2018年9月11日火曜日

文在寅大統領の災害見舞いツイートを完全無視の非礼 安倍首相

 安倍首相は、台風21に続き北海道大地震に襲われた日本に対し、6日早々に韓国の文在寅大統領からお見舞いのツイートをもらっておきながら、10日に至るまで返礼のツイートをせずに、完全無視のままロシアに向けて発ったということです。
 同じ6日には、オーストラリアのスコット・モリソン首相台湾の蔡英文総統もお見舞いのツイートを寄越しましたが、その二人に対しては安倍首相は翌7日に返礼のツイートをしています。
 明らかに文大統領だけを差別したもので、これほどの非礼はありません。仮に韓国慰安婦問題などで対立があったとしても、それとこれとは別問題で、もしもそれが理由ということであればその幼児性に言葉を失います。豪首相や台湾総統に対しては、言葉を尽くして謝意を表明しているだけに尚更です。
 
 LITERAは、この信じがたい愚行の背景には、20日投票の自民党総裁選で、いわゆる嫌派が多い安倍首相のコアな支持層からの得票を確実にしたいという思いがあるとしています。安倍首相自身に同じ「韓国蔑視」の気持ちがあるのはいうまでもないことで、ことの大小の見極めや理非曲直を全く弁えていないことにただ呆れます。
 
 日本の心ある人たちが、〈文在寅大統領、ありがとうございます。お見舞いをくださった方にお礼をすることもできない、人として心がないものが首相になるこの国を私は本当に恥ずかしく思います〉などと、非礼を詫びるツイートをしているということです。
 せめてそうした日本国民の思いだけでも文大統領に伝わって欲しいものです。
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安倍首相が韓国・文在寅大統領の災害お見舞いツイートを完無視!
ネトウヨ受け重視で国際感覚ゼロ
LITERA 2018年9月10日
 台風21号、北海道での地震の被害を受ける日本に対し、各国代表、駐日大使館などが相次いで見舞いや支援のメッセージを送ったが、そんななか、安倍首相のTwitterでの対応が物議を醸している。
 
 というのも、安倍首相はオーストラリアのスコット・モリソン首相や台湾の蔡英文総統からのツイートには丁寧に返信したのに、同様に日本に見舞いのメッセージを送った韓国の文在寅大統領に対しては、9月10日現在、いまだにTwitter上で無視を決め込んでいるからだ。
 9月7日、安倍首相は自身のアカウントに、英語と日本語でモリソン豪首相に宛てて〈モリソン首相, あなたの温かい連帯の言葉に心から感謝します。我々は, あなたのご親切に励まされています。自然災害はいつも我々に試練を与えます。私の思いは最近の干ばつで影響を受けているオーストラリアの方々と共にあります〉と投稿。モリソン首相が6日に〈わたしたちの思いは日本の人々と共にあります〉など安倍首相に宛ててツイートしたことに返信したかたちだ。
 
 また、同じく6日には、台湾の蔡英文総統が、自身のTwitter に台湾語と日本語で〈台湾は日本の良き友人として、自然災害が続く日本と共にこの困難な時期を乗り越えたいと願い、またそうする義務があると考えています。北海道で発生した地震のために、台湾は特殊救助隊員40名、災害救助犬2頭、及び必要な器材を派遣する用意を整えました。これからも引き続き日本を応援します〉と投稿した。
 このツイートは、モリソン豪首相とちがって、安倍首相に直接送られたものではなかった(安倍首相のアカウントに対するメンションなし)のだが、安倍首相は7日、引用リツイートの形で、謝辞とともに〈我々の共通の大きな課題である台風や地震等の自然災害について, これからも互いに協力して乗り越えていきたいと思います〉と投稿している。
 
