2019年4月15日月曜日

関西地区生コン支部労組役員を釈放直前に再逮捕

 4月11日、全日本建設運輸連帯労組 関西地区生コン支部建一執行委員長湯川裕司副委員長の2は、滋賀県警によって「恐喝」容疑で三たび逮捕されました。容疑の詳細は明らかでありませんが、以下に紹介する労組の抗議声明のなかで、想定される内容として触れられています。
 
 滋賀県警や大阪府警は昨年8月以降、同支部の正当なストライキを「威力業務妨害」、建設現場の法令違反を告発するコンライアンス法令遵守活動なの産業政策運動を「恐喝未遂」、さらにはラまきま「威力業務妨害」として、競い合って不当逮捕をくりかえし、これまで何と延べ56人を逮捕し42人を起訴しました。警察・検察は「関生支部をつぶす」と公言しているということです。
 あまりにも異常で、全日建労組は、警察・検察・裁判所一体となっ労働者・労働組合の労働基本権へのあらかさま挑戦である、と批判しています。
 
 11日に逮捕された2人は8ヵ月の勾留を経て釈放される寸前にまた逮捕されたのでした。日本の検察による「人質司法」の典型です。
 
 鎌田慧(ルポライター)、佐高信(評論家)ほか弁護士などが呼びかけ人となって、「関西生コンを支援する会」(仮称)の結成総会が15日に開かれるということです。
 
 レイバーネットの記事を紹介します。
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武委員長と湯川副委員長が三たび逮捕される!〜全日建労組が抗議声明
レイバーネット 2019年4月14日
(前 略)
 4月11日午後、武委員長と湯川副委員長のふたりが三たび逮捕されました。もうじき保釈が可能、週明けには関西生コンを支援する会結成というタイミングでの暴挙です。しかも、被疑事実は「恐喝」というのですが、どうみてもこれはえん罪。以下の抗議声明を出しました。ご一読ください。(全日建)
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 2019年4月12日
全日本建設運輸連帯労働組合         中央執行委員長 菊池 
全日本建設運輸連帯労働組合 近畿地方本部    執行委員長 垣沼陽輔
全日本建設運輸連帯労働組合 関西地区生コン支部 執行委員長  建一
 
 4月11日、滋賀県警組織犯罪対策課、関西地区生コン支部の武建一委員長と湯川裕司副委員長の2人を「恐喝」容疑逮捕するという、あらたな権力弾圧事件おきた。
 
 被疑事実は現時点は明らかはない。だが、ふたり逮捕されたのは昨日の昼前後なのに、か産経新聞はいち早く同日の朝刊「関生支部トッ再逮捕へ」と大きく報ていた。この間の一連の弾圧事件報道そうあったように警察同紙にけ事前リークしたのろう。それによると「工事現場の嫌らせ行為をやめる見返りとして、滋賀県内の生コンクリートの販売会社から2015年5月に現金1千万円を脅し取った」とされていて、それ警察描く事件のストーリーのようある。
 
 しかし、それ被疑事実というのなら、まったくおかしな話ある。当時、関生支部は運動のあらたな砦として会館建設を計画し、その資金カンをよかけていた。そして、組合員はもとより、共闘・協力関係にある多くの労働組合や中小企業、市民運動団体などがカンに応てくれた。そうやって2015年12月に竣工したの現在の「学働館」あり、多くの労働組合や市民運動のさままな会合や文化行事なに活用され、地域の拠点としての役割を立派にはたしている。被害者とされる生コン販売会社も、そうした資金カンに応た中小企業の1社なのだが、しかし、同社のカンは、関生支部かけ、それに対して同社たものはなく、同社のほうから提供の申し出あったものなのある。うしてそれ「脅し取った」とか、「嫌らせ行為をやめる見返り」なという話にすり変えられ、逮捕されねならないのあろうか。
 
 滋賀県警や大阪府警は昨年8月以降、ストライキを「威力業務妨害」、建設現場の法令違反を告発するコンライアンス法令遵守活動なの産業政策運動を「恐喝未遂」、さらにはラまきま「威力業務妨害」として、競い合って不当逮捕をくりかえしてきた。ほんらいは罪に問うことなどできるはもない正当な組合活動なのに、それらを、刑事免責を核心とする労働基本権を定めた憲法28条や労働組合法1条2項を無視することによって、ぎに「事件」に仕立て上てきたある。今回の不当逮捕もそれらと同手法による暴挙、しかも事実関係を歪曲したえん罪というほかない。
 
