2018年6月1日金曜日

党首討論 予想通りの無内容に徹した首相の答弁

 30日に1年半ぶりに行われた党首討論では、安倍首相は予想通り、論点をずらした、スリ替えの、不誠実な答弁に終始しました。
 最近は「ご飯論法」という批判がヒットしていますが、安倍首相のこの常軌を逸した答弁については、当初から「安倍語法」などとも呼ばれ、様々に批判されてきました。
 現に、翌日の社説では、「安倍論法 もううんざりだ」(タイトルより‥以下同)(朝日新聞)、「論点ずらした首相答弁」(南日本新聞)、「首相の不誠実な答弁が目に余る」(愛媛新聞)、「なぜ真正面から答えぬ」(東奥日報)などの批判の言葉が躍っていました。表現はそれぞれですが、その意味するところは皆同じです。
 (関連社説)
               (以上いずれも5月31日付)
 しかしどんなに批判されようと全く意に介さずに(あるいは理解することができずに)、なんら愧じるところがないのが安倍首相の特徴です。これでは安倍政権が続く限りは、延々とこうしたシーンに付き合わされることになります。
 安倍氏の場合は、そうした「語法」・「論法」だけでなく、それ以前の問題である「ウソ」がそれらと混然一体化しているので、その闇(無内容)は深みを増すことになります。
 
「きっこ」氏が次のような秀逸なツイートをしています。
 【きっこ】
 関東学生連盟は、「反則は指示していない」とした内田正人と井上奨の発言を「信用できない」と一刀両断し、この2人を最も重く永久追放に相当する「除名」と決めたが、安倍晋三が連日国会で嘘に嘘を塗り重ねているモリカケ問題も、関東学生連盟に任せれば、安倍晋三は一瞬で永久追放になるだろうね。 16:12 - 2018年5月30日
 
 できれば同連盟に「お任せ」したいものです。(^○^)
 日刊ゲンダイと天木直人氏のブログ(2件)を紹介します。
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史上最低の党首討論 
安倍首相の答弁は“ご飯論法”より醜悪
日刊ゲンダイ 2018年5月31日
「党首討論の歴史的使命は終わった」― 。立憲民主党の枝野代表がそう振り返った。30日の1年半ぶりの党首討論で安倍首相はスリ替えと時間稼ぎに終始。いま流行の「ご飯論法」をも上回る見苦しい答弁も飛び出した。
 
「ご飯論法」とは、労働問題に詳しい法政大の上西充子教授が名付けた言い逃れのワザ。「朝ご飯を食べましたか」という問いに「(パンは食べたけど、ご飯=米飯は)食べていない」のように論点をスリ替え、ごまかす答弁だが、安倍首相もこの日、活用した。
 
 冒頭、森友への国有地売却の「関与」を金品授受に絞ろうとする安倍首相に対し、枝野代表は「急に金品や贈収賄のような限定を付したとすれば、ひきょうな行為だ」と指摘した。安倍首相は、過去に金品授受に触れた答弁が数回あることを示し「急に私が新しい定義を定めたわけでない」と釈明。金品授受の有無にかかわらず関与は問題との趣旨なのに、「急に」という言葉にだけ反応する「ご飯論法」である。
 
 その後の答弁もヒドイ。加計学園の“安倍面会デッチ上げ”について、枝野代表が「個人としては平然でもいいが、総理として怒るべきだ」と質問すると、安倍首相はまた論点をスリ替え。「この問題で見失ってならない視点は獣医学部が50年間新設されなかったこと」と長広舌を振るって、最後に「政府はコメントする立場にない」と逃げた。「総理」の肩書を悪用された当事者意識ゼロだ。
 
■異次元レベルの言い逃れ
 さらにヤジに過敏な安倍首相は「いま、後ろから(同じ答弁を)100回聞いたという、辻元さんからのヤジがございましたが、同じことを聞かれたから同じことを答えるのです」と気色ばむ。納得できないから、何度も聞いているのにバカ丸出し。こんな認識だから、モリカケ問題がいつまでも続くのだ。
 
