2019年4月7日日曜日

07- エクアドルが 大使館にいるアッサンジを英国当局へ引き渡すと

 内部告発や漏洩された情報を伝えるウェブサイトウィキリークス」(2006年創設)の編集長であったジュリアン・アッサンジ氏は、米国が最も秘匿しておきたかった外交上の秘密事項や対外的謀略、戦争犯罪に類するものなどを大々的に公開し、世界を驚愕させました。
 ところがスウェーデン滞在中に、性的暴行という不可解な嫌疑をかけられて、現在はエクアドルの在英大使館内にかくまわれた状態になっています。
 当時のエクアドル大統領はアメリカからの自立を目指した人でしたが、現在はアメリカ寄りのレニン・モレノに代わり、昨年7月、モレノ大統領はアッサンジは大使館から出るべきだと語りました。
 それが遂にエクアドル側が、ジュリアン・アッサンジが数日以内に逮捕される可能性があると発表する事態になりました。
 櫻井ジャーナルの記事を紹介します。
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エクアドル政府が 同国の大使館にいるアッサンジを 英国当局へ引き渡すとの情報  
櫻井ジャーナル 2019年4月5日
 ウィキリークスは4月4日、エクアドル政府高官からの情報として、同国のロンドン大使館から外へ出られない状態になっているジュリアン・アッサンジが数日以内に逮捕される可能性があると発表した。
 
 アメリカの権力グループは世界の富と情報を独占しようとしている。それが支配の基盤だからだが、ウィキリークスは彼らが隠していた自分たちにとって都合の悪い情報を外部へ公表してきた。自分たちの支配に刃向かうグループであり、弾圧の対象だ。
 
 現在のエクアドル大統領、レニン・モレノは昨年(2018年)7月、アッサンジは大使館から出るべきだと語っている。アメリカ政府の意向を受けての発言だったのだろう。米英支配層の手先として活動しているIMFもアッサンジを追い出すように圧力をかけているという。アメリカから自立しようとしていた前の大統領、ラファエル・コレアとモレノは立場が違う。
 
 モレノの発言は反発を招いたが、アメリカ支配層はアッサンジの拘束を諦めていないようだ。アメリカ主導軍のイラクにおける残虐行為などを明らかにする情報をウィキリークスへ渡しブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵は3月8日に再び収監されている。支配勢力側の違法行為には寛容だが、被支配勢力側の告発は厳しく取り締まるのがアメリカだ。
 
 そのほかの内部告発者、例えば電磁情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーは家宅捜索を受けた程度で済んだが、CIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーは准将から大佐へ降格になり、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を組織内部で警告したジェフリー・スターリング、あるいはCIAの拷問を告発したCIAの元分析官ジョン・キリアクは懲役刑になった。NSAの監視システムを具体的に明らかにしたエドワード・スノーデンはロシアへ逃げ込まざるをえなかった
 
 3月19日にはアメリカ政府が身柄引き渡しに利用する航空機がロンドンへ飛来、その日からしばらくの期間、ジュリアンの母親であるクリスティーヌのツイッター・アカウントの使用が制限されたという。