2019年4月5日金曜日

安倍首相が日米貿易会合を急ぐ理由

 2月に予定された日米貿易交渉は日本側の要求で4月に延期されましたが、開始される雰囲気はありません。天木直人氏によれば、その理由は米国が中国との交渉を優先しているもののその貿易交渉手間取っているためということで、米中交渉は今年前半には終わりそうもないということです
 
 それ自体は、日米の実質的FTA交渉で強烈な要求が出される時期が延期されることで喜ばしいことなのに、なんと安倍首相はそれを4月中旬に始めようと段取りしたということです。
 その理由は単純明解で、安倍首相が訪米してトランプ大統領と会談するときに、強烈な要求を出されて丸呑みする姿を国民に見られたくないので、その前に茂木が行って、安倍首相に難題を押しつけて恥をかかせないように、と頼むためというものです。そのためには当然「裏で何でも取引する(要求を受け入れる)」と伝えることになります。
 
 何のことはない「自分がいい顔をする」ためには、国益なんかはどうでもいいということです。
 そもそも「ウソつき」は、自分を飾ることと表裏一体のものです。「ウソつき」が必死に国益を守るということはあり得ないことです。
 
 天木直人氏の指摘は真実と思われます。
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日本が日米貿易会合を急ぐ理由
天木直人のブログ2019-04-04
 日米の貿易交渉がいつまでたっても始まらない。
 その理由は、米国が中国との交渉を優先しているからだ。
 そして米中の貿易交渉は手間取っている。
 このままいけば今年前半には終わりそうもない。
 
 本来ならば、日本はこの米中貿易交渉の遅れは好都合のはずだ。
 なぜなら米国が中国との交渉に手間取っている限り、日本への不当な要求は、猶予されるからだ。
 ところが、日本の方からはやく日米貿易交渉を始めようとしている。
 きのうの各紙が書いた。
 茂木経済再生相が訪米し、4月15,6日に日米貿易初会合が開かれると。
 無理難題を押しつけられる事がわかっているのに、なぜ日本の方から交渉を始めたいと言い出すのだろう。
 
 答えは簡単だ。
 安倍首相が訪米してトランプ大統領と会談するからだ。
 その前に茂木大臣が行って、安倍首相に恥をかかせないように、難題を押しつけないように、よろしく、というわけだ。
 その代わり、裏で何でも取引する、と伝えるためだ
 
 そしてもう一つある。
 6月には安倍首相が東京でG20をホストする。
 だからG20がうまく行くように、それまでに米中交渉をまとめてくれ、それまでに、日米交渉も終わらせたい。
 間違っても、話し合いがまとまらず、非難の応酬のようにはしないでくれ、来るべきG20は議長役の安倍首相の功績で、保護主義を克服し、自由貿易の原則で一致した、と高らかに宣言させてくれ、間違っても、この前のように決裂させないでくれ。
 
 そう頼み込むために茂木大臣はワシントンに行くのだ。
 交渉に行くのではない。
 シナリオを打ち合わせに行くのだ。
 茂木大臣の得意とするところである(了