2018年9月1日土曜日

徹底比較 安倍晋三と石破茂 (6)

 日刊ゲンダイの連載記事:「徹底比較 安倍晋三と石破茂 (6)」を紹介します。
  石破氏の真面目一筋の学生時代とその後の青春時代について語られています。
 
 対談者の鈴木哲夫氏、野上忠興氏のプロフィールについては、連載1回目
      ⇒ (8月26日)徹底比較 安倍晋三と石破茂 (1)、(2)
を参照ください。
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 徹底比較 安倍晋三と石破茂  
石破茂は愛妻家 安倍晋三・昭恵は“仮面夫婦説”は本当か
日刊ゲンダイ 2018年8月31日
鈴木 慶大法学部に入った石破は、第2外国語(ドイツ語)の授業で妻・佳子と出会います。第一印象は「こんなにきれいな人がこの世にいるのか!」だったそうで、「高根の花だった」と回想しています。
 
野上 森友問題で安倍の妻・昭恵は日本中の注目を集め、メディアにさまざまな形で取り上げられましたが、石破の奥さんのことはあまり知られていませんね。
 
鈴木 石破は学期末試験の前に、出題を予想する「ヤマかけ講座」を開いていました。そこに彼女がやってきた。しかも、その時に石破のヤマが見事に当たったそうなんです。彼女から「ありがとう」とお礼を言われ、付かず離れずの関係が始まった。その後も、彼女に気に入られたい一心で必死に勉強したそうです。石破は「慶応の他の同級生と違って、高級車があるわけでもないし、ナンパのテクニックもない自分は勉強しか武器がなかった」と話していました。
 
野上 真っ赤なアルファロメオを乗り回していた安倍とは正反対の学生生活ですね。安倍が森永製菓の社長令嬢だった昭恵と知り合ったのは84年、父・晋太郎の外務大臣秘書官を務めていた時代になります。当時、電通勤めの昭恵との初デートをセットしたのは安倍の友人でした。ところが、昭恵が待ち合わせ時間に30分も遅刻してきたため、安倍は「第一印象は良くなかった」と振り返っています。後に昭恵も「政治家の家は大変そうだから気乗りしなかった」と語っていますが、3年間の交際を経て、87年6月に華燭の典を挙げました。同年5月に兄・寛信もウシオ電機会長令嬢と挙式していますが、名門・名家の家柄だと、結婚相手も自分で選べないのでしょう。古参秘書は「一種の政略結婚だった」と述懐しています。石破の結婚までの経緯は?
 
鈴木 三井銀行に就職が決まっていた石破は、慶大卒業式の日に「結婚を前提に付き合ってほしい」と佳子に告白します。生まれて初めての恋の告白でしたが、木っ端みじんにフラれた。転機は石破が24歳の時、自治大臣に就任したばかりの父・二朗が病に倒れ、81年に亡くなったことでした。その葬儀に、音信不通だった佳子から弔電が届いたのです。これを機に再び連絡を取り合うようになりました。
 
野上 夫婦そろって慶応卒というのも、エスカレーターで成蹊と聖心の安倍夫婦とは対照的ですね。
 
鈴木 父の死後、田中角栄に「政治家になれ!」と言われた時のエピソードもふるっています。角栄から結婚について聞かれた石破が「同級生の彼女がいる」と話すと、角栄は「その同級生はどこに勤めているんだ?」と。佳子は当時、丸紅に勤めていたんですよ。ロッキード事件の関係で、角栄にとっては耳にするのも嫌な会社です。案の定、「俺に恨みでもあるのか!」と激高するのですが、そこで奇跡が起きた。実は佳子の両親が新潟出身なんですね。それを伝えると、角栄も「新潟か。それならいい」と収まったそうです。鳥取の地元でも、佳子の評判はすこぶるいいですよ。石破も「自分が政治家を続けられるのは妻のおかげ」と公言している。本当に愛妻家ですね。安倍夫婦は仮面夫婦とも言われていますが、実際のところ、どうなんですか?
 
野上 そう見る向きもありますね。ファーストレディーが居酒屋を経営するなんて前代未聞ですし、「家庭内野党」と公言して夫の安倍がやることに異を唱えるなど、破天荒なのは間違いない。苦労知らずの似た者夫婦なのかもしれません。 (つづく・敬称略)