2020年4月4日土曜日

04- 「所得100億円超」過去最高31人に 公的マネーが恩恵に(しんぶん赤旗)

 18申告所得が100億円を超える納税者31人となり、それまでの人数から一挙に倍増しました。所得の合計は5039億円1人当たり162億円でした。所得の内訳は株式の売買と配当所得が98%を占めていて、株で大儲けをしたのでした。
 虚構のアベノミクスは結局株の買い支えで株高を演出するだけのものとなっていて、安倍政権は年金積立金(GPIF)を大々的に株の購入に回すようにしたほか168月以降「年間6兆円」のペースで日銀の資金を株式市場に投入ETF)するなどして、なりふり構わぬ株価対策を進めてきました
 逆にそこまで大量に株を取得すると、株価が下がると年金積立金が大幅に減額するし、日銀は「債務超過」というあってはならない事態に陥ります。従ってそれを避けるために株を買い支える(買い続ける)しかないという蟻地獄に陥ります。このことは勿論当初から分かっていたことでした。
 投資家から見るとまさにそこが付け目で、株を売って一旦株価が下がってもすぐに買い支えが入って株価が戻るので、「高値で売り(譲渡)、低値で買う」ことがいくらでも繰り返せることになり、結局いくらでも儲けることが出来ます。
 日銀がETF購入予算を20年度に一挙に12兆円に倍増させたのは、今後は株価が大幅に下がると見たからです。

 本来なら、こうした巨額の所得には、所得税の最高税率45%(住民税を合わせれば55%)が適用されるはずですが、株式譲渡所得は「分離課税」として低く設定されています。高額所得者ほど株式譲渡収入が大きいので、1億円程度を超えると税負担率が下がり、所得100億円超になると188に下がります。
 もともと投資家の利益はGPIFとETFの資金がすり替わったものなので、彼らの大儲け(と軽税率)は全て国が段取りしたものということができます。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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「所得100億円超」 過去最高31人に 公的マネーが恩恵に
しんぶん赤旗 2020年4月3日
 2018年に申告所得が100億円を超える納税者が31人となり、過去最高を大きく上回っています。3月31日に国税庁が公表した2018年分の「申告所得税標本調査結果報告」からわかりました。安倍晋三政権による公的マネーを投入した株価つりあげ政策で、富裕層に巨額の利益がもたらされていることを示すものです。

合計で5000億円超
 国税庁が所得100億円超の層に関するデータの公表を開始したのは2005年分から。これまでは13年の18人が最高でした。18年は、その1・7倍にまで増加しました(グラフ1)。31人の所得の合計は5039億円で、1人当たり162億円です。
 所得の内訳は、株式譲渡所得が4165億円、配当所得が725億円、土地等の譲渡所得が103億円などとなっており、ほとんどが株式による利益です。
 安倍政権は、16年8月以降、「年間6兆円」のペースで日銀の資金を株式市場に投入するなど、なりふり構わぬ株価対策を進めてきました。この日銀資金の投入は、上場投資信託(ETF)を日銀が購入する手法で実施されます。購入するのは株価が下がった日です。18年には、3月に8333億円、10月には8700億円など、ETF購入額が急増、年間では6・5兆円がつぎ込まれました。こうして高い株価が維持されたことで、富裕層が高値で保有株を売却し、巨額の利益を手にすることができたのです。

優遇は税制でも
 本来なら、こうした巨額の所得には、所得税の最高税率45%(住民税を合わせれば55%)が適用されるはずです。ところが、株式や土地の譲渡所得は、「分離課税」といって、他の所得と切り離して低い税率で課税されます。高額所得者ほど、譲渡所得の割合が高いため、税負担率が低くなってしまいます。今回の国税庁のデータで計算しても、所得が1億円程度を超えると税負担率が下がり、所得100億円超の31人の負担率は、18・8%と、所得1500万~2000万円の層の18・6%と同じ程度の負担率になっています。(グラフ2)
 公的マネー投入で利益を得た富裕層に応分の税負担を求めるため、不公平税制を改めることが急務です。 (垣内亮 日本共産党政策委員会)

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