十分な審議を拒否し、衆院通過を強行したとして、「政府・与党の側が法案審議を拒否して会期末を迎えながら、法案の審議のために延長するなど、一片の道理もない」と厳しく指摘しました。
 
 本会議に先立ち、野党5党・1会派の書記局長・幹事長が会談し、「延長は断じて認めるわけにはいかない」と一致して反対しました。
 日本共産党の小池晃書記局長は「悪法ごり押しのための会期延長は言語道断だ。悪法阻止のため、引き続き野党は結束してたたかおう」と呼びかけました。
 延長強行を受けて、5党・1会派は国対委員長会談を行い、与党が成立を狙う「働き方改革」法案やカジノ実施法案、自民党の党略的な参院選挙制度法案などのごり押しを許さないことで一致。加計学園の加計孝太郎理事長が初会見で、安倍晋三首相の関与を否定し、愛媛県に「うそ」の報告をしたと説明したことに関し、加計氏の証人喚問を行わなければ国政や地方行政に重大な禍根を残すとして、速やかな実施を求めることを決めました。
 
 日本共産党の穀田恵二国対委員長は、「カジノ法案も、『働き方改革』法案も、道理がなく、国民多数が反対している。審議するほど問題点が明らかになっており、それを許さないたたかいで廃案に追い込む」と強調しました。