2018年6月10日日曜日

10- スパコンのペジー社から28億円が未返済 NEDOは返還請求せず

 文科省所管のJST(科学技術振興機構)経産省所管のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から、総額87億円助成金を詐取した疑いで告訴されたペジーコンピューティング社元社長の斉藤元章被告は、先月の初公判で助成金詐取を認めました。
 同社には、メディア就職希望の女性に対する準強姦・逮捕もみ消し疑惑が掛かっている“官邸御用ジャーナリスト”の山口敬之氏が顧問格に収まり、月額200万円前後といわれる超高級レジデンス暮らしをしていました。
 
 山口敬之氏は安倍首相と懇意だっただけでなく麻生氏とも懇意だったということで、そうした二人との特別の関係が助成金を獲得するうえで有利に作用したのではないかと見られています。
 
 交付された助成金約87億円のうち、文科省関連の52億円は全額が返還されましたが、経産省所管のNEDOから352400万円の方は、返却されたのは65000万円のみ28億円はまだペジー社が所持しています。
 NEDOは「今後、追加的に調査を行い、仮に不正が認められれば返還請求を行う」と、まだ返還の請求もしていないということです。
 元社長の斉藤元章被告や山口敬之氏の超豪華な私生活に助成金が流用された疑いもあるし、NEDOの側にも税金の不正使用の疑いがあるというのに何とも不可解な態度です。
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詐欺ペジー社から28億円戻らず 安倍政権なぜ返還請求せず
日刊ゲンダイ 2018年6月9日
 安倍首相や麻生財務相との“関係”が指摘されるスパコン詐欺の「ペジーコンピューティング」。先月の初公判で、社長だった斉藤元章被告(50)は助成金詐取を認めている
 斉藤被告が国から引っぱったカネは、総額87億円にもなる。よくも日本政府は詐欺師に87億円もつぎ込んだものだ。
 信じがたいのは、交付済みの総額約35億円の助成金の大半が戻っていないばかりか、安倍政権は返還請求すらしていないことだ。なぜ、カネを取り戻そうとしないのか。安倍首相への“忖度”なのか。
 
 ペジーへの公的資金の支出約87億円の内訳は、文科省所管のJST(科学技術振興機構)から52億円の無利子融資。さらに、経産省所管のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)から35億2400万円の助成金の交付だ。文科省分の52億円は、4月6日に全額返還を受けている。ところが、経産省分35億円のうち、国庫に戻っているのは、5事業中、2事業の一部でわずか6億5000万円のみ。残りの約28億円はペジーに“あげた”ままなのだ。
 なぜか、世耕経産相は回収に積極的ではないのだ。
 
 NEDOは「今後、追加的に調査を行い、仮に不正が認められれば返還請求を行う」(広報部)とノンキな様子。しかし、モタモタしていると回収不能になってしまいかねない。
 ペジー社には、安倍首相と関係の深い元TBS記者の山口敬之氏が顧問に就任していた。ペジー社に渡った税金はどのように使われたのか。疑惑はひとつも解明されていない。「詐欺師」に大金の税金を“預け中”なんてもってのほか。すぐに返還請求すべきだ。