 また、この逮捕劇はふたりとも保釈寸前というタイミングで実行された。ふたりの不当な勾留期間はすに8か月にも及んいる、大津地裁における裁判回を重ね、勾留継続の理由なくなった警察・検察、ともかくふたりを監禁しつけるために強行したものといわるをえない。
 
 さらに、急速な広りをみせした不当弾圧許すなの運動に冷や水を浴せるねらいもあるろう。いま権力弾圧の標的とされているのは全日建関支部ある。しかし、この弾圧は関西という地域の個別の労働組合に対する攻撃というにとまら、警察・検察・裁判所一体となった労働者・労働組合の労働基本権へのあらかさまな挑戦あり、「共謀罪のリハーサル」ともいうき危険な側面をもっている。そんな認識と怒りの声、この間、全国各地の労働組合、市民運動、議員、政党なに急速に広りつつある。そして、週明けの4月15日には、著名人のよかけ、いよいよ全国規模の支援組織結成される。こうした運動の拡大を阻止するために、ともかく関生支部の信用を貶めたいというの滋賀県警の目的にちいない。
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 現在、昨年8月からつ56人もの大量逮捕と42人もの起訴によって、大別すると、①湖東協組事件大津地裁、②大津協組事件大津地裁、③宇部三菱大阪港SS・中央大阪生コン事件大阪地裁の3つの刑事事件進行中ある。①と②は関生支部の産業政策活動これにともなうラまきを恐喝未遂や威力業務妨害とした事件、③は賃上原資の運賃引き上の約束を守れと要求したストライキを威力業務妨害とした事件ある。わかりにくいのは、滋賀県警・大津地検・大津地裁ひとつの事件を細切れにして逮捕起訴新たな逮捕起訴と異様な弾圧を重ねており、大阪府警・大阪地検・大阪地裁も3回にわけて逮捕起訴をくりかえしてきたことから、非常に複雑な訴訟係属になっているため、同証人何度も何度もくり返し尋問されるということになっているという点ある。
 
 その結果、来月5月~7月はめにかけて、大津地裁13回、大阪地裁6回、わか2か月間でじつに19回もの刑事裁判の公判日程組まれている。
     (中 略)
 このほかにも弾圧の発端となった大阪広域生コン協組による大量の不当労働行為関生支部の組合員には仕事をさせないに対する不当労働行為救済申立事件などが20件以上もある。
 
 こうした日程をみれ、この権力弾圧がどけ過酷な攻撃あるか、組合と組合員、そして担当弁護団がどれほ打撃を受けているか一目瞭然わかるあろう。もはや権力と資本一体となった集団リンチの様相を呈しているといっても過言はない。
 
 しかし、われわれ膝を折ることは決してない。われわれは、各地の力強い支援の動きに励まされつつ、一刻も早く仲間を取り戻すために組織の総力をある決意をあらためて表明するものある。                          
以上
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「関西生コンを支援する会」(仮称)結成総会のご案内
 
 ご承知のとおり、全日建関西地区生コン支部に近年まれにみる規模の権力弾圧が仕掛けられています。ストライキやビラまきなど当たり前の組合活動が「威力業務妨害」「恐喝」などとされ、昨年8月から毎月のように不当逮捕がつづき、逮捕者はすでにのべ56人にものぼります。武建一支部委員長ら役員の勾留期間は8か月となり、警察・検察は「関生支部をつぶす」と公言しています。
 
 この不当弾圧の本質は、労働組合の団体行動権について刑事免責を明記した憲法28条と労組法1条2項に対する重大な挑戦だという点にあります。同時に、「共謀罪のリハーサル」ともいうべき質をもつ弾圧とのたたかいであり、個別の労働組合に対する支援にとどまらず、労働運動全体の権利にかかわるたたかいと位置づけて運動を広げる必要があります。
 
 私たちはそうした観点から、このたたかいを全面支援する組織として、「関西生コンに対する不当弾圧とのたたかいを支援する会」(略称・関西生コンを支援する会。仮称)を下記のとおり結成することにしました。ご多忙とは存じますが、万障お繰り合わせのうえご参集くださいますようご案内いたします。
2019年4月
           よびかけ人
鎌田慧(ルポライター)、佐高信(評論家)、宮里邦雄(弁
護士)、海渡雄一(弁護士)、内田雅敏(弁護士)、藤本泰
平和フォーラム共同代表、菊池進(全日建委員長)  
 
日時 4月15日(月)11:00~12:00
会場 参議院議員会館B107号会議室
 
(後 略)