2019年4月17日水曜日

17- 「作品に罪はない」 日本ペンクラブが声明

 ピエール瀧氏の事件でも顕著でしたが、俳優やミュージシャンらの逮捕・起訴を受け、彼らの出演作品公開中止などにすることが「当然のように」行われています。
 一部の強烈な批判勢力に辟易して映画の配給会社、テレビ局、レコード会社など「自主規制」するのは過剰防衛で、結果として表現者たち作品発表の場を奪表現の自由をも奪うものです。
 
 日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は15日、「作品に罪はない」として、関係企業に対し「事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願う」と訴えました
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逮捕で出演作封印 「作品に罪はない」日本ペンクラブが声明
毎日新聞 2019年4月15日
 俳優やミュージシャンらの逮捕・起訴を受け、彼らの出演作品の公開中止やCDなどの出荷停止が相次ぐ中、日本ペンクラブ(吉岡忍会長)は15日、「作品に罪はない」とする声明を発表した。 
 
 声明は、こうした「作品が封印される事態」について、映画の配給会社、テレビ局、レコード会社などの「自主規制によるもの」と指摘。「結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている」とした上で、関係企業に対し「事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願う」と訴えている。(共同)
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 声  明
 
 近年、芸能人やミュージシャンをはじめとする表現者が逮捕・起訴されるたびに、その作品が封印される事態が繰り返されている。公開予定の映画の上映中止、公演の中止、テレビの放映中止、CDやDVDの出荷停止、音源・映像のデジタル配信停止などが当たり前のごとく行われている。 
 いずれも映画の配給会社、テレビ局、興業会社、レコード会社等々による自主規制によるものだ。結果として表現者たちは作品の発表の場を奪われ、表現の自由が侵されている。このような風潮を、表現者の集まりである日本ペンクラブは深く憂慮するものである。 
 こうしたさまざまな自主規制に対しては、音楽家や演出家、映画監督、作家などから「作品に罪はない」「作品と俳優は別人格」という声が聞かれた。文化の担い手でもある関係各企業はこのような声に真摯(しんし)に耳を傾け、事なかれ主義の自主規制に走らぬよう切に願うものである。 
2019年4月15日 
日本ペンクラブ 
会長 吉岡忍