2020年4月23日木曜日

アベノマスクに虫・髪の毛・カビ 発注額は予算を271億円下回る

 政府が送った妊婦・介護施設向けなどの布マスクでは、「変色している」「髪の毛が混入していた」「異臭がする」などのクレームが7800件に上りました。
 それは全戸配布分も同様で、厚労省は全戸配布用では不具合はないとしていましたが、実際には虫や髪の毛、糸くずの混入、カビの発生など200件の不具合事例確認されていました。またもや隠蔽です。
 しかもそれらは単に外見で分かった分に過ぎず、内部の汚れについては不明です。原材料がどのように保管されていて、どんな環境の工場で作られたのかを把握していないのであればとても「衛生製品」とは呼べません。小泉今日子氏は「アベノマスクは『汚らしさを具現化』したもの」と酷評しました。まさにそのとおりで何の誇張もありません。
 民間企業が発注したものであれば直ちに全品を突き返して、原材料から製造工程までの品質管理を確認したうえで作り直す筈です。国がそれをしない理由は何なのでしょうか。日本はいつから劣等国レベルに堕ちたのでしょうか。

 それだけではありません。政府が野党議員に示した、マスクの製造・納品を契約した会社名と契約金額は、興和(株) 約548億円伊藤忠 約285億円(株)マツオカコーポ 約76億円でした。発注先はこれまで4社(朝日)とか5社(毎日)と伝えられていましたが、公表されたのは3社で、発注額は約909億円でした。
 政府はこれまで布マスクの調達費は338億円配達費128億円)としていましたので、差額の約271億円は一体どこにいったのでしょうか。
 
 鳴り物入りで始まったアベノマスクもその実態はあまりにも不潔なもので、到底商品(衛生用品)とは呼べないものです。そしてそこに流れている金の動きも不明朗極まるものです。
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アベノマスクに“虫や髪の毛、カビ”を厚労省が事前に把握しながら隠蔽
マスクの費用や納入業者にも辻褄があわない謎が…
LITERA 2020.04.22 08:38
 安倍首相がエイプリルフールに「1住所2枚の布マスク配布」と正気の沙汰ではない宣言して以降、批判や呆れる声がやまない「アベノマスク」。だが、さらに信じられないことが起こった。
 じつは、全戸配布用のアベノマスクに不良品が見つかっていたというのに、なんと、そのことを政府が隠蔽していたのだ。
 布マスクをめぐっては、先行して配布されている介護施設や学校向けの分から髪の毛や虫の混入が報告され、妊婦向けのものからも「変色している」「髪の毛が混入していた」「異臭がする」と自治体から報告が相次いでいた。その不良品報告の数は、7800枚にも及び、配布は中断されている。一方、全戸向け布マスクの不良品について、21日の会見で加藤勝信厚労相は「ほとんど報告は来ていない」などと述べていた。
 しかし、これは真っ赤な嘘だった。実際には、全戸向けの布マスクでも不良品があることを把握しながら、政府はそれを公表せず、隠していたのだ。
 この問題を取り上げたのは、昨日21日付の毎日新聞ネット版記事。そこでは、厚労省のマスク等物資対策班に配られた内部文書をもとに、こう伝えている。
〈政府の対策班に配られた内部文書によると、18日時点で妊婦向け以外の全戸配布用に包装を始めた200万枚のうちでも、虫や髪の毛、糸くずの混入、カビの付着など200件の異物混入などの問題事例を確認。これについては公表しなかった。マスク配布を担当する厚労省経済課は、妊婦向け以外の不良品を非公表とした理由について「回答できない」とし、全戸向けのマスク配布については「現時点で中止は検討していない」としている。〉
 さらに、毎日新聞では、関係者(おそらく内部文書の情報提供をした厚労省マスク対策班の関係者だろう)から提供されたものとして、カビが生えていることが確認された全戸配布用の布マスクの写真も掲載。そのマスクは点々と黒ずみ、うっすら緑色がかった部分もあり、見るからに不衛生でとても着用できるようなものではない
 製品として衛生的であることが必須条件のマスクにおいて虫や髪の毛の混入やカビが付着していたというだけでも大問題なのに、その事例を確認しておきながら、政府は公表せず国民に黙ったままでいたのだ。
 厚労省は、全戸向け布マスクでも不良品が発見されたという報道が出たあとの本日22日になって〈配布前の確認作業で髪の毛の混入や変色などの不良品が見つかった〉〈18日時点で200万枚のうち200件程度に問題があった〉(共同通信22日付)などと事実を公表するに至ったが、報道がなかったら隠し通すつもりだったのだろう。不都合な事実は徹底して隠蔽を図り、時には公文書の改ざんまでやってのけた安倍政権とはいえ、まさか国民の健康にかかわるこのような問題でも情報を隠蔽しようとは……。

