経済界が強く望んでいた「働き方」改革関連法は、過労死で家族を亡くした人たちで作る「全国過労死を考える家族の会」のメンバーや過労のため自殺した元電通社員・高橋まつりさんの母親の幸美さんらが見守るなか、29日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。
過労死促進法案と言うべき「高プロ」制度をはじめ、一連の法案は詳細を政令や省令で決める項目が90以上もあります。「高プロ}制度は、当面年収1075万円以上の一部専門職を対象に来年4月から導入されますが、対象範囲は厚労省令で定められるので、最終的には極めて広い労働者を対象に残業ゼロ法が適用される惧れがあります。
参院本会議に先立ち28日、野党は参院厚公労委での通過を阻止するため島村委員長の解任決議案を提出しましたが、参院の野党第1党の国民民主党がそれに反対したため、委員会はその決議案を取り上げることなく法案を強行採決し、参院本会議に送りました。
緊急動議(解任決議案)は最優先で審議すべきであるにもかかわらず、それを無視するのは極めて異例のことで、国会史上62年ぶりの暴挙です。
国民民主党は毎週木曜夕方 都内で街頭宣伝を行っています。28日夕方は、同党の政治姿勢に反発を強める市民たちが抗議に詰めかけ、通勤の人々からも激しいヤジと怒号が飛びました。
高プロに一貫して反対してきた上西充子・法政大教授も東京駅頭に駆け付け、
「野党に共同歩調を取ってもらいたかった。立法事実がない、質疑にきちんと答えられてない。ここで採決に賛成するのは、やはり野党としてあり得ない」と、泉健太議員に抗議しました。
国民民主党の舟山康江・参院国対委員長や泉議員は付帯決議をつけたことを成果と強調していますが、国民投票法などを見ても付帯決議は事実上殆ど意味を持っていないので、それは身勝手な自己満足というべきものです。
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国民民主の裏切りで高プロ制度採決!
そりゃあ、安倍晋三との討論後に党首が笑って握手するはずだ!!
くろねこの短語 2018年6月29日
日本が1次リーグ突破! 後半にボールを回しての時間稼ぎに批判もあるようだけど、これも決勝リーグ進出するための戦術のひとつってことなのだろう。ルール違反しているわけではないから、ようするにそうした姑息な手段が好きか嫌いかってことだ。
そんなことより、野党の森友・加計学園疑獄追求を、もっと他に大切な法案審議があるって批判していたメディアは、いまやすっかり俄かサッカーファンとなってはしゃぎまくっとります。その隙を突いて、高度プロフェッショナル制度(=残業代ゼロ)が国民民主の採決同意という裏切りもあって、すんなりと参議院厚生労働委員会で可決されちまいました。なんて様だ!
それにしても、国民民主の正体見たりってことで、採決後の丸の内での国民民主の街宣では、聴衆から「裏切り者」の声が投げつけられたってね。党首の腰抜け玉木君は「野党を分断してはならない」って言い訳してるようだが、前回の党首討論でペテン総理と握手しちゃうような奴ですからね。ハッキリ言って、「野党分断」のために動いているのは明らかですね。
もともと信頼されていないところにきてのこの裏切りは、国民民主の存在理由そのものを否定することにつながったことは間違いない。いずれ消えてなくなることだろう。
「高プロ」採決させた国民民主に「裏切り者」の罵声
田中龍作ジャーナル 2018年6月28日
(【写真説明】国民民主党の街宣車前には、市民たちが立ちはだかりプラカードを掲げて抗議した。=28日夕、東京駅丸の内北口 撮影:筆者)
高プロという名の過労死促進法案を盛り込んだ「働き方改革(働かせ方改悪)」法案が、28日夕、参院厚労委員会で採決された。サッカーW杯日本戦にぶつけた与党もアクドイが、採決に同意した国民民主党もお粗末だ。
国民民主党が毎週木曜夕方、都内で行う街頭宣伝には、同党の政治姿勢に反発を強める市民たちが抗議に詰めかけた。通勤の人々からも激しいヤジと怒号が飛んだ。
都内の中高一貫校で非常勤教師を務める男性(30代)は、学校からの帰りだ。非常勤であるため給料は授業の分しか出ない。テストの採点、テスト問題作成などはサービス残業だ。無賃金で深夜まで働くことも珍しくない。
「労働者に死ねっていうのかよ?」「止めなかったクセに何言ってんだよ」「裏切り者」「自民党だろ、お前ら」・・・非常勤講師はノドが潰れるほどの大声で怒鳴り続けた。
(【写真説明】「カネと時間を返せ」「共産党は闘ってるぞ」・・・非常勤教師の男性は国民民主党に対して全身全霊で怒りを表した。=28日夕、東京駅丸の内北口 撮影:筆者)
高プロに一貫して反対してきた法政大学の上西充子教授が、国民民主党の街頭演説を知り、東京駅頭に駆け付けた。泉健太議員が対応した。
「採決に同意したのは1つでも付帯決議を取り付けるため。より激しいほうが確かに野党らしい、そうでない方は裏切り者になっちゃう」。泉議員は市民たちから批判されて苦しい胸の裡を明かした。だが、事ここに及んでは説得力を欠くという他ない。
道路の向こう側からはひっきりなしに「裏切り者」、「ボケー」と罵声があがる。
「野党に共同歩調を取ってもらいたかったという意思表示なんですよ」。上西教授は抗議の人々を代表するかのように言った。
「立法事実がない、質疑にきちんと答えられてない。ここで採決に賛成するのは、やはり野党としてあり得ない」。いくら話をしてもラチの開かない国民民主党に落胆の表情を隠せないまま、上西教授は東京駅を後にして、国会前に帰っていった。
与党の「強行採決」にさせなかった国民民主党の罪は重い。
(【写真説明】「強行採決で何が取れるのか?」という泉健太議員に上西教授は、「付帯決議に何を求めるのか?」と応じた。歩調を乱した国民民主党への不信感は大きかった。=28日夕、東京駅丸の内北口 撮影:筆者)
〜終わり~