2019年4月27日土曜日

辺野古新基地「反対」の民意尊重を 作家や弁護士が声明発表 

「一つの争点に絞った沖縄県民投票結果を現政権が無視し、工事を中断しない。それを黙認することを子どもに説明できないし、そのような社会に対し自分は小説を書いていけない」・・・その思いから作家の柳広司さんが梓澤和幸弁護士(日本ペンクラブ平和委員会委員長)に提案したことがきっかけで、2月の県民投票で示された「反対」の民意を尊重するよう政府に求める声明が、作家や弁護士の291人の賛同を得て、発表されました。
 
 琉球新報としんぶん赤旗の記事を紹介します。
 声明全文を末尾に示します。
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辺野古新基地「反対」の民意尊重を 作家や弁護士が声明発表 
賛同者を募り政府に提出へ
琉球新報 2019年4月26日
 【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設中止を求める弁護士や作家ら有志一同が25日、国会内で会見し、2月の県民投票で示された「反対」の民意を尊重するよう政府に求める声明を発表した。工事を中止して県と協議するよう訴えている。呼び掛け人25人が今後声明への賛同者を募り、政府に提出する。
 声明では、2月の県民投票で「反対」が43万4273票と投票総数の71・7%を占めた結果について「美ら海を破壊される沖縄県民の怒りである」と指摘。その上で、政府が工事を直ちにやめ、県と「真摯(しんし)なる協議」を開始することが「民主主義のあるべき姿だ」と断じた。
 
 2月の県民投票後、作家の柳広司さんが梓澤和幸弁護士(日本ペンクラブ平和委員会委員長)に提案したことがきっかけ。柳さんは「一つの争点に絞った投票結果を現政権が無視し、工事を中断しない。それを黙認することを子どもに説明できないし、そのような社会に対し自分は小説を書いていけない」と動機を語った
 
 梓澤弁護士は「沖縄のことをわがごとと考え、同じく痛みを共感し、多少の不利益は覚悟しても行動する沖縄県外の人々の存在を顕在化させたい」と強調した。
 25日までに集まった賛同者は291人。賛同の希望はメールk.azusawa@azusawa.jp
まで。
 
 
辺野古 工事中止求め声明 柳広司、落合恵子、アーサー・ビナードさんら
 しんぶん赤旗 2019年4月26日
 詩人のアーサー・ビナードさん、作家の落合恵子さん、小説家の柳広司さんら25人が呼びかけ、266人が賛同して25日、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設の工事中止を求める声明を発表しました。柳さん、梓澤和幸弁護士、清水雅彦日本体育大学教授らが、東京都内で記者会見しました。
 
 声明は、2月24日の県民投票が「辺野古の基地建設に反対の意思を明確に示した…美(ちゅ)ら海を破壊される沖縄県民の怒りの表明である」と指摘。「沖縄県内外を問わず、日本列島に住む私たちが辺野古新基地建設を自らの問題として真摯(しんし)に考えるときが来た」とのべ、政府に対し工事を直ちに取りやめ、県民投票で示された民意を尊重するために沖縄県と協議を始めることを求めています。
 
 会見で柳さんは「県民投票の結果を無視する現政権の対応は異常。子どもに聞かれて説明できなかった。そういう社会で小説を書いていける自信がない。おかしいことはおかしいと声をあげるのがおとなの役割。そういう声を上げる場をつくりたかった」と呼びかけ人になった思いを語りました。
 
 呼びかけ人にはほかに、宇都宮健児さん(元日弁連会長)、古関彰一さん(和光学園理事長)、高良鉄美さん(琉球大学名誉教授)、盛田隆二さん(作家)らが名前を連ねています。こまつ座の井上麻矢さん、ジャーナリストの斎藤貴男さん、小説家の中島京子さんも賛同者になっています。
 
 
辺野古工事中止を求める声明(全文) 琉球新報より)
 
 「あられなく 陸から海から辺野古攻む 島中の花 咲き出す怒り」
 
 この短歌は沖縄歌人の玉城寛子氏が「歌誌くれない―辺野古を詠(うた)う」に発表したものだ。
 去る2月24日に実施された沖縄の県民投票では投票総数の71・7%(43万4273票)が辺野古の基地建設に反対の意思を明確に示した。
 反対票の民意は、在日米軍基地の70%以上を押し付けられ、美ら海を破壊される沖縄県民の怒りの表明である。沖縄県内外を問わず、日本列島に住む私たちが辺野古新基地建設を自らの問題として真摯(しんし)に考えるときが来た。
 安倍政権による民意の黙殺、米軍基地を絶対化しての工事の強行が続いている。
 政府は辺野古工事を直ちに取りやめ、県民投票に示された民意を尊重するために沖縄県と真摯なる協議を開始すべきである。これが民主主義のあるべき姿である。
 2019年4月25日
 
呼び掛け人(50音順)
(省略)