安倍首相は『日曜討論』(NHK)でも、またも墓穴を掘るような発言を連発したということです。LITERAが取り上げました。
森友・加計問題への安倍首相または昭恵夫人の関与について、今度は「介入したことは全くない」という言い方に変えました。当初は「もしも関与していれば議員も首相も辞める」と断言しましたが、関与が明らかになると「金銭的には関与していない」と言い換えて批判を浴びました。それで今度は「介入していない」というさらに強い語感を持ついい方に変えたのでした。「口先一つでなんとでもなる」と考えている安倍氏らしいことです。
安倍氏は14日の討論会で、朝日新聞の坪井氏から、プーチン大統領に“北方領土返還の前提条件を一切抜きにした平和条約締結”を突きつけられたときになぜ反論しなかったのかと聞かれると、「専門家はですね、あなたとは結構違う考え方、もってる人多いんですよ。~ 専門家の多くは、そうは考えていない」と、答えて煙に巻きました。
「その場では検証しようのない事柄」を口にして言い逃れをするのは安倍氏の得意技なのですが、さすがにそれだけでは不十分と考えたようで、その後、日本の原則が領土問題を解決して平和条約を締結するであることは何回もプーチン氏に言ってあり、「あのプーチン大統領の発言の後にも、念のために言った」と述べました。
しかし16日、ロシアの大統領報道官は「プーチン大統領の提案後に安倍氏本人から反応はなかった」と述べてそれを否定しました(共同通信)。外交問題は相手のあることですから、勿論自国民を騙せれば済むというものではありません。
“違憲扱いされているかわいそうな自衛隊”のために9条の改憲をするというのが、安倍氏の一貫した言い分なのですが、石破氏に「いま国民で自衛隊を違憲と思っている人は1割もいない。自衛隊に対して好感をもっている国民は9割。私も長く国会で答弁してきたが、自衛隊違憲論争はやったことがない」と正論で切り返されると、安倍氏は「これはですね、残念ながら自衛隊はたしかに国民に信頼をされている。多くの人は自衛隊を憲法違反とは思っていない」と驚くべき発言をしました。
それは国語力の欠如によるものですが、自分の大義名分が通らなくなって「残念」だというのは彼の本音なのでしょう。「自己チュウ」の彼が改憲を目指すのは何も自衛隊員の名誉のためではなく、それを口実にして憲法9条2項を無効にして、海外で戦争できる軍隊に変えるというのが本当の狙いです。
若しもそうなれば、国土の防衛や災害救助などを念頭に自衛隊員を選択した筈の隊員たちは、いずれ無償の傭兵として米軍によって、海外の困難な戦場で酷使されることになります。安倍首相による改憲は、自衛隊員にとっても「大いに迷惑」というのが真相です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
安倍首相が総裁選でトンデモ発言継続中!「プーチンに反論した」と大嘘、
「残念ながら自衛隊は国民に信頼されている」と本音
LITERA 2018.09.17
先週おこなわれた日本記者クラブ主催の討論会で「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことはない」と言い放った上、「(プーチン大統領とは)ウニなどについて合意しましたよ!」などと“外交の安倍”がいかに看板倒れであるかを自ら暴露した安倍首相。
だが、安倍首相は性懲りもなく、昨日生放送された『日曜討論』(NHK)でも、またも自ら墓穴を掘るような発言を連発したのだ。
たとえば、森友・加計問題について、記者クラブ討論会でも「(公開された決裁文書や交渉記録で)私の指示や妻が関与したということは一切出ていない」と言ったすぐあとに「私の妻や私の友人が関わってきたこと」と認め、慌てて「関係という言葉には広い概念がある」などと詭弁を繰り返した安倍首相だったが、昨日の『日曜討論』では、以下のような“言い換え”戦術に打って出た。
「加計問題、あるいは森友の問題についても、広大……たくさんの文書等が出てまいりましたが、私が、か……介入した、また妻が介入したということは、それはまったく出ていないということであります。介入していないということは証明されたと思います」
「広大な文書」という言葉に日本語が不自由な安倍首相らしさが滲み出ているが、それはさておき、問題は、これまで「関与」「関わる」と表現してきた部分を「介入」に差し替えたことだ。まったく姑息というほかないが、「昭恵夫人付き職員」だった谷査恵子氏の財務省への口利きFAXと電話記録や、萩生田光一・官房副長官(当時)による「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」などの発言記録文書、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と加計学園との面談記録など、「介入」を示す証拠は山ほどあり、言葉を言い換えてどうにかなるような問題ではない。なのに、安倍首相はまたもその場しのぎで悪あがきするのだ。見苦しいにも程があるだろう。
