2018年6月10日日曜日

トランプ氏の“ボルトン外し”に安倍官邸は真っ青

 安倍政権はなぜ米朝会談が成功することを忌避するのでしょうか。
「拉致問題を私が解決する」と「家族の会」に明言し、荒唐無稽なことながら「(拉致問題解決のための国際的な)司令官になる」と口にしたのもつい最近のことです。
 その一方で実は米朝会談の失敗を願うとは・・・本当は拉致問題解決のために「北朝鮮と直接向き合いたくない」のだと考えるしかありません。不可解というしかなく、安倍首相をつつむ闇は深いようです。
 
 トランプ氏が、北朝鮮に関係する重要な場面にボルトン氏を出さないようにしたのは当然のことで、米朝会談の成功を目指すトランプ氏が、それに反対するボルトン氏を重要視することなどあり得ません。
 それなのに日本政府がボルトン氏らと結託して、米朝会談の失敗を画策しようとしていたとはあまりにも愚かなことです。「外交音痴」と呼ばれるべきです。
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安倍官邸は真っ青…トランプが対強硬派の“ボルトン外し”
日刊ゲンダイ 2018年6月9日
 史上初の米朝首脳会談を目前に、トランプ政権に異変だ。対北朝鮮政策のキーマンとされてきた国家安全保障担当のボルトン大統領補佐官が“干されている”というのだ。トランプ大統領が首脳会談の開催を発表した1日の金英哲朝鮮労働党副委員長との会談の席にも、ボルトンの姿はなかった。その後も重要な協議から外されているという。シンガポールでの首脳会談にも同行しない可能性がある。
 
 この「ボルトン外し」に真っ青になっているのが安倍官邸だ。
「ボルトン氏は2001年にブッシュ政権で国務次官に就任した時から、筋金入りの対北強硬派で知られるタカ派です。安倍総理が北朝鮮への圧力強化を訴えてきたのも、北の体制転覆を唱えてきたボルトン氏に歩調を合わせてのこと。現在、総理は日米首脳会談のために訪米中ですが、ボルトン氏と北への圧力維持で結束を確認する予定でした。12日の米朝首脳会談についても、『ボルトン氏が決裂に導いてくれる』と期待する声まであったくらいです」(官邸関係者)
 
 実際、4月末にボルトンがテレビ番組で「リビア方式の非核化」を提唱したことに、北は猛反発。ボルトンを名指しで批判し、会談中止をほのめかした。それでトランプも会談中止を発表。世界中で安倍首相だけが「中止を支持する」とコメントした経緯がある。
 
 結局、予定通り12日に開催されることになった米朝首脳会談は、ポンペオ国務長官とマティス国防長官が主導して、準備されているという。ポンペオは中央情報局(CIA)の長官時代から、朝鮮人民軍や北の諜報機関とパイプを保ってきたとされる。韓国の文在寅大統領とも、韓国中央情報部などを通じて接触。米朝首脳会談の実現に向けて、水面下で調整を続けてきた。
 
 その結果、ボルトンにくっついて拳を振り上げていた日本は、いつの間にか、蚊帳の外に取り残されていたのだ。トランプが「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない」と言い出すなど、いまや完全にハシゴを外されてしまった。
 
 それなのに、安倍官邸は相変わらずボルトン頼みだから、どうしようもない。訪米中の谷内国家安全保障局長は現地時間の6日、ホワイトハウスでボルトンと会談。米朝首脳会談に向け、北朝鮮が完全かつ検証可能で不可逆的な方法で、核などすべての大量破壊兵器と日本に届く中・短距離を含む弾道ミサイルを廃棄する必要があることをあらためて確認したという。
 
 元外交官の天木直人氏が呆れて言う。
「北との交渉から外されたボルトン氏とこのタイミングで会ってどうするのか。外交オンチにも程があります。そもそもボルトン氏はトランプ大統領からあまり評価されていなかった。ボルトン氏の口ひげが嫌いで、最初の政権発足時には要職に就けなかったのです。側近を次々とクビにして、他に誰もいなくなったので、やっと補佐官に任命された。対北強硬派のペンス副大統領やボルトン氏にすがりついて、北朝鮮に圧力をかけ続けるよう要請する安倍外交は、ボルトン氏と心中するようなものです。トランプが勝った大統領選の時も、クリントン陣営に肩入れして大恥をかきましたが、なぜ、ことごとく見誤るのか。安倍政権で外交も官邸が主導するようになり、外務省が機能しなくなった。駐米大使も官邸が喜ぶ情報しか上げようとしない。だから、自分たちに都合よく判断し、間違えてしまうのでしょう」
 
 おかげで、歴史的会談に日本の出る幕はなし。安倍独裁政権の弊害は外交にも及んでいる。