オーストラリア首相や台湾総統には丁寧に返信したのに、韓国・文大統領には
 ところが、文大統領に対しては、安倍首相は完全にシカトを決め込んでいるのだ。文大統領は6日、「@AbeShinzo」と宛先をつけて、韓国語で〈台風と地震で犠牲になった関西と北海道の方々に哀悼の意を表し、家族を失った人や怪我をした人々に慰労の言葉を送ります。相次ぐ災害の衝撃は大きいと思いますが、自然災害に徹底的に備えてきた日本の底力が発揮されると信じています〉とツイートした。
 しかし、安倍首相はそれから4日が過ぎた10日17時現在でも、このツイートに返信しないばかりか、Twitter上で韓国政府を代表してお見舞いの言葉があったことに言及をしていない。これは安倍首相が文大統領のツイートだけに気がついていないということではないだろう。実際、6日には河野太郎外相が訪問先のドイツで、文大統領からメッセージを受けとったことを記者団に明らかにしおり、安倍首相がそれを知らないはずがない。
 
 ようするに、安倍首相はオーストラリアや台湾の首脳からのツイートには丁寧に二カ国語で返信しているのに、韓国にだけはシカトしているというわけだ。相次ぐ大災害に気をかけ、日本政府と日本で生活する人々を応援する言葉を贈った隣国の首脳を、意図的に無視する──。この信じがたい状況を受けて、Twitter上では、多くの一般のユーザーが文大統領に対して、こんなツイートをしている。
 〈暖かいお言葉をありがとうございます。日本の首相が無礼で恥ずかしいです。韓国と日本の友好を願います〉
 〈安倍さんがお返事しなくてすみません。北海道、大阪をねぎらってくださってありがとうございます〉
 〈文在寅大統領、ありがとうございます。お見舞いをくださった方にお礼をすることもできない、人として心がないものが首相になるこの国を私は本当に恥ずかしく思います〉
 
 ほかにも、安倍首相の失礼な振る舞いに対するお詫びと文大統領の心遣いに感謝するメッセージをハングルに翻訳して文大統領に送るユーザーも少なくない。いずれにせよ、安倍首相の振る舞いは、国際感覚の欠如とか外交力のなさとか以前の問題だ。はもはや、人間として最低限の誠実さすらないのだろうか。
 
安倍首相の文在寅大統領ツイート完無視の背景に、韓国蔑視とネトウヨ受け
 もっとも、安倍首相が文大統領からのメッセージをスルーしている理由のひとつは、慰安婦問題などでの対立も含め、安倍首相が元来もっている韓国蔑視からだろう。事実、安倍首相は若手時代、自民党の勉強会で“韓国は売春国家”という趣旨の発言をしている。安倍首相のとりまきが、日頃から韓国ヘイトをばらまいていることも周知のとおりだ。また、慰安婦問題を象徴する少女像が新たに韓国内に設置された際には、駐韓大使の一時引き揚げや日韓通貨スワップ協議の中断などの対抗措置を強行して圧力をかけている。
 
 しかし、それにしても、今回の安倍首相の行為はいままで以上に幼稚だ。そのあまりに信じがたい愚行の背景には、20日に投開票の自民党総裁選があるからとしか思えない。
 いうまでもなく、総裁選は自民党所属の国会議員だけではなく、全国の自民党員が投票する。つまり候補者は、国政選挙や地方選とちがって、自民党支持者からの人気を何よりも優先するわけだが、安倍首相のコアな支持層はといえば、韓国との国交断絶をがなりたてるようなネット右翼、極右主義者たちだ。
 ようするに、安倍首相は支持者のネトウヨに配慮して、ネトウヨの目が向かいやすいTwitter上でのやりとりを避けた。そういうことではないのか。実際、安倍首相は告示日の前日に放送されたネトウヨ御用達のネット番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)にVTR出演を北海道地震直後に強行するなど、極右やネトウヨの支持固めに必死になっている。
 
 国内のネトウヨ層を重視するあまり、外交的にも歴史的にも極めて重要な隣国との関係やごくごく初歩的な外交マナーを平気で踏みにじる総理大臣。あらためて頭がクラクラしてくるではないか。このまま安倍首相が総理の椅子に座り続けるようなことになれば、この国はこれからもどんどん国際社会に恥をさらし続けていくだろう。ネトウヨの言葉を借りれば、安倍晋三こそ国益に反する「国賊政治家」ではなかろうか。 (編集部)