ピエール瀧氏の事件でも顕著でしたが、俳優やミュージシャンらの逮捕・起訴を受けて、彼らの出演作品を公開中止などにすることが「当然のように」行われています。
一部の強烈な批判勢力に辟易して映画の配給会社、テレビ局、レコード会社などが「自主規制」するのは過剰防衛で、結果として表現者たちの作品発表の場を奪い、表現の自由をも奪うものです。
日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は15日、「作品に罪はない」として、関係企業に対し「事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願う」と訴えました。
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逮捕で出演作封印 「作品に罪はない」日本ペンクラブが声明
毎日新聞 2019年4月15日
俳優やミュージシャンらの逮捕・起訴を受け、彼らの出演作品の公開中止やCDなどの出荷停止が相次ぐ中、日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は15日、「作品に罪はない」とする声明を発表した。
声明は、こうした「作品が封印される事態」について、映画の配給会社、テレビ局、レコード会社などの「自主規制によるもの」と指摘。「結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている」とした上で、関係企業に対し「事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願う」と訴えている。(共同)
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声 明
近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕・起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている。公開予定の映画の上映中止、公演の中止、テレビの放映中止、CDやDVDの出荷停止、音源・映像のデジタル配信停止などが当たり前のごとく行われている。
いずれも映画の配給会社、テレビ局、興業会社、レコード会社等々による自主規制によるものだ。結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮するものである。
こうしたさまざまな自主規制に対しては、音楽家や演出家、映画監督、作家などから「作品に罪はない」「作品と俳優は別人格」という声が聞かれた。文化の担い手でもある関係各企業はこのような声に真摯(しんし)に耳を傾け、事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願うものである。
2019年4月15日
日本ペンクラブ
会長 吉岡忍
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