2018年6月14日木曜日

歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する 二つのメッセージ

歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する」とする二つのメッセージを紹介します。
 
 一つは日本共産党委員長の志位氏のもので、そのタイトルは表題のとおりです。
 もう一つは「いくら強調しても強調し過ぎる事のない米朝首脳会談の成果」と題した、天木直人氏のブログです。
 別掲記事のとおり「世に倦む日々」氏も大いに歓迎しています。

 成功裏に終わった世紀の会談であったにもかかわらず、こうした歓迎のメッセージが少ないのは不思議なことです。
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歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する
しんぶん赤旗 2018年6月13日
 日本共産党の志位和夫委員長は12日、「歴史的な米朝首脳会談を心から歓迎する」とした談話を発表しました。同日、米朝両国と韓国、中国、ロシア、モンゴルの各国に送付しました。
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2018年6月12日
日本共産党幹部会委員長 志位和夫
 、米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、本日、シンガポールで米朝首脳会談を行った。
 
 両首脳が署名した共同声明によると、金委員長は「朝鮮半島の完全な非核化への強固で揺るぎない決意」を表明し、トランプ大統領は「北朝鮮に対する安全の保証の提供」を約束し、米朝両国が「平和と繁栄を望む両国民の願いに従って新しい米朝関係を樹立」し、「朝鮮半島に永続的で安定した平和体制を構築」することを宣言した。
 
 日本共産党は、長年にわたって厳しく敵対してきた米国と北朝鮮が、初の首脳会談を行い、朝鮮半島の非核化と平和体制構築をすすめ、両国関係を敵対から友好へと転換させるために努力することで合意したことに対して、心からの歓迎を表明する。
 
 、今回の米朝首脳会談は、非核化と平和体制構築に向けたプロセスの開始である。この目標の達成には、両首脳が確認したように、今後も首脳会談を含め交渉を継続し、共同声明の合意を速やかに具体化し、誠実に履行するための真剣で持続的な努力が必要である。そのことを米朝両国に強く期待する。
 
 、非核化と平和体制構築を実現するためには、米朝両国の努力とともに、関係各国、国際社会の協調したとりくみが必要である。平和を求め、核兵器のない世界を求める諸国民の世論と運動が不可欠である。
 
 とりわけ、日本政府が、日朝平壌宣言にもとづき、核・ミサイル、拉致、過去の清算など両国間の諸懸案を包括的に解決し、国交正常化のための努力をはかり、開始された平和のプロセスを促進する役割を果たすことを強く求める。拉致問題の解決も、そうした努力のなかに位置づけてこそ道が開けることを強調したい。
 
 、日本共産党は、北朝鮮問題の「対話による平和的解決」を一貫して主張し、4月上旬には、「朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制構築を一体的・段階的に進める」ことを関係国に要請した。この間の情勢の進展は、わが党の提唱が、関係各国の努力方向とも合致し、情勢を前向きに打開する唯一の道であることを示している。
 
 南北首脳会談と米朝首脳会談によって開始された平和のプロセスが成功をおさめるならば、世界史の一大転換点となり、地域の情勢を一変させるものとなるだろう。日本共産党はそのために引き続きあらゆる努力を続けるものである。
 
 
いくら強調しても強調し過ぎる事のない米朝首脳会談の成果
天木直人のブログ 2018年6月13日
 今度の米朝首脳会談の成果は、署名された共同声明とその後のトランプ大統領の記者会見の二つを一体として理解、評価すべきものだ。
 その二つを素直に読めば読むほど、誰もが想像できなかったような大胆な合意がなされた事がわかる。
 今度の合意はトランプ大統領と金正恩委員長という二人の絶対的権力者の間の合意だ。
 そして、金正恩委員長はすべてをトランプ大統領に委ねた。
 そのトランプ大統領は、弾劾されなければあと2年半大統領に留まる。
 つまりあと二年半の間に、この共同声明に書かれた内容が、記者会見で語られたトランプ大統領の言葉通り、現実のものとなるのだ。
 
 ポンペイオやボルトンがトランプ大統領の命令通り、それを実現する事になる。
 彼らが少しでもトランプ大統領の意にそわない事を唱えれば直ちに首を飛ばされる。
 もちろん金正恩委員長はトランプ大統領にすべて従う。
 その結果、これから時間をかけて何が起きるか。
 それは朝鮮戦争の終結であり、北朝鮮の完全非核化であり、朝鮮半島の非核化であり、在韓米軍の縮小、撤退であり、そして米朝国交正常化の実現であり、北朝鮮の劇的な経済開発である。
 トランプ大統領の残された2年半の間にそれが起きるのだ。
 
 そう考えた時、今度の米朝首脳会談の合意がどれほど物凄いものか、この事はいくら強調しても強調し過ぎる事はない。
 ところが今日の各紙の社説を見るとまったくその認識が欠如している。
 どの論調も、不完全で具体性がないと書いている。
 次は日朝首脳会談の番だと書いている。
 
 二つとも大きな間違いだ。
 トランプ大統領がここまで明確にコミットしたのだ。
 それが具体化されないはずがない。
 その実現は時間の問題である。
 そして日朝首脳会談が実現するためには、安倍首相が拉致問題についての方針を変えるしかないが、日本会議を支持基盤とする安倍首相にはそれは無理だ。
 
 もし次は日朝首脳会談だというのなら、安倍政権を変えて再出発するしかないのである。
 この点について、発売中のサンデー毎日(6月24日号誌上で、和田春樹東大名誉教授がこう語っている。
 拉致問題を持ち出しては日朝交渉をストップさせてきた安倍首相にその路線変更ができるのかと。
 拉致された人は皆生きている、一人残らず返せと主張して来たことと現実の落差をどう埋めるつもりかと。
 この言葉こそ、安倍首相にトドメを刺す言葉だ。
 
 歴史的米朝首脳会談がついに実現し、そして歴史的な米朝合意が署名された。
 日本がその合意を日本の国益につなげるためには一日も早く安倍政権を変えて出直すしかない。
 しかし、それを求める声は、メディアからも有識者からもそして野党からも出て来ない。
 このままでは日本は歴史の大きな転換に取り残されたまま終わる事になる(了)