異物混入の発覚後も菅官房長官は「一定の不良品は生じる」「適切に除外」と開き直り
 しかも、本日22日午前におこなわれた菅義偉官房長官の会見では、「生産流通の過程において、報道のような一定程度の不良品が生じることはある」などと不良品マスクがあったことを開き直り、「配布をおこなう前段階において適切に除外されている」と断言。本日午後の会見でも、「複数の不具合が発見された妊婦向けマスクとは状況が異なるので、現時点で計画を変更する予定はない」と述べたのだ。
 菅官房長官は「一定程度の不良品が生じることはある」などと言うが、髪の毛だの虫だのが混入した事例を確認したら、企業は販売中止と回収に動くものだ。それに、前述したようにカビが生えていることが確認された布マスクは目で見てすぐわかるものだが、このような製品がひとつでも出てくるということは、製造・管理体制や、衛生状況が一体どうなっているのか、目視では確認できない不衛生なものがほかにもあるのではないかと考えるのは当然だ。しかし、菅官房長官は「適切に除外されている」「妊婦向けマスクとは状況が異なるから配布計画は変更しない」などと言い張るのだ。
 国民に不良品が発見されていることを隠蔽し、不良品発見を追及されると開き直り、安全性が守られているのかまったく信用ならないというのに計画変更さえ認めない──。ようするに、安倍首相が全戸配布を決定し大号令をかけた「アベノマスク」を、いま計画を変更して中断あるいは回収などすれば、さらに批判が高まることは必至。だからこそ、「カビ付着マスク」という健康を害しかねないシロモノが配布される可能性があろうとも、絶対に計画を撤回しようとはしないのだ。
 この期に及んでも、国民の健康よりも批判の封じ込めを重視して情報の隠蔽をしていた安倍政権。だが、「アベノマスク」をめぐる情報隠蔽は、ほかにも起こっている。それは納入業者と費用の問題だ。

厚労省が公表したマスク納入業者の金額は計91億円、差額はどこに? 他にも秘密の納入業者か
 今回の「アベノマスク」について、当初、安倍政権は「1枚200円程度」とし、布マスクだけで約200億円かかると言われていた。だが、蓋を開けてみたら、布マスクの調達費は約200億円を大きく上回る338億円で、配達費が128億円かかり、計466億円だと判明。「その予算を医療機関へのマスク調達に使うべきでは」「税金の使い方がおかしい」と批判があがっていたが、同時に野党は「受注先を公表すべき」と追及。しかし、厚労省は野党議員からの問い合わせにも回答をおこなってこなかった。
 そんななか、ようやく昨日になって厚労省マスク対策班が受注先企業について野党側に文書で回答をおこなったのだが、社民党・福島瑞穂参院議員が公表したその回答文書には、契約した会社名と契約金額について、こう書かれていた。
〈興和株式会社    約54.8億円
 伊藤忠商事株式会社 約28.5億円
 株式会社マツオカコーポレーション 約7.6億円〉
 布マスクにかかる費用は338億円と言われていたのに、この3社の契約金額を合計しても約90億9000万円にしかならない。差額の約271億円は、一体どこにいったのか
 しかも、受注企業の数については、21日に朝日新聞は〈国内メーカーの4社が製造〉と報道、毎日新聞も同日付で〈政府関係者によると、国内の商社など納入業者5社が中国やベトナム、ミャンマーから調達している〉と伝えていた。だが、厚労省は3社しか記載していない。
 巨額の税金を使う施策なのだから、受注企業名や金額を公表するのは当然のこと。だが、差額の発生や受注企業数の食い違いなど、謎だらけ……。これにはネット上でもさまざまな憶測を呼び、「もしや安倍首相の地元・山口などのお友だち企業がかんでいるから隠しているのでは」「麻生太郎や、昭恵夫人と加計学園が絡んでいるミャンマー案件なのか」などと推測する声が出てきている。
 こうした推測が飛び出すのは、これまでの安倍首相による“お友だち優遇”を考えれば、ごく当然の反応だろう。真相はいまのところ判明していないが、問題なのは、新型コロナ対応という危機管理の場面でも情報を隠蔽しようとしていることだ。
 本サイトでは安倍首相が新型コロナ対応でついた嘘について追及してきたが
https://lite-ra.com/2020/04/post-5382.html)、“嘘・隠蔽・改ざん”を繰り返し、国民を欺いてきた安倍政権への監視を、コロナ危機のいまこそ徹底的におこなわれなければならない。(編集部)