2020年4月21日火曜日

学生も困窮 アルバイトがなくなり1日300円程度の食費

 学生の困窮も深刻です。新型コロナウイルス禍でアルバイトを失い、苦しい状況に立たされています。各地の大学はオンライン授業を予定していますが、パソコンを持たない学生もいるので単純にはいきません。
 バイト収入がゼロになった学生は貯金を取り崩すしかなく、1日300円程度の食費でしのいでいるということです。
 政府には全ての人たちを救済する責任があります。もしもそのために50兆円が必要であれば最終的にその分の国債を発行すべきです。
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オンライン授業 負担ずしり 大学生、PCや機材確保 必要
東京新聞 2020年4月20日
 新型コロナウイルスの感染拡大でアルバイトを失い、苦しい状況に立たされている学生が出始めている。一方、休校が続く各地の大学はオンライン授業を予定するが、パソコンを持たない学生がいるなど、十分な学びの環境を整備できていない可能性がある。大学側に現状を知ってもらおうと、学生が大学に要請する動きも出てきた。 (山下葉月)

 日本大法学部三年の女子学生(20)=埼玉県=は「アルバイトが見つからない。お金がないと何もできず、将来も不安になる」と窮状を訴える。
 保育士の母と二人暮らし。社会の制度や仕組みなどを広く学ぼうと、自治体の奨学金で進学した。返済は当然だが、「いろいろな経験がしたい」と趣味の競技ダンスや友人との旅費をためるため、アルバイトが欠かせない。授業後、ガールズバーとファストフード店を掛け持ちし、毎月約十万円稼いでいた
 だが、二つのバイトは三月末で契約が終了。今月から新しいバイトを探す予定だったが、コロナ禍でバイト先が見つからず、現状で収入はゼロだ。日大は五月以降、オンライン授業にシフトする予定だが、女子学生は「対面授業でないならば、100%のサービスが受けられていないのと同じ。授業料を減額してもいいのでは」と疑問視する。

 早稲田大文化構想学部二年の高橋広野さん(20)も感染防止対策に理解を示すが、「オンライン授業の実現に向けたしわ寄せは学生に来ている」。早大側に改善をしてもらおうと、今月十三日、オンラインで一週間の限定で集めた約百八十人分の署名を携え、大学に提出した。
 要請では、オンライン授業で、パソコンやルーターなど必要機材の貸し出しなど五項目を大学側にただし、二十一日までに回答を得るとしている。
 高橋さんは「図書館も使えず、自由な学びが妨げられている。大学には一日も早く対応してほしい」と訴える。
 早大は本紙の取材に「全学生の接続環境を把握することは難しいため、どのような形でサポート可能か検討しています」とメールで回答した。
 立命館大(京都府)は原則として動画配信はせず、ウェブ上で学生に課題を出すなどの方法を採用する。しかし、政府の緊急事態宣言が全国に拡大し、構内でのパソコン貸し出しや無料Wi-Fiが使えるスペースにも立ち入りが禁止されたため、休講措置を取った。授業は来月七日に再開予定だが、担当者は「パソコンがない生徒への対応など包括的に考えなくてはならない」と話す。

◆学生75%が収入減予測 近畿の私大生ら調査
 新型コロナウイルス流行で、大学生の多くが経済的苦境に追い込まれそうだとのアンケート結果を、大阪体育大の藤本淳也教授(スポーツマーケティング学)らがまとめた。今月以降、家族の収入減を見込む学生が56%、アルバイト収入が減ると予測する学生は75%に上った。
 調査は四月一~七日、近畿地方の大学生を中心に依頼し、千四百六人の回答を分析した。私大生が94%を占めた。
 九割の学生が学費の支払いを親に頼っており、国内で感染拡大が始まってから家族の収入が減ったのは35%で、うち「大きく減少した」が6%。四月以降も56%が減少を見込んでおり「大きく減少する可能性がある」としたのは12%。経済的な厳しさが増しそうだ。
 また、通常の授業期間中にアルバイトをしている学生は65%。この中で感染拡大以降に収入が減ったのは59%、四月以降に減少を見込む学生は75%に上った。
 アルバイト先の感染対策への不安もうかがえた。リスクの上がる「近距離での会話や発声がある」とした学生は92%。対策が適切にされていないとの回答も23%あった。
 藤本教授は「大学が再開しても、学生生活に影響が残る可能性が高い。各大学は丁寧な対応が求められる」と話した。

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バイト代激減、学生困窮 食費1日300円でしのぐ―学費払えず退学視野
時事通信 2020年04月20日
 新型コロナウイルスの影響で、アルバイトの出勤が減らされた大学生らが困窮している。学生団体が実施した緊急調査では、複数の大学生が「学費が払えず、退学を検討している」と回答。収入が激減する事態に直面した学生は「1日300円程度の食費でしのいでいる」と深刻な状況を訴えた。
「家賃に」「現実味ない」、一律10万円に賛否 大盤振る舞いに懸念も―新型コロナ
 埼玉県草加市の大学4年の女性(23)はアルバイト先の飲食店の営業日が少なくなり、3月下旬ごろから勤務に入れなくなった。同月の収入は3割減だったが、「4月はこのままだとゼロになる」と嘆く。
 現在は貯金を切り崩し、食費を1日200~300円に抑えている。買うものは菓子パンや冷凍うどんばかりで、「野菜は高いので手が届かない。トイレットペーパーなどの値段も上がり、生活に響いている」と話す。
 生活苦から両親のいる山形県への帰省を検討したが、「同居する70代の祖母に感染させるかもしれない」と断念。「妹も大学生なので両親からの援助を受けずに生活してきたが、この状態が長く続いたら相談するつもりだ」と打ち明けた。

 関西圏の大学で構成する「大学スポーツコンソーシアムKANSAI」の実態調査によると、回答した大学生約1400人のうち、4月以降にアルバイト収入が減る見通しだと答えた学生は74.8%に上った。親など家族の収入が減少するとした人も55.6%を占める。
 学生団体「高等教育無償化プロジェクト」が実施中のアンケート調査では、「アルバイトや実家の収入減で退学を考えているか」との質問に数人が「考えている」と回答した。「自営業の父の収入が8割減った。大学を辞めざるを得ないか不安」などと切実な声が寄せられている。
 奨学金問題対策全国会議共同代表の大内裕和中京大教授は「緊急事態宣言で学習塾や飲食店など、学生アルバイトが多い業種に大きな影響が出ている」と指摘。「このままだと学費が払えないまま学籍を失う人が出てくる。大学側は延納や分納など柔軟に対応するべきだ」と訴えた。