Paul Craig Robertsが「世界ホロコーストを引き起こしかねないワシントンの喧嘩腰」と題するブログを公表しました。(ホロコースト:大量虐殺 全滅)
それを読むと3つのことが分かります。
一つは、米国の体制側は、そのためには世界が核戦争で滅亡することも厭わないほどの、極めて強固な「ロシア殲滅」の願望を持っているということです。
もう一つは、ユダヤ人の悪口をいうことは、米国を中心とする西側社会では強烈なタブーになっているということです。
そしてRoberts氏が、その核のハルマゲドン(最終戦争)に立ちはだかってくれるのがドナルド・トランプ(とウラジーミル・プーチン)であると考えていることです。
Roberts氏は、米国の体制側が画策している対ロシア・ホロコースト作戦の詳細については触れていませんが、過去には下記のような例が知られています。
1949年にはトルーマン・ドクトリンの下、統合参謀本部の研究報告にソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという内容が盛り込まれました。
1954年には米戦略空軍総司令部が、600から750発の核爆弾をソ連に投下し、約6000万人を殺すという計画を立て、1957年には300発の核爆弾をソ連の100都市で使うという作戦が作られました。
1960年代に入って、レムニッツァーが統合参謀本部議長への再任が拒否されたのは、ソ連に対する先制核攻撃をめぐってケネディ大統領と衝突したためでした。(櫻井ジャーナル)
まことに米国体制派による理不尽な「ロシア憎し」の妄執は、偏執狂を思わせるものがあります。
ユダヤ人に関するタブーについては、彼が文中で引用しているユダヤ人ロン・アンス氏の文章を、最高度の勇気を持っていなければ書けないと激賞していることから推測できます。
Roberts氏は、トランプ氏が大統領選に勝利すると同時に、体制側からいわゆる「ロシアゲート疑惑」が叫ばれた時点から、トランプ氏の対ロシア宥和志向を高く評価し、もしもそうした抵抗を排除してロシアとの宥和が達成できれば、比類のない大統領:「トランプ大帝」になれると述べました。
その後体制側の攻撃の前に、対ロシアの姿勢でもトランプ氏独特の揺らぎはありましたが、基本的に宥和を志向している点では変わりませんでした。
Roberts氏はいまも、トランプ氏は、もう一つの核大国ロシアと関係を正常化する必要性を強調した「たった一人の大統領」であると評価しています。
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世界ホロコーストを引き起こしかねないワシントンの喧嘩腰
マスコミに載らない海外記事 2018年9月5日
Paul Craig Roberts 2018年9月4日
最近、ユダヤ人ホロコーストに関する私の意見をという多数のご依頼をいただいている。こうした質問は、経済や法律や現在の外交問題や、シリアにおけるワシントンとロシアの迫り来る決戦に関する私の意見とは無関係な話題なので当惑している。私はあらゆることについて、あらゆることを知っていると読者から思われていることを嬉しく思うべきなのか、それとも、これらの質問は、私のウェブサイトの信用を傷つけ、閉鎖させるのに利用されかねない嫌疑である“ホロコースト否定論者”として私をはめる企みなのか私には分からない。
私が関心を持っているホロコーストは、ワシントンによる対ロシア攻撃、ヨーロッパが支援している攻撃で、我々の未来を準備しているものだ。これは数百万人のホロコーストではなく、数十億人か、おそらくは、地球丸ごとのホロコーストになるはずだ。私には、第二次世界大戦にまつわるホロコーストを調査する時間とエネルギーがないが、素晴らしい人物で、ユダヤ人で、毎日ご覧頂きたいウェブサイトを維持しているロン・アンス- http://www.unz.com- が客観的部外者として良く見ており、ここで読める。↓
彼はこの主題で、以前文章も掲載している。
ロシアに対するワシントンの喧嘩腰が世界を核戦争に押しやっており、ワシントンが様々な偽旗事件、2001年9月11日以来、アメリカ憲法を破壊し、アメリカ国民に対するあらゆる権限を、行政府に集中していることを、人々に気がついてもらうことに私は注力している。
こうした課題で私の時間とエネルギーは使い果たされてしまう。私は、これ以上の問題を抱えることはできない。9/11公式説明に異議を唱えないと多くの人々が非難しているノーム・チョムスキー擁護で私が書いた通り、チョムスキーほど多数の論争を呼ぶ話題に関わっている人物に、更にもう一つのことに関わる余裕はないのだ。
皆様に真実を語ろうとしている我々は全てお見通しの神ではない。我々は生身の人間で、あつかえる能力、あるいは能力に近いものがある主題の数は限られている。
情報を処理し、吸収し、分析する能力で、ロン・アンスは人間としては最も神に近いと言えよう。
