2018年9月23日日曜日

23- 内部留保が過去最高446兆円 貯め込んでいる大企業

 政府の円安誘導と法人税引き下げのお蔭で、大企業は大儲けをし、内部留保は446兆円に達しました。従来は不動産などの比率が高かったのですが、近年は貯金などのいつでも現金化しやすい形態になっているということです。
 大企業が大儲けしてもその分「労働分配率」を下げるので、従業員には還元はありません。現実に国民の所得は下がる一方です。
 
 日刊ゲンダイが、内部留保が巨額な上位30社を明らかにしました。
 2兆円を超す内部留保は、ソフトバンクグループやキヤノン、富士フイルムHD、日立製作所など261兆円超えとなると50社以上に達します
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内部留保が過去最高446兆円 貯め込んでいる大企業はココだ
日刊ゲンダイ 2018年9月22日
 財務省が今月発表した2017年度の法人企業統計によると、いわゆる内部留保は446兆円(金融・保険を除く)だった。実に6年連続で過去最高を更新している。
 
 安倍政権が発足する前の11年度は282兆円にすぎなかったので、現政権になって以降、164兆円も増加したことになる。
 
「内部留保がこれほど積み上がったのは、企業経営者が資金の使い道に迷っているからです。08年のリーマン・ショックを経験し、企業は守りの体制を続けています。安倍政権は賃上げ要請を繰り返していますが、給与アップは、固定費である人件費上昇をもたらすため、企業はなかなか首を縦に振りません。要するに、経営者の多くは安倍政権を信用していないのでしょう」(株式評論家の倉多慎之助氏)
 内部留保とは、一言でいえば企業が貯め込んでいる利益だ。法人企業統計では、企業の決算書にある「利益剰余金」を採用している。
 
 そこで、大手上場企業の利益剰余金を調べた(18年3月期など17年度)。
 トップはトヨタ自動車の19兆4734億円で、以下、三菱UFJFG(10兆646億円)、ホンダ(7兆6113億円)、NTT(6兆2606億円)と続く(別表参照)。
「金融業は世界的に資本の厚みが必要とされるので、内部留保は巨額になりがちです。とはいえ、日本企業は貯め込み過ぎの印象を拭えません」(倉多慎之助氏)
 
 2兆円を超す内部留保は、ソフトバンクグループやキヤノン、富士フイルムHD、日立製作所など26社に上った。1兆円超えとなると50社以上に達する
 もっとも、内部留保は現金(預金)とは限らない。機械などの設備や、子会社の株式も内部留保にカウントされるケースが多い。
 ただ、法人企業統計には「現金・預金」の項目もある。17年度は222兆円だ。安倍政権発足前(11年度は163兆円)に比べ、59兆円(36%増)増えている。
 
 一方、サラリーマンの平均給与は直近統計の16年分で421.6万円。11年分の409.0万円と比較して3%増にとどまる。
 もう少し、従業員の給与に回してもバチは当たらない気がするが……。 
 
内 部 留 保 リ ス ト
 
社  名
金  額
 
社  名
金  額
1
トヨタ自動車
19兆4734億円
16
   
2兆6741億円
2
三菱UFJFG
10兆0646億円
17
  T
2兆5362億円
3
  
7兆6113億円
18
JR東日本
2兆4960億円
4
N T T
6兆2606億円
19
ゆうちょ銀行
2兆3991億円
5
三井住友FG
5兆5525億円
20
富士フィルムHD
2兆3837億円
6
日産自動車
4兆9087億円
21
ブリジストン
2兆3428億円
7
NTTドコモ
4兆7892億円
22
伊藤忠商事
2兆3247億円
8
みずほFG
4兆0028億円
23
オリックス
2兆3152億円
9
三菱商事
3兆9839億円
24
日立製作所
2兆1053億円
10
ソフトバンク
3兆6723億円
25
新日鉄住金
2兆0767億円
11
K D D I
3兆4961億円
26
信越化学工業
2兆0707億円
12
   
3兆5510億円
27
セブン&アイHD
1兆8944億円
13
キャノン
3兆4961億円
28
   
1兆8577億円
14
J R東 
2兆9764億円
29
東京海上HD
1兆8379億円
15
   
2兆9034億円
30
   
1兆8279億円
   ※ 金額は17年度決算(18年3月期など)の利益剰余金。決算書等を参考に算出。