WHO上級顧問の渋谷健司医師が、16日夜放送のTBS系番組にイギリスからの中継で出演し、日本の検査体制の問題と逼迫する医療現場への支援について、
「接触8割減については休業補償を含めた施策を出すべきである」、「PCR検査数が非常に少ないので感染者数は氷山の一角。おそらく10倍以上はいる」、「日本は一番肝心な集中治療のベッド数が医療崩壊したイタリア、スペインの半分ぐらい。集中治療医も非常に少ない」
と語りました。
それとは別に、超党派の国会議員が17日、厚労省を訪れPCR検査体制の拡充を財政支援を含めて要求しました。
しんぶん赤旗の二つの記事を紹介します。
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検査少なく氷山の一角 医療機関直接発注こそ
WHO事務局長上級顧問 渋谷医師が警鐘 TBS系番組
しんぶん赤旗 2020年4月18日
新型コロナウイルス感染症対策をめぐって、16日夜放送のTBS系番組「NEWS23」では、世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問の渋谷健司医師が日本の検査体制の問題と逼迫(ひっぱく)する医療現場への財政的支援について語りました。渋谷氏はイギリスから中継で出演しました。
日本の感染症対策について問われた渋谷氏は、現状では「人と人の接触8割減は困難だ」として、「家にいるというインセンティブ(動機づけ)が足りない。休業補償も含めた、お店に対して休んでもいいよというような施策を出すべきだ」と述べました。
渋谷氏は感染を調べるPCR検査の遅れを指摘し、「日本はクラスター対策をメインにしていたので検査数を絞っていた。非常に検査数が少ないので表れている数字は氷山の一角に過ぎない」「おそらく(感染者が)10倍以上はいる」と強調。検査数が伸びない背景には保健所を経由し、承認を得ないと検査ができない体制にあるとして、「保健所はパンクしている。負担を和らげるためにも医療機関から直接検査を発注できることが大事だ」と主張しました。
また、「肺炎で亡くなった方でも診断がついていないケース」などをあげ、公表されている死者数に反映されていない死者がいる可能性を指摘しました。
さらに、医療体制について、「日本は一番肝心な集中治療のベッド数が医療崩壊したイタリア、スペインの半分ぐらい。集中治療医も非常に少ない」「そもそも日本はコロナに対応する強靱(きょうじん)さがない。そこを今こそサポートしないといけない」と語りました。
PCR検査体制の拡充を 超党派議員要請
小池書記局長参加 「財政支援しっかり」
しんぶん赤旗 2020年4月18日
超党派の国会議員が17日、そろって厚生労働省を訪れ、新型コロナウイルスの感染を確認するためのPCR検査体制の拡充を要請しました。
要請には、日本共産党の小池晃書記局長のほか、自民党の田村憲久、立憲民主党の阿部知子、国民民主党の岡本充功、社会保障を立て直す国民会議の中島克仁の各衆院議員、公明党の秋野公造、日本維新の会の梅村聡、社民党の福島瑞穂の各参院議員が参加。田村、福島氏以外は医師資格を持つ議員です。加藤勝信厚労相が対応しました。
各議員は、PCR検査体制の抜本的拡充と医療従事者や医療機関の感染防御体制の強化のため、日常診療空間と区分したPCR検査センターやドライブスルー等での検査拡充や基幹病院の機能の保持などを要請。保健所を介さず、医師の判断でPCR検査を受け、民間検査機関に検体を提出できる仕組みをつくり、保健所の負担を軽減することなどを求めました。
小池氏は「こういう超党派の顔ぶれで、厚労省に要請にきたことに最大の意味がある。PCR検査体制の強化を図るため厚労省が15日に出した通知を実効あるものにし、そのために必要な財政支援をしっかりやっていただきたい」と主張。加藤厚労相は「国民の命を守り、最前線で働く医療従事者を守ることにつながるよう全力で取り組みたい」と述べました。
要請後、国会議員は共同で記者会見し、田村氏は「議員が超党派で要請することで、厚労省が各自治体を後押ししやすくなる」と意義を強調しました。