勇気について言えば、彼以上勇敢な人はいない。以下が、文字にする勇気がある人はほとんどいないと思われる四段落の文章だ。
“冷戦末期の昔、ボルシェビキ革命と、ソ連政権の最初の20年間による無辜の一般市民の死亡者数は、ロシア内戦や、政府が引き起こした飢饉や、強制収容所や、処刑の死者を含めると、概して、合計でゆうに何千万人になると計算されている。こうした数字は、おそらく、わずか2000万人程度に相当下方修正されていると聞いている。断固としたソ連擁護派は、そうした非常に大きな数に異議を申したてるかかも知れないが、それは常に欧米で教えられる歴史の標準的言説の一環だった。
“一方、歴史学者全員、ボルシェビキ指導部は圧倒的にユダヤ人で、レーニンが後継者候補として指名した5人のうち3人がユダヤ系だったことを十分知っている。わずか約4%のロシア住民しかユダヤ人でなかったが、数年前ウラジーミル・プーチンが、ユダヤ人が初期ソ連政府のおそらく80-85%を占めていたと述べたが、この推計は、ウィンストン・チャーチル、タイムズ・オブ・ロンドン特派員ロバート・ウィルトンや、アメリカ軍諜報機関幹部らの同時期の主張とぴったり辻褄があう。アレクサンドル・ソルジェーニツィンや、ユーリ・スリョーズキンらの著書も、極めて似た図柄を描いている。第二次世界大戦前、ユダヤ人は、共産党指導部の中で余りに多すぎで、特に強制収容所政権や、恐れられていた内務人民委員部の幹部では支配的だった。
“こうした単純な二つの事実が、私の人生中、アメリカでは広く受け入れられていた。だが、これを第二次世界大戦以前の約1600万人という比較的小さな規模の全世界のユダヤ人と一緒に考えると、一人当たりで言えば、ユダヤ人は20世紀最悪の大量虐殺者で、大差で、ほかのどの国籍の民族もかすりもできないほど不幸な特徴があるというのが避けられない結論だ。しかも過去百年間、驚くべきハリウッド魔術によって、最大の殺人者連中が、どういうわけか最大の犠牲者と見なされるよう変身し、変容は一見余りに信じ難いので、将来の世代が、畏怖し、あえぐだけとなるのは確実だ。
“現在のアメリカ・ネオコンと、百年前、ボリシェビキがそうだったように、圧倒的にユダヤ人が多く、彼らは、この全く奇怪な歴史的現実の反転による政治的免責の恩恵を大いに享受している。連中のマスコミがでっちあげた被害者という立場のおかげも一部あって、彼らはアメリカ政治体制の大半、特にアメリカ外交政策の支配権を掌握することに成功し、過去数年間、核武装したロシアとの全く常軌を逸した戦争を煽ることに全力を尽くしている。もし連中がこの不幸な目的を実現するのに成功すれば、彼らは確実に、彼らの民族的先祖が積み上げた何とも見事な死者数を、おそらく一桁あるいはそれ以上、更新するはずだ。”
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ホロコーストに関心がおありなら、アンスの長いエッセイが、賛成なり反対なり、両方の情報のありかを示してくれている。
私が関心を持っているのは、過去ではなく現在だ。ドナルド・トランプは、もう一つの核大国と関係を正常化する必要性を強調した たった一人の大統領候補だった。軍安保複合体は、この公約を自分たちの膨大な予算と権限に対する脅威と見なし、トランプ大統領がロシアとの関係を正常化するのを阻止すべく、“ロシアゲート”を画策したのだ。
CIA率いる対トランプ大統領攻撃は、ワシントンとロシア間の極端に高い緊張の危険を理解するのに十分な知性がある唯一の政治家を排除するトランプ大統領弾劾を求めて戦っている民主党とリベラル/進歩派/左翼の全面的支援を得ている。
もし反トランプ・プロパガンダ作戦が成功すれば、誰であれ、彼の後釜になる人物はロシアに敵意を示さない限り、同じ運命に会う。それゆえ現時点では、我々と核のハルマゲドンの間に立ちはだかってくれる人々は、ドナルド・トランプとウラジーミル・プーチンしかいないというのが妥当な結論だ。
権力に取り付かれた軍安保複合体の強欲は理解できるが、民主党やアメリカ・リベラル/進歩派/左翼の地球自殺願望は、一体どうやって説明できるのだろう? こうした連中は、アイデンティティ政治の盲目的で無知な憎悪によって、呆然としているのだろうか?
ロシアに対する喧嘩腰には地球上の生命にとって恐ろしい意味合いがあることを、これほど多数の人々が全く理解できずにいることが、一体なぜあり得るのだろう?
軍安保複合体の膨れ上がった予算と権限を守ることと、民主党大統領をホワイト・ハウスに送り込むことが、ロシアとの和平より重要だなどと信じこむとは、人々は一体どれほど愚かで、堕落しているのだろう?
イタリア人ジャーナリスト、コンスタンティノ・セオルドとの最近のインタビューで、ロシアとの間の危険な緊張に対するヨーロッパの責任を私は強調した。ヨーロッパの政治家連中が、地球上の生命より、ワシントンの喧嘩腰に忠実なのは一体なぜなのだろう?
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