だが、もっと呆れたのは、東方経済フォーラムでプーチン大統領に“北方領土返還の前提条件を一切抜きにした平和条約締結”を突きつけられた件が話題にのぼった際の発言だ。
安倍首相は「私はプーチン大統領と22回会談をおこない、何回もふたりだけの会談をおこないました。相当突っ込んだ話を、領土問題についても平和条約についても、話をしました」と述べると、「今度、彼が発言したこと。いろいろ取り方があるんですが、専門家の多くの方々はですね、彼が平和条約締結ということを強く前に打ち出したということについては、これはですね、日本がむしろ積極的にそれを受け取っていくべきだ、と言う人が多いんですね」と発言。
記者クラブ討論会でも安倍首相は同じ話をドヤ顔で展開していたが、本サイトでもお伝えしたように、安倍応援団でさえプーチン発言にはダンマリを決め込むほど安倍首相のロシア外交が大失敗であることは誰の目にもあきらかなわけで、あのプーチン発言を“前向きなメッセージ”などと言っているのは菅義偉官房長官くらい。多くいるという専門家とやらをぜひ紹介してほしいものだ。
しかも、安倍首相は「評価する専門家は数多い」という根拠のない反論だけではなく、ついに、こんなことまで言い出したのだ。
「日本の原則というのはですね、領土問題を解決して平和条約を締結する。これは何回も私、申し上げております。あの、プーチン大統領の発言の前にも申し上げておりますし、その後にもですね、念のために言いました」
プーチンへの反論はロシアの報道官に否定され、嘘がバレバレに
東方経済フォーラムの前にも後にも、安倍首相はプーチン大統領に直接「平和条約締結は領土問題を解決してから」と迫った──。安倍首相は堂々と言い放ったが、この安倍首相発言は、早くも「嘘」だったことが発覚した。昨日、ロシア国営テレビのインタビューを受けたペスコフ大統領報道官が、「(プーチン大統領の提案後に)実際に安倍氏本人から反応はなかった」と述べたからだ。そもそも公の場でなんの反論もできていないのに、後でみんなの見てないところで反論したと釈明したところでなんの説得力もない。
いつものこととはいえ、どうしてすぐにバレる嘘をついてしまうのか……。しかも、こういった安倍首相の発言がロシア側に伝われば、さらにつけ込まれる可能性も出てくる。国民には虚偽の説明をして騙しておけばいいと高を括っているのだろうが、それが外交問題に発展する危険があるという危機意識ももてないのに、どこが“外交の安倍”なのだろう。むしろ、“売国の安倍”と呼ぶほうがしっくりとくるではないか。
しかし、安倍首相はこの『日曜討論』で、さらに耳を疑うようなことを言い出した。司会者から「自衛隊の憲法明記を優先するのはなぜか」と質問された安倍首相は、こう口を開いたのである。
「これはですね、残念ながら自衛隊はたしかに国民に信頼をされている。多くの人は(自衛隊を)憲法違反とは思っていない」
「でも、残念ながら憲法違反ではないと言う憲法学者はわずか2割です。ですから自衛隊の合憲性について、その記述がどの教科書にも載っていますし、自衛隊員の子どもたちもその教科書で学んでいる」
「残念ながら」自衛隊は国民に信頼されている……? これまで何度も「自衛官が誇りをもてる環境を!」と主張して憲法改正を訴えてきたのに、なぜ、自衛隊が国民から信頼されていることを「残念」などと言うのか。これは、いまも西日本や北海道で被災地の復旧活動にあたっている自衛隊員に対する“冒涜”ではないか。
「残念ながら」発言は改憲の理由ないことを残念がる本音が漏れたもの
この信じられない発言の背景にあるのは、石破茂・元幹事長の“反論”だろう。石破氏は、安倍首相が繰り広げる「自衛隊を合憲とする憲法学者はわずか2割」「そのせいで自衛隊員の子どもがいじめられている」と強調してきた。だが、記者クラブ討論会で石破氏は「いま国民で自衛隊を違憲と思っている人は、読売新聞の調査だと1割もいない。自衛隊に対して好感をもっている国民は9割です。私も長く国会で答弁してきましたが、自衛隊違憲論争はやったことがない」と、ぐうの音も出ない正論で切り返した。
ようするに、安倍首相は“違憲扱いされているかわいそうな自衛隊”という主張でもって9条に自衛隊を明記する憲法改正案を訴えてきたが、その下心を見事に石破氏に喝破されたために、「“残念ながら”自衛隊は国民に信頼されている」などという“本音”が出てしまったのだろう。
外交の大失敗を受け入れないばかりか、さらに傷を広げるような嘘を国民につき、憲法改正という自分の欲望を叶えるために自衛隊を利用する……。あらためて安倍首相の醜態が浮き彫りになったかたちだが、今後の石破氏との論戦でも安倍首相が墓穴を掘る可能性は大。今晩は『報道ステーション』(テレビ朝日)や『NEWS23』(TBS)に出演する予定だというので、こちらも要注目だ。 (編集部)