2019年4月8日月曜日

<税を追う> 辺野古警備の入札が非公開に(東京新聞)

 沖縄タイムスは3日、辺野古の新基地建設現場の海上警備に当たっているセントラル警備保障が、朝礼時に呼気からアルコールが検出された警備員をそのまま乗船させた事例が複数あったと報じました。それに付随して飲酒状態で車を運転して出勤する例も生じています。弛緩しているとしか言えませんが、社内規律は一体どうなっているのでしょうか。
 
 東京新聞が<税を追う>のシリーズの中で、辺野古の海上警備業務を請け負っている業者の問題を取り上げました。
 
 検査院は1711月、1516年度に契約した3件の海上警備業務で、沖縄防衛局が業者に18百万円を過大に支払っていたと指摘しました。
 警備社は14年にも、辺野古の準備工事を受注した大手ゼネコンから海上警備を委託された際、7億円を過大請求していました
 3年前に沖縄タイムスが「警備費は12千万円」と報じると、沖縄防衛局はひそかに警備業務の入札内容を非公開に切り替えました。
 
 隠せば済むという問題ではありません。税金はここでも好きなように浪費されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<税を追う> 辺野古警備入札非公開 いわく付き案件にふた
東京新聞 2019年4月7日
 防衛省が非公開にしたのは「いわく付き」の入札情報だった。沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設工事で、地元紙の沖縄タイムスが三年前に「警備費は一日二千万円」と報じると、沖縄防衛局はひそかに警備業務の入札内容を非公開に切り替えていた。識者は「臭い物にふたをするような行為だ」と問題視する。(中沢誠)
 
「報道をきっかけに公開していたことが分かり、局内で問題になった」
 防衛局の担当者は入札内容の公開を取りやめた経緯を明かした。「担当者の認識が誤っていた」との立場だ。
 二〇一五年度からの四年間で二百六十億円に上る辺野古の民間警備では、不透明な契約が指摘されていた。ある防衛省関係者は「いわく付きの案件。公開すると突かれて面倒くさいからだろう」と推し量る。
 
 会計検査院が辺野古の警備業務を洗い出したのは、沖縄タイムスの報道から半年後のことだった。
 検査院は一七年十一月、防衛局に対し、一五~一六年度に契約した三件の海上警備業務で、業者に一億八千八百万円を過大に支払っていたと指摘。防衛局は国が定めた単価ではなく、受注業者の「言い値」で発注額を積算していた。
 三件とも東京都渋谷区の警備会社の一社入札で、落札率は98~99%。同社は一四年にも、辺野古の準備工事を受注した大手ゼネコンから海上警備を委託された際、七億円を過大請求していた。防衛省は不正を把握しながら、同社に警備業務を発注し続けていた。
 
 防衛局は一五年度まで、警備業務についても入札参加業者名や各社の入札額、業務内容を明記した「入札・契約状況調書」をホームページ(HP)や窓口で公開していた。
 契約額や発注先、落札率といった入札結果の概要は今もHPで分かるが、入札参加業者や入札額が非公開となったため、一社入札かどうかまでは分からない。
 
 防衛省が非公開に切り替えた根拠とする「入札契約適正化法」は、公共工事の発注者に入札・契約の情報の公表を定めている。対象は工事だが、国土交通省建設業課の担当者は「『工事以外は公開してはいけない』とまでは規制していない」という。都では、警備のような役務の入札結果をHPで公開している。
 そもそも適正化法は相次ぐ談合事件を受け、入札や契約の手続きを透明化しようと法制化されたものだ。
 防衛省の公正入札調査会議の会長を務めた郷原信郎弁護士は「不透明だと指摘されていたのだから、むしろ積極的に公開して透明化を図らないといけないようなケース。法令上、公開の義務付けがないといっても、税金を使った公共調達の透明化の点からすれば不適切だ」と批判する。