2019年4月17日水曜日

ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける事実を仏紙が報道

 LITERAが、「ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける新事実!  」とする記事を出しました。
 もともと日産と三菱自動車、ルノーの間にはずっと経営統合の計画がくすぶっており、ルノーの筆頭株主である仏政府3社を全面的に統合し、日産や三菱もフランスに移転させるという計画を持っていました。
 ゴーン氏はそれに異を唱えていたのですが。昨年2月にルノーCEOの続投が決まると一転、日産とルノーの機能統合の拡大に着手しました。その豹変に驚いた経産省経産省の大物OB・豊田正和氏を昨年6月、社外取締役に送り込みました。
 仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)が14日、昨年45当時関係者のメール日本の経産省から書簡も入っていたとして、経産省が日産とルノーの経営統合案を阻止するため介入していたことを報じまし
 
 いうまでもなく国益を守ることは最重要なので、そのために国は国で外交的に、民間は民間で当該の組織内において努力をすべきです。
 もしもそこに犯罪があるのであればそれは粛々と捜査すれば良いことで、国が検察という国家権力を使って民事に介入することは避けなくてはいけません。
 また検察が国のトップの意向だからと、シャカリキにゴーン氏を有罪に追い込むことを目指して、違法な「人質司法」の手法を用いるなどは論外で見苦しい限りです。
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ゴーン逮捕“国策捜査説”を裏付ける新事実!
経産省の日産・ルノー経営統合問題への介入示すメールを仏紙が報道
LITERA 2019年4月16日
 先日も保釈中に異例の再逮捕されるなど日産自動車元会長カルロス・ゴーン氏をめぐり検察の強引な捜査が続くなか、一連のゴーン事件の背景に日本政府が関与している可能性が濃厚になってきた。
 
 仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(JDD)が14日、関係者のメールから、経産省が日産とルノーの経営統合案を阻止するため介入していたことを報じたのだ。
 同紙が報じたのは、2018年4〜5月に当時の日産幹部とゴーン氏との間で交わされたメール。同年4月23日に日産の専務執行役員であるハリ・ナダ氏からゴーン氏に送られたメールには、仏国家出資庁長官でルノー取締役のマルタン・ビアル氏らとの会合が言及されていた。これはルノーとの経営統合をめぐって日産と仏政府とで行われた協議内容の報告だが、そこにはビアル氏が日本の経産省から書簡を受け取っていたとの内容が含まれていたという。
 
 さらに、5月21日に別の日産幹部がゴーン氏や西川広人社長に送ったメールには、経産省が用意したという「覚書案」が添付されており、「両者の提携強化は日産の経営自主性を尊重することによってなされること」などと示されていたという。ようするに、JDDの報道が事実であれば、安倍政権はゴーン氏逮捕以前から日産とルノーの経営統合を阻止するように直接介入していたということになる。
 安倍首相はゴーン氏が逮捕された直後の昨年12月、マクロン仏大統領との会談のなかで、日産と三菱自動車、ルノーの3社連合に関して「民間の当事者で決めるべきで、政府が関与するものではない」と伝えたとされるが、やはりウソ八百だったのか。
 となれば、本サイトでは以前から伝えてきたように、一連のゴーン氏逮捕は「日産と三菱自動車の海外移転を阻止するための国策捜査」であるとの説も、さらに信憑性を増してきたといえるだろう。
 
 念のため振り返っておくが、そもそも日産と三菱自動車、ルノーの間にはずっと経営統合の計画がくすぶっていた。これは、ルノーの筆頭株主である仏政府が3社を全面的に統合し、日産や三菱もフランスに移転させるという計画だ。そんななか、仏政府と対立しながらこれに異を唱えていたのがゴーン氏だったのだが、昨年2月にルノーCEOの続投が決まると一転、メディアに対して「すべての選択肢が考えられる」と公言。同年3月、すぐさま日産とルノーの機能統合の拡大に着手したように、ゴーン氏は経営一体化を進めたいフランス政府の“名代”さながらに振舞い始めた。
 
 この流れに強い危機感を覚えたのが経産省だったというわけだ。そして同じ年の6月、日本版の司法取引制度が導入される。ここから経営統合を阻むため、“安倍経産省政権”とも言われる日本政府と、そのグリーンサイン青信号?を察知した東京地検特捜部、一部の日産幹部とがグルになってゴーン氏だけを狙い撃ちした──これが、永田町周辺で囁かれていた“国策捜査説”のストーリーだった。
 言っておくが「陰謀論」ではない。事実、ゴーン氏は昨年11月に3社連合の経営統合案を本格協議する予定だったとされており、結果、来日の瞬間に逮捕されたことによって“ゴーン案”は頓挫したわけだが、本サイトも何度も指摘してきたように、その逮捕劇の裏側には安倍官邸と“経産省人脈”がちらついていた。
 
日産クーデターのキーマンたちと安倍官邸のただならぬ関係
 そのひとつが、日産内部の極秘調査チームの中心人物であると様々なメディアで名指しされている専務執行役員の川口均氏。川口氏は菅義偉官房長官と近い関係にあるといわれており、その間、菅官房長官に逐一報告をあげて相談していたとの見方がある。
 
 さらにもうひとり、安倍政権と「日産のクーデター」を結びつけるキーマンとして取り沙汰されたのが、昨年6月に日産の社外取締役に就任した経産省OBの豊田正和氏だ。もともと、日産は経産省の有力な天下り先だったのだが、ゴーン体制になって以降、長らく同省からの天下りを受け入れてこなかった。そんなか、突如として送り込まれたのが、事務次官に次ぐNo.2である経済産業審議官や内閣官房参与なども歴任した豊田氏。安倍首相の側近中の側近で、やはり経産省出身の今井尚哉首相秘書官とも近い関係にあるといわれる。
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 そうしたことから、日産を取材する記者たちの間では、この豊田氏こそ「ルノーとの統合や海外移転を阻止するために、経産省が送り込んだ人物」ではないかとの見方が広がったのだ。実際、ゴーン逮捕以降、豊田氏は社外取締役という立場であるにもかかわらず、新聞記者が取材に押しかけており、元朝日新聞編集員の山田厚史氏によれば〈今や「夜の広報担当」といった存在〉(ダイヤモンド・オンライン2018年12月11日)になっていたという。
 
 今回、JDD仏紙が報じたメールのやりとりは、国策捜査説の背後にある安倍官邸と経産省の策謀を裏づける証拠となるだろう。前述したとおり、経産省の介入を示すメールがあったのは、ゴーン氏が統合機能強化に乗り出した直後の4月から5月。ゴーン氏の“豹変”を目の当たりにした経産省が血相を変え、仏政府と日産へ強引に迫っていたことが想像できる。そして、その後すぐに経産省の大物OB・豊田氏が社外取締役として日産に向かい入れられていたのだ。これが偶然などということがあるのだろうか。
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 こうした状況を踏まえると、安倍政権はかなり綿密に“ゴーン潰し”の計画を練り、着々と実行に移してきたとしか思えないのである。いずれにしても、ゴーン事件は単なる企業内闘争ではない。安倍政権が直接介入するなど、そこには政治権力が蠢いている。その結果もたらされたのが、強引に繰り返されるゴーン氏の逮捕と拘留だ。巨大な政治的思惑によって、簡単に人間から自由が奪われる様には慄然とせざるを得ない。 (編集部)