2018年9月7日金曜日

金正恩委員長「トランプ大統領1期目中に非核化」と

 北朝鮮の金正恩氏は文在寅大統領の特使団に対し、アメリカのトランプ大統領の1期目の任期が終わるまでに非核化を実現できればよいという考えを示しました。
 しかし「体制の保障」などが前提になるので、北が一方的に非核化することはあり得ません。韓国の特使団との折衝で、北は米国が求める非核化の対象リストやタイムスケジュールの提出に応じなかった模様です
 また韓国側が模索していた18日に開幕する国連総会に合わせて文在寅と金正恩、トランプの3者会談は、正恩氏の訪米と国連総会出席困難であるため断念しました。
 
 米朝の敵対関係の解消を確認する終戦宣言は、北朝鮮が「体制の安全の保証」の一環として当初から求めているもので、これが実現しないことには事態は進展しないと思われます。
 この終戦宣言については、将来的に在韓米軍の撤収を要求する根拠として北朝鮮が利用しかねないとの懸念が韓国国内にありますが、正恩氏は「終戦宣言は米韓同盟の弱体化や在韓米軍の撤収とは関係ない」と述べ、早期実現を訴えました。
 南北の首脳会談は今月18日から3日間の日程でピョンヤンで開かれることが決まったので、そこでも論じられることと思われます
 
 それとは別に、金正恩氏が韓国の特使団に対し「トランプ大統領への信頼に変わりはない」などと発言したことを巡り、トランプ氏は6日、「ありがとう、金委員長。我々は一緒にやっていけるだろう!」とツイッターに書き込みました2人の間に信頼関係があるのは喜ばしいことです。
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北朝鮮 キム委員長「トランプ大統領1期目中に非核化」
NHK NEWS WEB 2018年9月6日
韓国政府は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長がムン・ジェイン(文在寅)大統領の特使団に対し、アメリカのトランプ大統領の1期目の任期が終わるまでに非核化を実現できればよいという考えを示したと明らかにし、6日夜、キム委員長からのメッセージを含め会談の結果について、電話でトランプ政権に伝えることにしています。
韓国のムン・ジェイン大統領の特使として5日北朝鮮を訪問し、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と会談した大統領府のチョン・ウィヨン(鄭義溶)国家安保室長は6日の記者会見で、キム委員長が、アメリカのトランプ大統領の1期目の任期が終わる2021年1月までに米朝の敵対関係を清算し非核化を実現できればよい、という考えを示したと明らかにしました。
ただ、アメリカが求めている核施設の申告などの具体的な措置について言及があったのかどうかは明らかにしませんでした。
一方、朝鮮戦争の終戦宣言に関してキム委員長は、韓国に駐留するアメリカ軍の撤退などとは関係がないとして、早期に実現したい意向を示したということです。
 
チョン室長は、ホワイトハウスのボルトン大統領補佐官に日本時間の6日午後8時に電話をかけ、キム委員長からのメッセージを含めて会談の結果を伝えることにしています。
ムン大統領の特使団の訪朝によって、南北の首脳会談は今月18日から3日間の日程でピョンヤンで開かれることが決まりました。
会談に向けて早速開かれた韓国側の準備委員会でムン大統領は「期待した以上の成果があった。朝鮮半島の非核化をめぐる米朝対話も促進されるのではないかと期待している」と述べ、成果を強調しました。
 
 
米韓朝の3者会談を断念…国連総会に合わせて
読売新聞 / 2018年9月6日 22時44分
 【ソウル=岡部雄二郎】韓国の 鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長は6日の記者会見で、米ニューヨークで18日に開幕する国連総会に合わせて模索していた文在寅(ムンジェイン)大統領と 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長、トランプ米大統領の3者会談を断念する考えを示した。
 韓国政府は3者会談を通じ、朝鮮戦争の「終戦宣言」の実現を目指していた。だが、非核化を巡る米朝協議が停滞する中、会談の前提となる正恩氏の訪米と国連総会出席は困難と判断した模様だ。韓国政府は今年中の終戦宣言の実現を目指し、引き続き3者会談の開催を働きかけていく方針だ。
 
 米朝の敵対関係の解消を確認する終戦宣言は、北朝鮮が「体制の安全の保証」の一環として求めているが、将来的に在韓米軍の撤収を要求する根拠として北朝鮮が利用しかねないとの懸念が韓国国内にはある。大統領特使として5日に訪朝して正恩氏と会談した鄭氏によると、正恩氏は「終戦宣言は米韓同盟の弱体化や在韓米軍の撤収とは関係ない」と述べ、早期実現を訴えた。
 
 
トランプ氏、正恩氏と「一緒にやっていける!」
読売新聞 2018年9月6日
 トランプ米大統領は6日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国の特使団に対し、「トランプ大統領への信頼に変わりはない」などと発言したことを巡り、「ありがとう、金委員長。我々は一緒にやっていけるだろう!」とツイッターに書き込んだ。
 トランプ氏は8月下旬にポンペオ米国務長官の訪朝の取りやめを指示した際、「現時点では、朝鮮半島の非核化に関して十分な進展が得られているとは思えない」と北朝鮮の姿勢を批判していた。トランプ氏は、正恩氏が韓国特使団に非核化への意欲を見せたことを評価したとみられる。