2019年4月14日日曜日

伊藤詩織さんに連帯 裁判支援の輪が広がる

 山口敬之氏による性的暴行は、泥酔させた(薬物使用が疑われています)伊藤詩織さんを、本人が拒否したにもかかわらず無理やりホテルに担ぎ込んで行ったもので、卑劣極まるものです。しかも事件を扱った高輪署員らが、逮捕状の発付を受けて山口氏が米国から帰国する15年6月8日成田空港で待ち構えていたところに、警視庁の中村格刑事部長(当時)から異例の中止命令が出され、逮捕を逃れることが出来たでした。
 
 中村氏は第二次安倍政権発足時に菅官房長官の秘書官をつとめ、いまも「菅官房長官の片腕」として知られている警察官僚なので、官邸が中村氏に指示して、山口氏への捜査や逮捕を止めさせたものと推定されています。
「週刊新潮」の取材を受けた中村氏は官邸からの指示は否定しましたが、自分が山口氏の逮捕・捜査を中止させたことは認めました。
 そんな経過から不起訴処分になった山口氏が、伊藤詩織氏に対して総額13000万円の損害賠償と謝罪広告を請求する反訴を出したことがらかになり、周囲を憤激させています。反訴の言い分は信じがたいほど恥知らずなもので、しかも法外な請求額は「スラップ訴訟」そのものであることを示しています。
 
 10日、都内で市民らによる「伊東詩織さんの民事訴訟を支援する会」の発足集会が開かれ、100人を超える人たちが参加しました。
 11日には、大阪市内でやはり詩織さんを支援する#Me Too #With You 4・11緊急行動」が行われ、60人を超える人たちがスタンディングとリレートークを行いました。
 それとは別に、このところ性暴力犯罪の裁判で無罪判決が相次いでいるのに抗議し11日、「性暴力と性暴力判決に抗議するスタンディング」が東京駅前で行われました。
 
 しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
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ジャーナリスト・伊藤詩織さんに連帯 裁判支援の会が発足
民事訴訟での全容解明迫る
しんぶん赤旗 2019年4月12日
 ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBSワシントン支局長の山口敬之氏から性的暴行を受けたとして慰謝料など1000万円の損害賠償を求めた民事訴訟を支援しようと、市民らが10日、東京都内で「伊藤詩織さんの民事裁判を支援する会―オープン・ザ・ブラックボックス」の発足集会を東京都内開き、100人を超える人が参加しました。
 
 世話人の梁(ヤン)澄子さんが会設立の経過を報告し「被害者とともに声を上げ、ブラックボックスをこじ開けよう」とのべ支援を呼びかけました。
 弁護団の村田智子弁護士が民事訴訟の経過を紹介、17年の第1回口頭弁論以降は非公開の弁論準備が続いているとし、早ければ7月にも公開の本人尋問が行われる予定だとのべました。山口氏側から2月、総額1億3000万円の損害賠償と謝罪広告を請求する反訴が提起されたことを明らかにしました。
 
 原告の伊藤詩織さんが発言しました。「刑事事件では嫌疑不十分で不起訴になった。証拠や証言があるのにこれが不十分なのか。不起訴になるとどういう議論がされたのかも分からない。司法の中にブラックボックス、分からないところが多すぎる」と問題提起。「民事裁判では分かってきたことをすべて机の上に並べ明らかにしていきたい」と語りました。また、山口氏側からの反訴について「ショックで苦しい」とのべました。
 
 
詩織さん一人にしない 大阪 民事訴訟支援する行動
しんぶん赤旗 2019年4月13日
 ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBSワシントン支局長の山口敬之氏から性的暴行を受けたとして慰謝料など1000万円の損害賠償を求めた民事訴訟を支援する行動が11日、大阪市内でとりくまれました。梅田ナビオ前の「#Me Too #With You 4・11緊急行動」では、60人を超える人たちがスタンディングとリレートークを行いました
 
 呼びかけたのは「ハルモニたちの『#Me Too』に連帯し、『#With You』の声をあげる市民有志」。10日に東京都内で開かれた伊藤さんの民事裁判を支援する会の発足集会に連帯するものです。
 山口氏が1億3000万円の損害賠償と謝罪広告を求めて反訴するという事態に、「詩織さんを一人にさせない」「私だったかもしれない」と、思い思いのプラカードを持ち寄りました。
 
 SNSで呼びかけを知り、駆けつけたという人など、それぞれが「信じがたい暴挙」「ひどすぎる」など怒りを込めてのリレートークに、通行する人たちの注目を集めました。
 
 
性暴力無罪 許せない 東京 不当判決に400人抗議 たつみ議員参加
しんぶん赤旗 2019年4月13日
 娘と性交し準強制性交の罪に問われた父親に「被害者が抵抗不能な状態だったと認定できない」と無罪判決が言い渡されるなど、性暴力犯罪の裁判で無罪判決が相次いでいるのに抗議し11日、「性暴力と性暴力判決に抗議するスタンディング」が東京駅前で行われました。ツイッターでの行動呼びかけにこたえ「被害者を守らない司法はNO」などのプラカードや花束を持った女性らが続々と駆けつけ、約400人が「性暴力は許さない」と声を上げました。
 
 よびかけ人で作家の北原みのりさんは、相次ぐ無罪判決を批判し「司法を変えていこう」とあいさつしました。作家の雨宮処凛さんや漫画家の田房永子さんをはじめ、女性が次々にマイクをとってスピーチしました。
 小説家の深沢潮さんは「(性暴力被害の裁判をたたかう)伊藤詩織さんや立ち上がっている人を見て、コップのなかにたまった水が表面張力であふれそうになっているのを感じる。もう水をこぼして新しい水に入れ替えなければいけない」と語りました。
 財務次官のセクハラ事件をきっかけに発足したメディアで働く女性ネットワーク代表世話人の林美子さんは「世の中は変えられる。変えていこう」と訴え拍手に包まれました。
 日本共産党のたつみコータロー参院議員が参加しました。
 
 初めて抗議行動に参加した東京都内の女性会社員(29)は、「このままだといいようにされてしまう。行動しないといけない」と話しました。