2019年4月8日月曜日

08- 安倍首相「令和時代も3本の矢の政策を継続」と!?

 日銀が発表した3ケ月毎の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の業況判断指数(DI)の下落幅は7ポイントと、第二次安倍政権が発足した1212月(9ポイント低下)以来、63カ月ぶりの大きさでした。また5日発表された日銀による生活意識に関する調査(個人4000人対象)によると、1年前と比べて景況感指数(DI)はマイナス192と、前回調査(昨年12月)からさらに49ポイントも低下しました
 
 一方18年度の海外投資家の売越額56兆円と、31年ぶりの高水準となりました。海外も先行きが暗いと見ている訳です。
 当然株価は下がる筈なのですが、日銀がほぼ同額を買い入れることで下支えしました。日銀のETF保有額は2月末で245兆円に達しました。株価の落ち込みを避けるためのこの異常な手法をどこまで続けようとしているのでしょうか。
 
 惧れなくてはならないのは大不況の到来です。いずれ始まる日米FTA交渉では、トランプ政権が「為替条項」など無理難題を日本側に要求してくることが予想され、そうなれば景気はますます悪化します。それなのに安倍政権は19年度予算で52兆円という空前の軍事費を計上し、消費増税10%も予定しています。一体何を考えているのでしょうか。
 
 安倍首相は、4日の参院予算委で「平成から令和時代へ、今後も『3本の矢』の政策を継続することでデフレ脱却を果たす」と述べました。大いにずれています。日刊ゲンダイは「寝言」のタイトルをつけて報じました。
 
 日刊ゲンダイの「~ 安倍首相の地元でムダな公共事業が常態化」の記事も併せて紹介します。
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景況感は大幅悪化 安倍首相「令和でも3本の矢継続」の寝言
日刊ゲンダイ 2019年4月6日
「平成から令和時代へ、今後も『3本の矢』の政策を継続することでデフレ脱却を果たす」
 参院決算委でこう訴えた安倍首相。新元号とデフレがどう関係するのかサッパリ分からないが、庶民はそんな安倍首相の大ウソをとっくに見抜いている。
 
 日銀が5日発表した3月の生活意識に関する調査によると、1年前と比べて景況感が「良くなった」と答えた割合から「悪くなった」の割合を引いた景況感DI(指数)はマイナス19.2と、前回調査(昨年12月)から4.9ポイントも低下。悪化は3期連続で、DIの水準は2016年12月以来、2年3カ月ぶりの低さとなった。
 
 一方、日経新聞によると、18年度の海外投資家の売越額は5.6兆円と、31年ぶりの高水準となり、日銀がほぼ同額(5・6兆円)を買い入れて「相殺」していたという。外国人投資家は日本のハリボテ景気をとっくに見抜いていたワケだ。
 
 さらに、近く始まる日米FTA交渉では、トランプ政権が「為替条項」などを突き付け、それこそ「1ドル50円にしろ」といった無理難題を日本側に要求してくることが予想されているから、景況感の悪化はますます進むだろう。それなのに安倍政権は19年度予算で5・2兆円という過去最高の軍事費を計上し、消費増税10%も予定しているからマトモじゃない。
 新元号で景気回復なんて寝言を言っているのは政府だけ。この先、庶民を待ち受けているのは大不況なのだ。
 
 
血税で人工島も 安倍首相の地元でムダな公共事業が常態化
日刊ゲンダイ 2019/04/06
 安倍首相と麻生副総理の地元を結ぶ道路整備計画をめぐり、「忖度発言」をした塚田一郎国交副大臣が5日辞任した。塚田氏は、整備計画について「公正な判断だった」「忖度した事実はない」とすっとぼけたが、とんでもない。安倍首相の地元では、首相の政治力で進んでいく無駄な公共事業が常態化しているのだ。
 
 塚田氏の命取りになった「下関北九州道路」は、地元では“安倍・麻生道路”と言われている。関門橋とトンネルに続く3本目の関門ルートは必要性に乏しく、凍結されていたが、「整備促進を図る参議院議員の会」会長の吉田博美自民参院幹事長が、昨年12月に塚田氏と面談し、「首相と副総理の地元事業なんだよ」と猛プッシュ。はたして、今年度予算で国直轄調査費として4000万円が計上された。
 塚田氏がどう言い繕おうと、安倍首相と麻生副総理に忖度した利益誘導だ。
 
 実は安倍首相の地元では、よく似た安倍案件がある。「週刊SPA!」(2014年1月28日号)で、ジャーナリストの横田一氏が詳細を報じている。こんな内容だ。
 
■安倍アイランド
 安倍首相の父・晋太郎時代から推進されてきた人工島「長州出島」は“安倍アイランド”と呼ばれている。「大型船が入港可能な国際港」を掲げ、755億円もかけて造成された。2009年から供用が始まったが、強風な上、既存の下関港の方が使い勝手がよく、期待していた外資のコンテナ船は寄りつかなかった。利用がほとんどない状態なのに、安倍政権は人工島と本州と結ぶ6・8キロの巨大バイパス整備に動き、720億円もの血税が投じられた
 
■安倍道路
 安倍家の故郷である山口県長門市を通る「山陰自動車道」(下関市―鳥取市)が“安倍道路”だ。未開通区間(100キロ)は整備に推定4500億円もかかる。沿線人口わずか36万人で、県内にはすでに東西を結ぶ高速道路が2つもあり、渋滞もない。費用対効果が乏しく、建設が見送られてきたが、安倍政権になって急に進み始めた
 必要性があやしい事業が、なぜか安倍政権で次々に花開いているのだ。横田一氏が言う。
「塚田副大臣の発言は、架空でもなければ、レアなことを言ったわけではありません。普段、起きていることをありのままに話したまでです。安倍首相の地元では、首相の政治力でムダな公共事業が前に進むことは、日常茶飯のことなのです。モリカケと同様に、問われるべきは安倍案件で行政が歪められ、巨額の血税が無駄にされていることです」
 塚田副大臣辞任で幕引きは許されない。