2019年4月3日水曜日

03- 日銀短観 6年3カ月ぶり大幅下落 景気後退懸念

 アベノミクスをサポートすることに余念のない日銀ですが、企業短観の数値は冷厳です。
 1日に発表した大企業製造業の業況判断指数の下落幅は7ポイント、第二次安倍政権が発足した1212月(9ポイント低下)以来、6カ月ぶりの大きさです
 それでも政府・日銀は、設備投資と個人消費などの内需が堅調なことから、国内景気は「緩やかに回復」という判断を崩していません。本当にそうであれば結構なことですが。
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6年3カ月ぶり大幅下落 3月日銀短観 景況感悪化、景気後退懸念
東京新聞 2019年4月2日
 日銀が一日発表した三月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業経営者が景気拡大の「終わり」を意識し始めたことを示す結果となった。代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)の下落幅は七ポイントと、第二次安倍政権が発足した二〇一二年十二月(九ポイント低下)以来、六年三カ月ぶりの大きさ。海外経済の減速が直撃し、「戦後最長の景気拡大」という政府認識の足もとが揺らいでいる。(岸本拓也)
 
 短観では、景気が「良い」と答えた割合から「悪い」を差し引いたDIが、大企業製造業でプラス12となり、二・四半期(六カ月)ぶりに悪化した。一七年十二月調査のプラス25をピークに悪化の流れが続く。
 製造業に打撃を与えたのが中国経済の失速だ。今年に入り、ITや半導体関連の需要が落ち込み、国内で中国向けの輸出や生産が減少。短観のDIでも「電気機械」や「汎用(はんよう)機械」などが大きく下落した。主力産業の「自動車」も、日米貿易交渉を四月に控え、三カ月後の先行きのDIは大幅な悪化を見込む
 大企業非製造業のDIは3ポイント下落のプラス21と、二・四半期ぶりに悪化。中小企業では製造業が8ポイント悪化のプラス6、非製造業は1ポイント改善のプラス12だった。
 
 経営者心理の悪化とは対照的に、政府・日銀は、設備投資と個人消費などの内需が堅調なことから、国内景気は「緩やかに回復」という判断を崩していない
 短観では、大企業製造業は、一九年度も引き続き設備投資を増やす計画が示された。ただ、非製造業も含めた「全規模・全産業」では前年割れを見込んでおり、投資判断にも慎重さが垣間見えるようになった。
 五月には元号が「令和」に変わり、十連休などは個人消費に追い風となるものの、十月に消費税増税を控えており、お祭りムードが続く保証はない。
 
 政府・日銀内からは「まだ内需が崩れたわけではない」という声が漏れるが、海外経済の減速に、内需の鈍化が加われば、景気後退が現実味を帯びる。
 ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「国内景気の鈍化は明確だが、後退局面と判断するのは時期尚早だ。ただ、海外情勢は見通せず、景気が下振れるリスクは高い」と指摘する。
         日銀短観の大企業 業種別 業況判断
 
 
今 回
変化幅
先行き
 
  
12
-7
8
 
汎用機器
20
-27
22
 
非鉄金属
-9
-21
-3
 
電気機械
9
-12
7
 
生産用機械
31
-9
22
 
  
15
1
4
 
   
21
-3
20
 
  
11
-14
13
 
運輸・郵便
12
-8
9
 
対個人サービス
33
-4
31
 
電気・ガス
7
-3
5
 
  
46
4
36
 
  
17
-4
14