米軍普天間飛行場(宜野湾市)の早期運用停止に向け10日、沖縄県と宜野湾市とでつくる「普天間飛行場負担軽減推進会議」を首相官邸で開き、玉城デニー知事は、普天間の運用停止と危険性除去に向け、3~6カ月の期間を設定し協議の場を設けるよう政府に申し入れました。
両首長が出席する本会議は2016年7月以来、約2年9カ月ぶりで、菅義偉官房長官、岩屋防衛相と玉城デニー知事、松川正則市長らが出席しました。以前は安倍首相も出席しましたが今回は出ませんでした。
政府側から協議の要望に対する直接的な返答はなく、新たな目標期限の設定については杉田和博官房副長官が「事務方でもしっかり詰めていく」と応じたということです。
一方 琉球新報によれば、米海兵隊は9日までに作成した2019年航空計画で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設事業を削除し、普天間飛行場を2028米会計年度(27年10月~28年9月)まで使用し続ける計画を盛り込み、同飛行場の改修計画も記載しました。辺野古の新基地建設で軟弱地盤の対応に約5年かかることが判明したことなどが影響しているとみられます。
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米軍普天間飛行場の運用停止 新たな期限設定へ協議
国、沖縄県、宜野湾市が会議 2年9カ月ぶり
沖縄タイムス 2019年4月10日
政府と沖縄県、宜野湾市は10日、首相官邸で米軍普天間飛行場の負担軽減推進会議を開き、2月末で期限が切れた普天間の「5年以内の運用停止」に変わる新たな目標期限について、作業部会で議論していくことを確認した。
菅義偉官房長官と玉城デニー知事、松川正則市長らが出席した。両首長が出席する本会議は2016年7月以来、約2年9カ月ぶりで、玉城県政、松川市政では初めて。
玉城知事は会合後、記者団に「普天間の運用停止は辺野古の工事と切り離して実施するべきだ」との認識を示し、政府に3カ月から半年間の協議を求めたと説明。「辺野古反対という県民投票の結果を踏まえて、普天間基地の1日も早い危険性の除去に真摯に取り組んでいただきたい」と述べた。
松川市長は新たな目標期限の設定について「市民の不安を取り除くためにも、ぜひお願いしたい」と要望。「きょうを新たなスタートとして、負担軽減にしっかり取り組んでいただきたい」と話した。
政府側から協議の要望に対する直接的な返答はなく、新たな目標期限の設定については杉田和博官房副長官が「事務方でもしっかり詰めていく」と応じたという。
玉城知事「3~6カ月期間」 普天間問題で協議要請
東京新聞 2019年4月10日
政府は十日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の早期運用停止に向け、県と宜野湾市とでつくる「普天間飛行場負担軽減推進会議」を首相官邸で開いた。玉城(たまき)デニー知事は、普天間の運用停止と危険性除去に向け、三~六カ月の期間を設定し協議の場を設けるよう政府に申し入れた。
推進会議の開催は二〇一六年七月以来、約三年ぶりで、玉城氏が昨年十月に知事就任後は初めて。負担軽減と危険性除去などについて、既に設置されている作業部会で協議を継続することで一致した。
菅義偉(すがよしひで)官房長官や岩屋毅防衛相ら関係閣僚と、松川正則宜野湾市長らが出席。松川氏は、一四年二月を起点に五年以内とされる普天間の運用停止期限が過ぎたことについて、新たな期限を設定するよう求めた。岩屋氏は、国と県が共通認識を持つことが大事だと指摘した上で「一日も早い普天間の全面返還実現のため、全力で取り組みたい」と応じた。
菅氏は会議後の記者会見で「今後、沖縄県や宜野湾市と意見交換をしながら負担軽減を進めていきたい」と述べた。
推進会議は普天間の早期運用停止を目指す目的で一四年二月に初会合が開催され、過去には安倍晋三首相も出席した。
辺野古移設に反対の立場だった故翁長雄志(おながたけし)前知事が出席した一六年七月の四回目の会合以降、開かれていなかった。
普天間 28年度まで使用 海兵隊航空計画に明記
琉球新報 2019年4月10日
米海兵隊は9日までに作成した2019年航空計画で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設事業を削除し、普天間飛行場を28米会計年度(27年10月~28年9月)まで使用し続ける計画を盛り込んだ。同飛行場の改修計画も記載した。辺野古の新基地建設で軟弱地盤の対応に約5年かかることが判明したことなどが影響しているとみられる。
米海兵隊は18年に公表した航空計画までは建設計画に「普天間代替施設」を明記していた。19年発行の資料には記載されていない。一方、固定翼型の作戦支援輸送について計画表で、普天間飛行場に輸送機のUC35D3機とUC12W1機を配備し続ける予定を記載した。普天間飛行場の改修予定として滑走路両端のオーバーラン(過走帯)改修や大山ゲートの改良などを挙げている。
在沖米海兵隊の移転に関する施設建設が予定されているグアムのアンダーセン基地の改修事業も18年航空計画に盛り込まれていたが、19年版ではなくなった。
沖縄防衛局は航空計画について「内容が随時変更され得ることを前提に米海兵隊が内部の報告用資料として作成したものだ。米国防省の公式な立場を反映したものではない」と説明した。その上で「地盤改良工事の追加で作業には一定の期間を要するが、より合理的な設計・施工を検討して早期に辺野古への移設と普天間飛行場の返還を実現したい」と述べた。