日本におけるPCR検査数は異常に少なく、「世に倦む日々」氏が100万人当たりの検査数を調べたところ下記の通りで、諸外国に比べて桁外れです(韓国の52分の1)。
人口100万人当たりのPCR検査数
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件数
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集計日
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韓 国
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6148
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3月20日
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オーストラリア
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4473
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3月20日
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ド イ ツ
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2028
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3月15日
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日 本
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117
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3月19日
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小沢一郎(事務所)氏は6日、「いまだにまともに検査しない ⇒ 感染者数は毎日ポロポロしか出てこない ⇒ 終息せず緊急事態宣言が際限なく延長される ⇒ 経済活動の停滞が果てしなく続く・・・。全政治決断が遅れ、検査等まだ決断できていない。ゆえに人災被害が拡大。いい加減に十分な検査をしないと、今度こそ「隠蔽」がこの国を滅ぼす」とツイートしています。
シカゴ大の山口一男教授(社会統計学)は、東京新聞の取材に対して、日本が公表する新型コロナウイルス感染者数は「実際には感染しているのに把握されない『暗数』の割合が大きく、統計がゆがんでいる」ので、「各国の状況との比較や政策の判断には使えない」と述べています。そして日本の増加率が他国と比べて極端に低い理由を「検査数を絞ったことで感染者を把握できていないからで、この結果(水面下の)感染を拡大させた」と強調しました。
この件について安倍首相は3月28日の記者会見で「日本が感染者数を隠しているという議論は違う。死者の数は多くない」などと説明しました。専門家会議メンバーも当初は同様な説明をしていました。要するに 死者の数が少ないことが感染者数が少ないことの証明になっている という言い分なのですが、山口氏は「死亡者数も年間十万人前後にのぼる一般の肺炎死亡者の中に隠れてしまう」と述べています(東京新聞4月3日)。
先に「羽鳥慎一モーニングショー」で玉川氏がその点を指摘したときに、政府側コメンテーターの田崎史郎氏は「肺炎で亡くなった方には、CT検査はみんなやってる。最初から」(やっているのでコロナ患者を見落とすことはない)と否定しました。しかしCTだけでコロナと断定することはできないし、そもそも死者を含めた全員についてCTを撮ることもあり得ません。
政府は「緊急事態宣言」に当たり、1ヶ月を目途にしたのは最初の2週間で増加を頭打ちにさせ、後半の2週間でそれを分析するためと述べました。
しかしそもそも肝心の「初期条件」が不明なのですから満足な分析など出来ようがありません。その結果、いつまで経っても埒が明かずにズルズルということになってしまいます。専門家会議のメンバーが当初何故そんな方針を採ったのかの理由は不明ですが。彼らの責任は大きいと思われます。
日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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本当は数十倍? いま必要なのは強権発動よりも正確な数字
日刊ゲンダイ 2020/04/07
感染拡大の一途をたどる新型コロナウイルスをめぐり、安倍首相がついに緊急事態宣言の発令に踏み切った。新型コロナ特措法に基づく措置で、効力発生は8日からだ。対象は医療体制が逼迫する東京をはじめ、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県。期間は5月6日まで。
6日、ぶら下がり取材に応じた安倍は、「政府の諮問委員会の尾身茂会長から、足元では東京や大阪など都市部を中心に感染者が急増しており、医療現場ではすでに危機的な状況となっていることを踏まえ、政府として緊急事態宣言の準備をすべしとの意見をいただいた」と説明。7日は衆参両院の議院運営委員会で報告し、午後7時から会見を開く。
国内の感染者は4800人を突破し、死者も100人を超えた。初の緊急事態宣言によって、私権制限を伴う措置が可能となる。対象地域の知事は▼不要不急の外出の自粛要請▼学校や映画館などの使用停止や制限の要請・指示▼医薬品などの強制収用▼臨時医療施設のための土地や建物の使用▼食品や医薬品など物資の売り渡し、保管命令――ができる。土地や建物の使用は所有者の同意なしでも可能で、物資の売り渡しや保管命令に応じない場合は罰則規定もある。
