大阪弁護士会が去年3か月間、勾留されることが決まった人について「試験的」に準抗告(判事や検事の処置に対して取り消しや変更を求めること)という手続きで、審査のやり直しを求める取り組みを行ったところ、大阪地裁で、勾留を許可した裁判官とは別の3人の裁判官が改めて検討した結果、準抗告した36人のうち24人の勾留が取り消されたことが分かりました。3分の2が不法な勾留だったわけです。
検事は何が何でも自白させようとして勾留延長を要求し、判事は、検察の言うとおりにしていれば面倒がないからということで、無批判的にそれを受け入れてきた結果がこのありさまです。
検事が身勝手な面子にこだわり、判事がことなかれ主義に流れてしまっては、被疑者の人権など守りようがありません。
司法に携わる人たちのこの人権意識の希薄さは一体何なのでしょうか。
諸外国の刑事事件の有罪率が70%前後である中で、日本だけは99.9%と突出しています。それはそのまま日本では如何に膨大な冤罪が発生しているかを示すものですが、裁判所も検察もそのことを全く恥じていません。真に異常なことです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大阪地裁 3か月間に24人の勾留取り消し
NHK NEWS WEB 2019年4月17日
犯罪に関わった疑いがあるとして勾留された人たちについて大阪弁護士会が去年、大阪地方裁判所に対して再審査を求める準抗告を行ったところ、3か月間に24人もの勾留が取り消されたことが分かりました。弁護士会は「裁判所が検察の勾留請求をそのまま認めてきた実態が明らかになった」と指摘しています。
容疑者や被告の身柄を拘束しておく勾留は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることなど、要件が厳格に定められていますがおととしの全国の統計では検察の勾留請求を裁判所が許可した割合は96%に上っています。
こうした中、大阪弁護士会は去年、勾留されることが決まった人について準抗告という手続きで審査のやり直しを求める取り組みを3か月間、試験的に行いました。
大阪地方裁判所で、勾留を許可した裁判官とは別の3人の裁判官が改めて検討した結果、準抗告した36人のうち詐欺や窃盗などの疑いが持たれていた24人の勾留が取り消されたことが分かりました。
「必要性がなかった」という理由が最も多く、中には「罪を犯した疑いがない」とか「検察の書類に不備がある」と判断されたケースもあり、少なくとも10人は釈放後に不起訴となったということです。
取り組みを中心的に進めた藤原航弁護士は、「裁判所が本来は厳しい勾留の要件を緩やかに解釈して検察の請求をそのまま認めていた実態が明らかになった」と指摘しています。