 共産の志位委員長が、改ざん、隠蔽、廃棄、虚偽答弁が安倍政権下で相次ぐ理由を聞いても、安倍首相は関係ないことをダラダラ答えた揚げ句、「うみを出し切り組織を立て直したい」と抱負を述べるだけ。「どうして、ご飯食べたなんてウソつくの?」という問いに「これからしっかり食べます」と切り返すようなもの。もはや異次元レベルの言い逃れで、「ご飯論法」よりもヒドイ。
 
安倍首相は、ほとんど全て聞かれたことに答えていませんでした。くだらない答弁を繰り返し、時間が過ぎれば勝ちという姿勢です。メディアも世論も『どうせ、いつものこと』とやり過ごしてはいけません。もっと大騒ぎすべきです」(政治評論家・森田実氏)
 
 最初から安倍首相に答える気がなけりゃあ、党首討論はやるだけムダだ。 
 
 
安倍首相の答弁がこれほどお粗末とは思いもよらなかった
天木直人のブログ 2018年5月30日
 党首討論を聞きながらリアルタイムでこれを書いている。
 枝野立憲民主党代表が質問しているところだ。
 国民が知りたい事を実に的確に聞いている。
 ところがこれに対する安倍首相の答弁があまりにも粗末だ。
 同じ逃げるにしても逃げ方がある。
 もはやウソをつくことすら下手になってしまったごとくだ。
 ここまで質の悪い答弁をするとは思わなかった。
 
 これでは志位和夫共産党委員長の質問にはとても対応できないだろ
う。
 わずか6分ほどの日本共産党の質問では、どんなに鋭い質問をしても
時間切れに終わる。
 安倍首相はごまかして逃げられる。
 しかし党首討論を逃げ切っても、もはや安倍首相は疑惑から逃げられ
ない。
 それでも安倍首相の居直りを許すようでは、日本は間違いなく終わ
る。
 日本の為にも誰かが安倍首相に本気で引導を渡さなければいけない。
 明日のメディアはきょうの党首討論の事をどう書くつもりだろうか。
 けだし見ものである(了)
 
 
なにもかも八百長だった党首討論
天木直人のブログ 2018年5月31日
 私は昨日のNHKの党首討論中継を、一部始終、目を凝らし、耳を立てて見た。
 なにしろ安倍疑惑が最高潮に達した中での党首討論だからだ。
 1年半ぶりに行われると鳴り物入りで報じられた党首討論だからだ。
 しかし、私も長らく政治批評を続けてきたが、これほど腹立たしい思いをした党首討論はなかった。
 安倍首相の答弁はこれまで見て来た政治家のどの答弁よりもお粗末で往生際が悪かった。
 どうせウソをつくにしても少しは知恵を絞って目新しいウソをついたらどうか。
 それさえもできない頭しか、安倍首相は持っていないということだ。
 それだけで一国の首相に留まる資格はない。
 
 それにしても野党に割り振られた質問時間の少なさは何だ。
 野党第一党の立憲民主党に割り振られた時間が、たったの16分。共産党に至っては4分だ。
 しかもである。
 野党に割り振られた時間は安倍首相の答弁の時間まで含まれた時間だった。
 安倍首相の方がべらべら長くしゃべって、野党党首がまともに質問出来ないまま終わった。
 こんな党首討論ははじめから開く意味はない。
 そして、こんな馬鹿げた党首討論だったにもかかわらず、今朝の各紙はどれも怒りを感じさせない。
 読売新聞に至ってはいたっては、これで幕引きだと書いている。
 ふざけるなという話しだ。
 
 そして今朝の各紙はその夜、野党党首が会食して話し合ったという報道を一斉に書いた。
 私はてっきり残された国会で安倍疑惑をどう追及するかを話し合ったに違いないと思ったら、なんと次の選挙の選挙協力だという。
 ここで安倍首相を逃したら、もはや野党の存在価値はなくなるというのに、そして自公政権が永久に続く事になるというのに、まだ自らの生き残りの相談をしているとは。
 
 そう思っていたら今日の各紙が報じた。
 佐川前国税庁長官の不起訴が決定しましたと。
 なにもかも八百長だ。この国の政治は救いがたい状況になった。
 せめて国会議員の給与を半減し、諸手当をはく奪して欲しい。
 一般国民の平均収入にすれば、国会議員が何をやろうと腹は立たない。
 勝手にやってろ、と突き放せばいいだけの話だ(了)