しかし、強権発動よりも必要なのは、感染実態を示す正確な数字ではないのか。それがわかれば皆、ピタリと外出しなくなるだろう。
専門家は「都も厚労省も統計メチャクチャ」
国内で感染1例目が確認されたのは1月中旬。3カ月近くが経っているのに、PCR検査累計数は約4万4000件にとどまっている。人口規模は日本の半分、約5100万人の韓国ではドライブスルー方式やウオークスルー方式などを導入し、46万件強も検査を積み上げて約1万人の感染を把握している。
日本国内の感染者は人口10万人あたり2・8人程度とされているが、果たして事実なのか。東京都の1日あたりの感染者が2ケタ台の時は、政府も専門家会議も「踏ん張っている」と評価していたのに、100人の壁を突破して3ケタ台に突入した途端に「緊急事態」に激変するのはなぜなのか。
東大先端研がん・代謝プロジェクトリーダーの児玉龍彦氏は、ユーチューブチャンネル「デモクラシータイムス」の番組(4日配信)でこう指摘していた。
「日本の検査数は考えられない少なさ。検査件数を増やすと医療崩壊を招くとまことしやかに言われているが、世界のどこからもそうした報告はない。むしろ、検査しないから医療体制が崩壊する。PCR検査は簡易検査。なぜ精密検査であるCT検査を先に求めるのか」
小池知事が発信を強める東京都は「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を設置し、情報公開に積極的に見えるが、透明性には疑問符が付くという。1日の相談者数が不明だからだ。何人が都に連絡し、何人がPCR検査を希望して、何人が検査を受け、何人が陽性と判明したのか。基礎データが不足していれば、実情は浮かび上がらない。児玉氏はこうも言っていた。
「東京都は感染の実態が分かっていないのではないか。厚労省の統計もメチャクチャ。何人を検査した結果、何人が感染していたのかどこにも出ていない。100人のうち97人が陽性なのか、1万人のうち97人が陽性なのかでは全く事態が違う。日本全体がそういう状態になっているのは、非常に深刻な問題です」
屋台船集団感染で分かり切っていた「3密」回避
本当の感染者数は公表の数十倍という専門家もいる。だとすれば、私権を制限するこの規制の理由も伝わる。ところが、検査の積み上げは医療崩壊に直結するなどと吹聴し、無自覚のコロナ感染者を町中に溢れさせ、経済活動を完全破壊した張本人は安倍だ。それがなぜ、のうのうと記者会見などできるのか。
1月中旬に都内で発生した屋形船の集団感染で、「換気の悪い密閉空間」「多くの人の密集する場所」「密接した会話」が危険なのは分かっていた。にもかかわらず、政府はロクに注意喚起をせず、先月末になって小池が密閉・密集・密接を避ける「ノー3密」とキャッチフレーズで打ち出した。それに厚労省も乗っかっているが、何をいまさら、だ。
この間、安倍政権は東京五輪開催に固執し、現実を直視せず、臭いものにフタを繰り返してきた。水際対策と称し、2月に横浜港に留め置いたクルーズ船で船内感染を蔓延させ、乗客を公共交通機関で帰路に就かせたため市中感染に飛び火。先月下旬に東京都台東区の中核病院「永寿総合病院」で発生した深刻な院内感染は、屋形船の集団感染との関連が浮上している。その一方、安倍はイベント中止、外出自粛、一斉休校などの要請や、国民的ニーズとは真逆のアベノマスク配布をブチ上げて“やってる感”を振りまくパフォーマンスに精を出していた。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。
「安倍政権の新型コロナ対応は政治的思惑で歪みきっています。緊急事態宣言は劇薬でさまざまな副作用、マイナス要因を包含している。感染抑止にどれほど効果があるかは判然としませんし、消費増税で傷んだ日本経済にはさらなる打撃となります。だからこそ、給付・補償なくして自粛ナシ、を明確にする必要がある。法律に基づく措置による損失をカバーするのは政治の責任です」
現金給付8割世帯対象外
政府は事業規模108兆円の過去最大の緊急経済対策をまとめ、安倍は「GDPの2割という規模は諸外国と比較しても相当思い切ったものだ」と胸を張っているが、真水はその数分の1に過ぎない。家計や中小企業に回るとされる現金給付約6兆円にしたって、8割の世帯が対象外。休業に対する損失補償はナシ。事業費に企業による法人税や消費税の納付猶予などの措置を混ぜ込み、規模をかさ上げしているのだ。
コロナ禍を奇貨おくべしとばかりに、犬猿の仲だった安倍と握った小池も万死の同罪だ。6日も緊急会見でリーダーシップをアピールしていたが、五輪の開催延期が決定した途端、「首都封鎖」に言及し、チェーンメールが飛び交うパニックを引き起こしたのは、ほかならぬ小池だ。豊洲市場移転問題しかり、無能無策を棚に上げ、7月の都知事選再選に向けて危機を悪用しているのは疑いようがない。
「小池知事が政府に重ねて緊急事態宣言の発令を求めたのは、一連の自粛要請に対する責任を取れない、あるいは取りたくないからではないか。夜間外出自粛要請の影響を受けた都内の飲食店などから休業補償を求める声が高まる中、宣言を機に政府に責任を押し付けようということなのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)
国のトップも首都のトップも場当たり、後手後手、無責任。土下座、退陣ものの国難の元凶どもがぬけぬけとしたものである。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)は言う。
「新型コロナ対策をめぐる安倍政権と自民党の基本姿勢が、改憲に向けた実験台となる緊急事態宣言ファーストなのは紛れもない事実です。五輪の開催延期は都合よく着地したことだし、感染者がどれほど増加しても構わない。いっそのこと発令に有利な方向に持っていこうともくろんだのでしょう。公文書を改ざんし、統計を偽装する政権がコロナに限って国民の生命や生活を第一にするとは思えません」
泥縄に払う犠牲は、どんどん大きくなっている。