2018年6月14日木曜日

14- 拉致問題で北朝鮮と直接向き合わなかったのは誰か(まるこ姫の独り言)

 ここにきてNHKは盛んに「北朝鮮は拉致問題は解決済みという姿勢を変えていない」という表現を使い出しました。例えば14日早朝のニュースでは次のように結んでいます。
「ただ北朝鮮は、『拉致問題は解決済み』という姿勢を変えていないことから、政府内からは、北朝鮮から前向きな対応を引き出すのは容易ではないという見方も出ており、協議は難航することも予想されます」
 
 これには二つの問題があります。
 一つは、いよいよ日朝間で拉致問題の解決の交渉を始めるというこの段階になって、それを解決するのは「困難である」ことを、安倍首相に成り代わって予め国民に印象操作をしているということです。
『拉致問題の安倍』だった筈なのに一体どうしたのでしょうか。
 
 もう一つは、それによって「北朝鮮が『拉致問題は解決済み』であると述べている」ことが、如何にもこれまでに国民に周知されていたかのように装っていることです。
 果たしてそうだったのでしょうか。2000年代のはじめ頃に、北朝鮮が他拉致被害者の現状について「極めて悲劇的な内容」を安倍氏らに伝えたといわれています。しかし安倍首相はこれまで一言もそんなこと口にして来なかったのではないでしょうか。
 それをここにきて「実はそうだった」のだということを、何の前置きも釈明もなく、政府に成り代わって「知らせよう」としたのです。
 
 安倍首相の狡猾なゴマカシには慣れていますが、ことは多数の人命に関わることなので、「やはりそうかと」いうことでは済まされません。
 安倍政権は拉致問題についてはこの間何一つ努力して来なかっただけではなく、ただひたすら、「北朝鮮とは対話は必要ない、圧力をかけ続けていけばよい」と強調してきたのでした。
 
 米朝会談でトランプ氏が、果たして拉致問題を真剣に提起したのかというようなことを言う人がいますが、安倍首相から提起するだけで良く、深入りしないで欲しいと釘を刺されていたのですから、トランプ氏としても動きようがなかった筈です。
 その結果、安倍氏の希望通りに今後はすべて日朝会談に委ねられたわけですから、いまさら泣き言をいうのではなく全力で最善を尽くすべきです。
 
 ブログ:「まるこ姫の独り言」を紹介します。(こちらの文中の太字・青字強調は原文に拠っています)
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拉致は北朝鮮と直接向き合い、解決しなければならないby安倍、

やらなかったのは誰?

まるこ姫の独り言 2018年6月13日

自国の主権の問題をトランプに議題に上げてくれと頼み、合意文書に、拉致問題のらの字も書かれていないのに提起したトランプに感謝だと。
 
首相「拉致は北朝鮮と直接、解決しなければならない」                           6/13(水) 0:18配信
安倍晋三首相は12日夜、トランプ米大統領と電話で協議し、米朝首脳会談について説明を受けた。終了後、記者団の取材に応じ、「拉致問題についてはトランプ大統領の強力な支援をいただきながら、日本が北朝鮮と直接向き合い、解決していかなくてはいけないと決意している」と述べ、日朝の直接交渉に改めて意欲を示した。 

なんで今更「日本が北朝鮮と直接向き合い、解決していかなくてはいけないと決意している」と言いだすのだろう。
当たり前の話じゃないか。
その当たり前のことを5年半たってようやく言っている。

直接向き合ってくれと傍が言わなくても、当然やってくれると思っていただろう拉致家族の方の5年半は何だったのか。
安倍首相は、首相就任後、すぐに拉致問題の解決は最重要課題だと何度となく言ってきた。
その「最重要課題」が5年半たってもなんで一ミリも動かなかったのか。
5年半もの長き時間があれば、やる気があるなら多少は動いた筈だが、一ミリたりとも動かなかった。

結局、安倍首相にとって拉致問題は利用できるから利用して来ただけで、米朝首脳会談が実現しそうになると、自国の問題を他国の大統領に議題に上げてくれと何度となく頼み、日本国内で、トランプ大統領に頼んだから大丈夫と恥ずかしげもなく手柄話のように披露していた。
 
普通考えても、そんなに大事な拉致問題ならとっくの昔に政府が動いていないとおかしな話なのに、北朝鮮には対話は必要ない、圧力をかけ続けていくと最近まで言い募っていた
どんなに相手が卑劣な国だとしても水面下で粘り強い交渉をするのが外交だと思うが、安倍政権の閣僚の面々は一切、そういった思考が無く、相手を卑劣だと罵るだけ。
いっこうに歩み寄ろうとはしてこなかった。

それが米朝首脳会談後、安倍首相は急速に北朝鮮にすり寄っているように見えるが、あれだけ声高に北朝鮮を排除するような事を言ってきた安倍首相に対して、金正恩が胸襟を開いて話し合いに応じるだろうか。
やはり、パイプは作っておくべきだった。

会談をするとなった場合も前途多難で、日本は莫大な支出を覚悟しなければいけない。
トランプは非核化に向けての費用は日韓が負担をすると言っていたが、安倍首相が渡米した時に、トランプと裏で密約でもしていたのかもしれない。
非核化の費用と戦後賠償となったら、恐ろしい程の支出を強いられかねない。
果たして安倍首相にその交渉ができるだろうか。