国民健康保険料・税の滞納世帯への財産差し押さえが、2017年度は34万9千件にのぼりました。驚くべき数字です。
国保加入者は17年度末時点で2870万人で、非正規雇用の労働者や退職後の高齢者が大半、1世帯あたりの所得は僅かに年109万4千円です。それなのに国保料は高騰し続け、高い市町村では所得の2割を超えています。
滞納者からの正規保険証の取り上げは92万件を超え、急場しのぎの「短期保険証」の交付数は75万余世帯、医療費を窓口で一旦10割払う「資格証」の交付数は17万余世帯に達しています。
窓口で一旦10割払える能力があればそもそも国保料の滞納はしません。このいじめのような方式は一体誰が考えたのでしょうか。
家計が苦しくて受診を我慢せざるをえず重症化・死亡する事例が全国で相次ぐという、まるで国保制度のない米国のような状況が生まれています。
無駄な米国兵器の爆買いや軍備費の拡充に湯水のように使う金があるのなら、その少しをこちらに回して、こんな非情なシステムは止めるべきです。
しんぶん赤旗の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
国保滞納差し押さえ34.9万件 17年度 安倍政権推進 共産党は反対
しんぶん赤旗 2019年4月14日
国民健康保険料・税の滞納世帯への財産差し押さえが、2017年度は34万9千件にのぼったことが13日までに厚生労働省の調べで分かりました。そもそも国保料が高すぎるから支払えないのに、05年に国が自治体に取り立て強化を指示して以降、06年度から差し押さえ件数は3倍に激増しています。(グラフ)
国保加入者は、17年度末時点で国民の4人に1人にあたる2870万人で、非正規雇用の労働者や退職後の高齢者が大半を占めます。加入者の貧困化で1世帯あたりの所得は年109万4千円(17年度、課税標準額)しかないのに国保料は高騰し続け、高い市町村では所得の2割を超えています。
滞納者からの正規保険証の取り上げは、国民的な批判が高まって減少傾向ですが、92万件を超えています。有効期間が短い「短期保険証」の交付数は75万3千世帯(18年6月現在)。医療費が窓口でいったん10割負担になる「資格証」の交付数は17万1千世帯(同)でした。家計が苦しくて受診を我慢せざるをえず重症化・死亡する事例が全国で相次いでいます。
さらに安倍政権は、滞納世帯に対し強権的な差し押さえ強化を推進。国保財政の運営責任を市町村から都道府県に移す「都道府県化」の18年度実施で、国保料アップにつながる公費削減や、取り立て強化を進めた自治体に予算を重点配分する仕組みを導入しています。
これに対して日本共産党は、生活困窮の滞納者をさらなる貧困に突き落とす強権的差し押さえや保険証取り上げはやめるべきだと主張。全国知事会が求めた1兆円の公費投入による高すぎる国保料の大幅値下げこそが必要だと訴えています。